単純な俺たちのありふれた恋の話

みーくん

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おまけの東堂権三郎くんの決心

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「あぁ・・ごんちゃん・・・そこ・・・だめぇ・・・」



「はぁ・・・なお・・・なお・・・すきだよ・・・」



「おれもぉ・・・ごんちゃん・・・すきぃ・・・」



「ほら、もっと気持ちよくなって・・・」



「あっ!・・おくっ・・おくきもちぃ・・もっとぉ」



「なお、なお、なお、・・・なお・・・すきだっ」



「ごんちゃん・・・いっしょに・・・イこ・・・」



・・・

 ・・・

  ・・・。



ぬあーーーー!!!!また夢か。



俺は東堂 権三郎とうどうごんざぶろう。



最近、同じ夢ばかり見る。とても破廉恥な夢だ。



俺の大好きな巻島直樹くんを抱いている夢。

夢のような夢だ。



 この夢を見るキッカケとなったのは、あの日の体育での出来事だ。



その日、バレーボールで幸せなことに直樹くんと同じチームになった。試合自体は直樹くんの活躍もあり勝利することができた。・・・問題はその後に起こった。



 試合が終わったチームは別のチームの試合の審判をすることになっていた。そこで、俺と直樹くんは得点係になったのだけれど、隣に体育座りで座っていた直樹くんに話しかけられた。しかし、周りが騒がしくて聞き取る事が出来なかったんだ。



 直樹くんの声を聞き逃してしまうなんて、何たる不覚。



 一回で聞き取れなかった事を申し訳なく思いながら聞き返したら・・・

腕をグイッと引っ張り、俺の耳に可愛い口を寄せ言ったんだ。



「一緒に行こう!」



 そう、直樹くんが言ったのは『(試合が始まるから得点板まで)一緒に行こう』と言う意味だ。

分かっている。分かっているんだ!



 しかし、俺は勝手に脳内変換したんだ。記憶操作かもしれないな。



「・・・いっしょに・・・イこう・・・」



いやいやいや、分かっている。直樹くんがこんな事を俺に言うはずがないことも。



 はぁ~。俺は限界を迎えようとしているのかもしれない。直樹くんが好きすぎるんだ。気持ちを抑える事が難しくなってきている。



 ここまで来ると、同じクラスでなくて良かったとすら思えてくるな。もしも同じ教室に直樹くんが居たら、俺は確実に黒板ではなく直樹くんだけを見つめてしまうだろう。そうしたら、ただでさえ良くない成績が取り返しのつかない事態に陥ってしまうだろう。



 あの体育の日から、何度も直樹くんを抱いている夢を見る。華奢な身体を撫でまわし、可愛い胸の飾りに吸い付き舐めまわし、『なお』と呼んで好きだよと伝える。小さく甘い唇を食むように奪い舌を絡めて歯列をなぞる。俺の人よりも少しデカいモノで奥まで突き上げれば、直樹くんは「もっと、もっと」と強請ってくる。



こんな夢・・・最高すぎるだろ。



 毎日夢を見る訳ではないが、一週間のうち五日は見る。・・・ほぼ毎日だな。

その度に俺は朝、パンツを替えなくてはいけない。何とも情けない姿だ。こんな情けない俺が柔道部の主将なんてやっていても良いのだろうか。



 もうすぐ大会も控えている。三年になれば引退も近づく。

このままでは駄目だ。部の皆を引っ張っていかなくてはいけないのだ。



――――俺は決心をした。



 まずは、直樹くんへの気持ちに一区切りつけよう。

直接伝える勇気はないけれど・・・。





 もうすぐバレンタインだ。告白しよう。



 直樹くんのことだ。

チョコは他の人に貰うかもしれないから

俺は・・・ポテチにしよう。





 だから、それまでは夢の中で抱くことを許してくれ。



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