【R18版】饕餮的短編集 ―ファンタジー・歴史パラレル編―

饕餮

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枯れたオヤジに捧げる愛

真由の場合 三話目

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「卒業式、終わっちゃった……」

 クラスメイトたちにさよならを告げて、ゆっくりと校門に向かう。今日は迎えが来る日だ。
 ガイ小父様が先か、見知らぬ花婿が先か……。ガイ小父様が先だといいなと思って外に出れば、校門のちょっと先に見知らぬ車が一台停まっていた。見慣れた長い車じゃないことにがっかりする。

(ガイ小父様じゃないんだ……)

 そのことを残念に思いつつ誰かのお迎えかな、なんて思いながらその車の横を通り過ぎようとしたら、中からスーツを着たレオン小父様と同じくらい体格のいい、サングラスをかけた小父様が出て来て「ナガタ・マユ様、ですか?」と聞かれた。やっぱり私のお迎えで、ガイ小父様じゃないことに諦めにも似た気持ちで素直に頷く。

「お迎えに上がりました。こちらにお乗りください。へ……貴女の花婿が待っています」
「……わかりました」

 やっぱり見知らぬ花婿のほうだったとがっかりした気分で素直に車に乗り込むと、奥に同じような体格の男性が座っていた。多分、逃げ出さないようにってことなんだろう。
 護身術を試してもよかったけど、レオン小父様には『俺と似たような体格のやつには利かないし、逆にやられるからやめとけ』と言われていたし、私は頭と一緒で足もどんくさいから、走って逃げることもできなかった。

 短大も不合格だったし、施設を出たとしても住所とかどのみち院長先生から相手にバレてしまうから結局は逃げられない。

(もう一度、ガイ小父様や皆に会いたかったな……)

 自分の気持ちにあと一日早く気が付いていれば、あの日告白して玉砕できたかも知れないのに。そうすれば、こんな気持ちと疼くような身体を抱えたまま結婚することもなかったのに……。
 泣きたくなるのをぐっと我慢して目を瞑る。

「しばらく車に乗ることになりますから、お疲れなようでしたら眠っていて構いませんよ」

 私の隣にいた、レオン小父様に良く似た声でそう言われて車のドア側に寄りかかると、膝に何かをかけてくれた。そっと目を開ければブランケットがかけられていたから、「ありがとうございます」と言って目を閉じる。
 何をされるかわからなかったし、目を瞑っただけで眠るつもりは全くなかったんだけど、睡眠不足だった私はいつの間にか眠っていたらしい。女性の声で起こされた時は石造りの壁の部屋で、なんだかガイ小父様のお屋敷の壁に似ていた。
 それだけでまたガイ小父様に会いたくなって、胸がズキズキと痛む。

 沢山の女性にお風呂に入れられてマッサージみたいなことをされて、裾の長い白いドレスを着せられて髪も結われて、お化粧もされて靴まで履かされて、ベールも付けられている途中で扉がノックされた。
 その音と共に入って来たのは淡い茶色の髪をしたガイ小父様くらいの年齢の執事服を着た人で、その後ろからガイ小父様のお屋敷でレオン小父様と一緒に何度か話したことのある人と、私と同じ黒髪でその人と同じくらいの年齢の女性だった。
 彼らの話では、二人は私の養父母ということらしい。
 ただ単に結婚するだけなのになんで養父母が必要なんだろうと首を傾げていたら、それに気付いた小父様は怒り半分苦笑半分の表情をしながらも、「今は時間がないから」と私を立たせると、手を取って腕にかけた。途中だったベールを被せられてその小父様にどこかに連れて行かれる。
 大きな扉を開けたその先には、物語に出て来るような黒い騎士服と青い騎士服を着た人と、先程部屋で見た小母様と二人に良く似た男性二人と、神父様みたいな格好をした人と……。

 イギリスの王子様が結婚式で着ていたような格好の白い服と豪華なマントを羽織り、王冠を被って腰に剣をぶら下げた、ガイ小父様が、いた。

(え……なんで……どういうこと……?!)

 そのカッコいい姿に一瞬見惚れたものの、何でガイ小父様がいるのかわからず混乱する。混乱したままガイ小父様の側に連れて行かれると、彼に手を取られて引き寄せられる。

「綺麗ですよ、マユ」

 耳元でそう囁いた声は、やっぱりガイ小父様の声でますます混乱する。『色気駄々漏れ』という言葉がピッタリなガイ小父様と一緒に紙にサインして、誓いのキスっぽいことをされて……。
 それであの日のガイ小父様の手つきを思い出して、悶えて混乱しているうちに式も終わっていた。気が付けば、ガイ小父様に抱き上げられてどこかへと移動し、とても豪華な部屋へと連れて行かれた。

 目の前には天涯付きの大きなベッドがあり、ランプの灯りが灯されていた。ベッドの脇には小さなテーブルがあり、水差しとコップ、それとは別にオレンジ色の液体が入ったコップが置かれていて、「疲れたでしょう?」とガイ小父様にそのオレンジ色の液体が入ったコップを渡されて飲み干す。
 「オレンジジュースの味がする」と言うと、ガイ小父様は何も言わずに笑みを深めただけだった。

「あの、どういうこと、ですか……?」
「説明をして差し上げたいのですが……今は一刻も早くマユを感じたいのです」

 コップを渡しながらガイ小父様に聞けば小父様にキスをされ、あの日と同じようにドレスの上から胸を掴まれて揉まれる。声を出してはいけない、と言われたことを思い出して何とか我慢する。

「ん……っ、ぁ……っ、ふ……ん……っ」
「ああ……あの日言ったことを覚えているのですね。本当に良い子ですね、マユは……。ですが今日は声を出しなさい。……その艶やかな甘い喘ぎ声を、私に聞かせてください」
「んっ、んん……っ、はぁ……っ、あっ!」

 言われた通りに声を出せば、ガイ小父様はリップ音を立てながら私にキスをし、着ていたドレスを脱がせて下着姿だけにすると目を細めて眺める。

「あの……恥ずかしい、です……」
「そんなことはありませんよ? 作らせた甲斐がありました。……ドレスも下着も、マユにとても良く似合っていますよ」

 着ていたドレスもこの下着もガイ小父様が作らせたのかと思うとびっくりするけど、そんなことを話す暇もなく手を伸ばして来て胸を揉み始めたガイ小父様に、また声をあげてしまう。

「あっ、ん……っ、はぁ……、ガイ、小父様……」
「ふふ……感じているのですね……さあ、いらっしゃい、マユ……あの日の続きをして差し上げましょう……」

 ガイ小父様に下着も剥ぎ取られ、ベッドに座った小父様の前に立たされる。恥ずかしくて胸も下も隠そうとしたら、ガイ小父様に手を掴まれてじっくりと見られてしまった。

「小父様、見ないで……恥ずかし……っ」
「どうしてですか? マユの裸はとても綺麗ですよ?」
「でも、私の胸、小さいし……」
「それは私が育てるので、そのうち大きくなりますよ」
「育て、る……?」
「こうするのですよ」

 ふふ、と笑ったガイ小父様は、掴んでいた私の手を離して胸を掴むとそのまま揉み始める。揉まれているうちにあの日の感覚が甦って来て、それを逃がしたくて小父様の腕を掴んで背中を反らせたら、揉んでいた手はいつの間にか乳首を弄り、顔を胸に近付けて来て乳首を口に含まれ舐められていた。

「あん……っ、はぁ……っ、あっ、ガイ小父様ぁ……っ」
「ふふ……マユ……おねだりですか? 可愛いですね……」
「違ぁ、あ……っ、あ……はぅんっ、きゃっ」

 ガイ小父様の手と唇が離れたと思ったら、抱き上げられて小父様の膝の上に座らせられた。小父様の膝を跨ぐように座りなさいと言われてそう座ると、小父様は膝を広げて私の足を更に広げてしまった。

「やっ、ガイ小父様……っ、恥ずかしい!」
「どうしてですか? 私に裸を見られているのですから今更でしょう? それに、マユのココは私の愛撫で……ほら……」
「ひゃんっ、あっ、あああっ!」
「蜜を溢しはじめていますよ?」

 手を下に伸ばした小父様は、背中側と前から私のアソコを触り始める。足を閉じたいのに、小父様の膝に乗っているうえに足を広げられているから閉じる事もできず、くちゅくちゅと鳴る音を聞きながら小父様の腕にしがみついて背中を反らすとまた乳首を口に含んで舐め始め、それと同時に胎内に細いものが入り込んで来る。

「あっ、ひあっ、痛ぁ……っ、あっ、小父様、痛い……っ、ああああっ!」
「マユは初めてなのでしょう? ならばそれは仕方がありません。それに、若いだけあってかなり狭いですね……ふふ、挿れるのが今から楽しみですよ……」
「あっ、んあっ、ああんっ!」
「ああ……こんなに蜜を溢れさせて……乳首を吸われて舐められ、花芯と蜜壺を一緒に触られるのが気持ちいいのですね……さあ、どんな状態か、私に見せてください」

