単純な俺たちのありふれた恋の話

みーくん

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ハッピーすぎるバレンタイン

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 圭一郎の部屋に入り、荷物を置く暇もなく抱きしめられる。



「直樹。ごめん。ごめん。直樹の気持ちも知らないで先に帰すような事して。」

「いいよ。夜、家に来て渡せばいいやと思ってたから。」

「誤解が無いように言っておくけど、俺も直樹との時間を邪魔されたくないよ。」

「うん。」

「だから面倒くさい事は今日中にサッパリと終わらせたかったんだ。」

「もう終わったの?」

「うん全部終わった。付き合ってる人がいるって言った。・・・あのさ直樹。俺が教室に一人で待たせたくないって思ったのはさ。」

「うん?」

「直樹の事を好きな男は本当にいるんだよ。今日も手紙とか貰ってただろ?」

「うん。」

「あれ、本気だよ。」

「うん。さすがに俺もなんとなく分かるよ。」

「直樹は男にしては華奢で小柄だから、もしも、男に本気で襲われたら絶対に敵わないよ。本気になった男は何をするか分からない。女の子に好かれるのとは、少し訳が違うと思ってる。」

「・・・。」

「俺だって直樹を襲いたいって思ってたし、聡だって実際にキスしてきただろ?もし、直樹が他の男に何かされたら、俺・・・気が狂いそうだ。誰もいない教室なんて、そんな危険な場所に一人で居てほしくなかったんだ。」

「うん。分かったよ。ありがとう。俺も気を付けるようにするよ。」

「俺、直樹のことが本当に自分より大切なんだよ。愛してる。直樹、愛してるよ。」



 そう言って力強く抱きしめる圭一郎の声は少し震えていた。圭一郎が大切に思ってくれている分、俺も圭一郎を大切にしていこう。そして自分も大事にしようと思った。



「そうだ。圭一郎!さっき兄ちゃんも言ってたけど、ケーキ作ったんだ。」



 頑張って作ったケーキを渡すと、とても喜んだ圭一郎に押し倒されキスの嵐に見舞われる。



 キスをすれば、当然ムラムラしてくるわけで・・・

いつも圭一郎から誘ってくるけど、今日はバレンタインだし・・・



 圭一郎を抱き寄せ、唇に触れるだけのキスをする。



「圭一郎・・・・・・しよっ。」



 満面の笑みを浮かべ、キラッキラした瞳の圭一郎。

「いっぱいイかしてあげるね。」



「今日は俺の中を圭一郎で溢れるほどいっぱいにしてほしい。」



 圭一郎は、顔を真っ赤にして天を仰ぐ。



・・・こいつ・・・どっちにしても顔を赤くするんだな。







・・・・・・





「なおき・・・すきだよ・・・きれい・・・すきだ・・・」

「ふぁ・・・はぁ・・・・・けい・・いちろっ・・きもち・・」



執着に胸の突起を愛撫され同時に扱かれ、全身を撫でまわされ、舐め回され

俺はすでに快楽の渦に放り込まれている。



「けぇいちろぉ・・・もっとぉ・・・」

「なおき・・・もっと感じて・・愛してるよ・・・」



「はぁ・・あっ挿れて・・・そのままいれてぇ・・」



 この日、俺たちは初めて生でした。

いつも以上に感じる圭一郎自身の熱が気持ちよくて仕方ない。



懸命に腰を振る圭一郎の汗ばんだ快楽を感じている色っぽい顔を見れば、それだけでイきそうになる。



「なっ・・・おきっ!これ・・・ヤバい!きもちよすぎて・・・はぁ・・・でるっ!」



 圭一郎は、すぐにイッた。「気持ちよすぎてヤバい」を連発している。

それから圭一郎が何回も吐き出したもので、心も体も満たされる。



 風呂に向かう時、俺の中から漏れ出た白濁が太ももを伝うのを見た瞬間に、再び息子をギンギンに勃たせた圭一郎に押し倒され、また数回分の愛を注ぎ込まれた。





・・・・・・・





「直樹、本当に今日はごめんな。」

「もう謝んなよ。俺は気にしてないから。でもちゃんと圭一郎に会えて良かった。」

「うん。俺も。お兄さんにお礼を言っておいてよ。」

「うん。・・・帰りたくないな。離れたくない。」

「直樹っ!ダメだよ。そんな事言われたら帰したくなくなる。」

「・・・早く、大人になって一緒に住めるといいな。」

「そーだね。待ち遠しいね。」



 学校の帰り道ではどうなる事かと思ったけれど、今は幸せで満たされている。

終わりよければすべてよし!だな。



 圭一郎は「夜は危ないから」とわざわざ家まで送ってくれたんだ。

申し訳なくも思ったけれど、少しでも長く一緒にいたかったから嬉しかった。



 そんな、ハッピーすぎるバレンタインだった。


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