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圭視点
Salty Dog
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「……おはよう、父さん」
「……おはよう」
朝からこんなに不機嫌な父は珍しい。というより、初めてだ。どうしたんだろう? と思いつつ、手を繋いだまま泪と一緒にソファーに座ると、母がコーