私の彼は、空飛ぶカエルに乗っている

こんなにも愛おしい

　デート中、終始笑顔だった紫音ちゃんにホッとする。
　おしゃれな店なんて知らないからどうかと思ってたんだが、紫音ちゃんは仕事で見るのとは違う、自然な笑顔を浮かべて、ずっと楽しそうにしていた。
　痛ましい話も聞いてしまったが今ではそのご家族に会えたことにホッとしたし、辛い境遇を全く見せないから驚いたのもある。
　つい最後に抱きたいと本音が漏れてしまったが、それでも俺を好きだと言ってくれたことに舞い上がった結果だった。まさかこんなにも早く、紫音ちゃんから返事をもらえるとは思ってなかったから。

　手を繋いだだけで、照れたようにはにかむその顔も、ゲームで勝って嬉しそうに破顔した顔も、負けて悔しそうな顔をした顔も、その全てを俺が引き出したのかと思うと嬉しくなる。

　だからこそ、つい本音が出てしまったわけだが。

　それから仕事収めまでの間、紫音ちゃんのフォローや糧食班の手伝いをしながら、その様子を見る。岡崎とも仲がいいようで少しイラつくが、見た限りでは兄を慕うような素振りなのでただ見ていた。
　笑顔も俺と話している時とは違うしな。なんというか、身内を見るような感じというか。

　そして冬期休暇となり、待ち合わせは市のゆるキャラであるくるりんの像の前にし、時間は十一時にした。店は十一時半で予約してあるから、少し遅れても問題はない。

「おはようございます、乙幡さん」
「おはよう、紫音ちゃん。じゃあ、行こうか」
「はい」

　手を差し出すと、はにかむ笑顔を浮かべて俺の手を握る紫音ちゃん。くそう、いちいち可愛いんだよ。そしてゆっくり歩きながら南口を歩き、俺の家があるマンションの前を通って約束したレストランに連れて行く。
　そのレストランはビルの一階に入っている。
　店に辿り着き、名前と予約してあることを告げると、すぐに席に案内された。窓際の席で、そこからは俺が住んでるマンションが見える。

「何を食べようか」
「うーん……どうしよう……」

　メニューを広げて何を食べるか悩む紫音ちゃん。うんうん唸っていたが、結局和風ハンバーグにしたようだ。俺はチーズが乗っているチーズハンバーグにし、飲み物に紫音ちゃんはホットのウーロン茶を、俺はコーヒーを頼んで話をする。少し話しているとすぐに料理が来て、二人して「いただきます」と食べ始めた。

「ここから俺が住んでるマンションが見えるんだ」
「え、そうなんですか？　どこ？」
「俺の斜め後ろにある、エンジ色のやつ」
「うわ～、近いですね！　あ、でも、職場にはちょっと遠いですか？」
「そうでもないぞ？　まあ、駅のところを歩く時は注目されるけどな」

　駐屯地と言わずに職場と言ってくれる気遣いが嬉しい。別に秘密というわけではないが、紫音ちゃんは外で駐屯地のことを話す時は、必ず「職場」と言うのだ。本当にこういった気遣いができる人はあまりいない。
　雑談をして、お腹が落ち着いたころ、店を出る。ついでに遠回りしてパン屋に寄り、明日の朝食を買う。紫音ちゃんも何か刺激されたものがあったらしく、何種類かのパンを買っていた。「父へのお土産です」と言っていたから、いつも何か持って帰るのだろう。そういえば、ゲーセンで取ったマグカップも、柄違いは父に渡したと言っていた。
　ずっと一緒に住んでいないと言っていたから、きっとお互いに大事にしているんだろう。
　ちなみに、俺は帰省するにしても実家は都内だから、帰るにしても明日で十分間に合うのだ。

　それはともかく。
　パンを買ったあとは紫音ちゃんの手を引いて、俺の家へと案内する。近づくにつれてそわそわし始める紫音ちゃんに、つい「優しくするから」なんて言ってしまって、顔を真っ赤にさせてしまった。
　俺自身は大事に、そして丁寧に抱いてやるつもりではいるが、しばらく女を抱いていないから大事にできるかわからない。野獣になったらごめんと内心で謝りつつ、マンションに着いたので部屋まで案内した。
　荷物はソファーのところに置くように言い、何か飲むか聞くとコーヒーが飲みたいという。カフェオレでいいかとふたつぶん作り、一つは紫音ちゃんの前に置いた。

「綺麗に片付けてるんですね。私、片付けが下手なんで、羨ましいです」
「あんなに綺麗に掃除してるのに？」
「掃除はいいんですけど、片付けるのが駄目なんですよね。綺麗に収まらないというか……」
「まあ、俺たちは最初の段階で徹底的に覚えさせられるからなあ……。染み付いた努力ってやつなのかも」
「なるほど～」

　家族の中に自衛官がいるそうで、凄く納得した顔をしていた。
　カフェオレも飲み終わり、カップを片付ける。そして紫音ちゃんを抱き寄せて顎を捉えると、そのままキスをした。

「ん……っ、ぁ……」

　その柔らかい唇に夢中になる。舌で擽るように唇を舐めると開いたので、そのまま舌を入れた。鼻にかかる声がなんとも可愛い。
　上顎を舐め、歯列も舐めて舌を擽って絡める。角度を変えて何度もキスをすると、俺の服をギュッと握る紫音ちゃん。反応がいちいち可愛くて、暴走しそうになるのをなんとか我慢する。

「は……お、ぱた、さん……」
「抱いていいか？」
「……はい」

　小さな声で頷いた紫音ちゃんに、手を引いて立ち上がる。そのままベッドに連れて行くと、そこでもキスをする。キスをしながら服の裾から手を入れ、肌を滑って胸に到達するとそのまま掴む。見た目は大きく感じなかったが、想像以上に大きくて驚く。
　片手で乳房をゆっくり揉み、片手でブラのホックを外す。上にずらして直に触れば、柔らかい乳房が手に触れた。

「んっ、ふ……」

　下から救い上げるように乳房を持ち上げ、回しながら揉むと、ピクリと肩が揺れた。そのまましばらく揉んだあと、キスをしながら紫音ちゃんが着ていたものを一枚ずつ剥ぎ取っていく。そして俺も裸になる。

「あ……」
「綺麗だ……」
「あっ、は……っ」

　抱き上げてそっとベッドの上に上げ、押し倒す。揺れる乳房にピンク色の乳首、白い裸体はとても綺麗だった。
　両手で乳房を掴み、回しながら揉むと、顔を上気させて小さく喘ぐ紫音ちゃん。声を聞かれたくないのか、手の甲を口にあてて我慢しているのがなんとも可愛い。

「紫音ちゃん、声を聞かせて」
「んっ、恥ずかし……あっ」

　両手を掴んで片手で上にベッドに押し付け、そのまま覆い被さってキスをする。キスをしながら乳房を揉み、乳首を擦るとピクリと身体が揺れた。
　耳朶を甘噛みして舐め、そのまま唇と舌を首筋に這わせていく。まだ軽く喘いでいるが、もっと喘がせたい、啼かせたいと乳首を口に含んで舐めると、硬くなり始めていた。

「んっ、あっ、はぅ……」

　ゆっくりと乳首を舐めて吸い、反対は指先で捏ねる。押しつぶし、爪で弾き、擦ると可愛く喘ぐ紫音ちゃん。ゆっくり、大事に抱いてやりたいと思っているが、理性が飛びそうで怖い。
　そのまま抱くのもまずいからとヘッドボードの上に置いてあった箱からスキンを一つ出し、先にそれを装着する。俺としては紫音ちゃんの初めては生で抱きたいと思っているが、紫音ちゃんのことを思うと、さすがにそれはできなかった。
　スキンを装着すると、また紫音ちゃんを愛撫する。くちくちと鳴る蜜壺に指を入れ、粒を刺激し、蜜を増やしてすべりをよくしていく。処女だけあってナカはとても狭く、紫音ちゃんとの体格差を考えると、十分に解さないと俺も紫音ちゃんもキツイ。
　イくという感覚を教え、そのたびに指を増やして蜜壺を解して行く。身体が敏感なのか、ちょっとの刺激で喘ぎ啼く紫音ちゃんの腰が揺れ始め、俺もそろそろ限界かと蜜壺に肉竿の先端をあてがう。

「はあんっ、乙幡、さ、ああんっ！」
「紫音、和樹だよ……言ってごらん？」
「はぁっ、あっ、か、ずき、さ、ああぁぁぁぁっ！」

　ねだるような紫音ちゃんの――紫音の声に、歓喜する。腰を動かしてゆっくりとナカへと挿れると、紫音が声をあげて肉竿を締め付けた。その締め付け具合に背中にゾクゾクしたものが走る。

「く……っ」
「ふ、あ、あ、あああっ！」
「は……っ、紫音、奥まで入ったよ……」
「あぅ、あっ、あっ、んんんっ」

　奥まで挿れ、ゆっくりと抽挿を始める。腰を動かすたびにその柔らかくて白い大きな胸がゆれ、俺を獣に変えてゆく。多分俺と紫音の身体の相性はとてもいいのだろう……まるでしつらえたようにどこもかしこも気持ちいい。
　片腕をついて自分の身体を支えると片手で紫音の乳房を掴み、乳首を挟んでから揉み、もう片方は口に含み、舌と歯、唇で愛撫する。

「ああんっ、か、ずき、さん、はぁっ、あっ、あんっ」
「紫音……好きだよ……」
「あっ、あっ、わ、たし、も……っ、ひゃうっ！　あああああっ！」

　腰の角度を少し変えると、中にあったスポットを擦ったのか、紫音が俺の肉竿を締め付け、背中を反らす。ここかとそこを重点的に攻め、イキっぱなしの紫音を高みから下ろさなかった。
　おれもそろそろ限界かと抽挿を早めて紫音をイカせ、俺も膜ごしに精を放った。

「あっ、あ……っ、はぁっ、はぁっ」
「紫音……」
「ん……っ」

　肉竿を挿れたまま息を整え、紫音にキスをする。敏感らしい紫音の身体はそれだけで反応し、乳房を揉んで乳首を捏ねると、すぐに硬く勃ちあがる。内心それを嬉しく思い、一旦肉竿を抜いてスキンを処理し、新しいのを被せると、紫音はそれを見ていたのか目を丸くしていた。

「え……っと……また、するの……？」
「いやか？」
「ううん……」

　真っ赤になりながら頷いた紫音に、次は激しくしたり別の体位を試そうかと思いながら、二回戦目に突入するべく、肉竿を紫音の蜜壺の中に挿れた。