 ガイ小父様は自分で服を脱ぎ捨てて裸になると私をベッドに寝かせる。あっと思った時には足を曲げられて広げられてしまっていた。

「あっ、あっ、小父様ぁ、いやぁ……っ」
「嫌、ですか? 本当に? マユの身体もココも赤く色付いてひくつき、嬉しい、気持ちいいと唇を広げて涎を……蜜をたくさん溢していますよ? さて……どんな味なのか、味見しましょうね」
「ああっ、ひゃんっ、ああああんっ!」
「ふふ……本当に可愛く啼きますね、マユは」

 汚いと言う間もなく、小父様はアソコに顔を埋めて舐め始める。頭をどかしたくて小父様の頭に手を伸ばせば、手を伸ばしたことで寄せられた胸に手を伸ばして来て、私の腕の上から両方の乳首を摘ままれて捏ねられてしまった。
 それだけで身体が熱くなって、身体中が疼いている感じがして更に声をあげると、小父様の指と舌がもっと激しくなった。

 セックスがどんなものかは知識として知っている。知っていはいても、胸を揉まれながら乳首を捏ねられたりアソコを舐められたり、指で掻き回されたりするなんて知らなかった。
 それに、好きな人に身体をあちこち弄られることがこんなに幸せで、気持ちいいことなんだということも知らなかった。

「ああっ、んあっ、ガイ小父様ぁっ! ああっ!」
「まだ駄目ですよ、マユ。貴女の準備がまだできていません」

 熱くて疼いている身体をなんとかしてほしくてガイ小父様の名前を呼んでみると、よくわからないことを言われながらも、蠢く手と舌は更に激しくなって行く。それでも熱い身体と疼きは無くならない。

「あんっ! でもっ、あんっ、ガイ、小父様ぁ……っ、身体が、熱くて、何か、あちこち、ぞくぞくするのぉ……っ!」
「おや……若いせいか随分と媚薬の効きが早いですね……まあ、私も我慢の限界が近かったので構いませんが。それで……マユ、私にどうしてほしいんですか?」
「んんっ! わかんな、ひぁっ! 小父様に……っ、あんっ!」
「ああ、そうでしたね……マユは初めてでしたね……まだまだ準備の途中だったのですが……。おねだりしたのはマユです。痛いでしょうが、我慢しなさい」
「あっ、んくっ、あっ、痛いっ、ああああっ!」

 効きが早いとか我慢の限界とか私にはよくわからなくて。半分朦朧としながらおねだりって何、と思った時には腰を掴まれて、指や舌なんか目じゃないほど、太くて熱くて硬い何かが私の胎内に入って来た。
 痛いのか熱いのかわからないまま、よくわからない何かが一気に奥まで入り込んで来た途端に目の前が白く弾けた。

「く……っ、はあ……っ、さすがに解れていないぶんかなりきつい、ですが……私の肉竿を挿れた途端に達するとは……本当に良い子ですね、マユは……」
「あっ、はっ、肉、竿……? たっする……?」
「達するとはイく、ということです……マユが今そうなったでしょう?」

 動きを止めたガイ小父様は、私に覆い被さって来て耳や首筋に唇を這わせながら胸を揉む。時々肌をきつく吸われてちょっと痛かったけど、イく、というのはさっきみたいなやつなんだと、何となく理解して頷く。

「んっ、あっ、肉竿、は……?」
「男性の股間についているもの……つまり、コレですよ」

 胎内に埋まっていたものがいきなり動き出して、その刺激で声をあげてしまう。つまり小父様のアレなんだと理解した時には、声をあげることしかできなかった。

「ひあっ、あっ、んあっ、ああんっ!」
「マユ……気持ちいいですか?」
「あんっ! 気持ちい、のぉ……っ!」
「ふ……、ちゃんと言えましたね……ご褒美は、ん……っ、何がいいですかね……っ」
「んんっ、小父様が、好き、なのっ! だから、ずっと、あっ、はうんっ、小父様と、こうしていたい、んあっ!」
「ああ……全く、貴女という人は……っ!」
「ひゃんっ! あっ、ああっ、ああああんっ!」

 突然早くなった動きにただ声をあげることしかできない。痛かったはずの場所は小父様に突き上げられているうちに、いつの間にか気持ちよくなっていた。
 いつから小父様が好きだったのかと言わされて、どうされると気持ちいいのかも散々言わされて……。

 結果、初めてだったのに、小父様に三回も抱かれてしまった。

「小父様のバカ……でも、好き……」

 疲れてしまって半分眠っている状態でそう言ったような気がする。微睡みの中で「私もですよ」と言う声が聞こえた気がして、すごく幸せな気持ちで眠りについた


 ――まさか、眠ってしまった私を見ながら、「あと二十若ければ、あと五回戦はイけたのに」なんて呟いていたなんて思いもせずに。

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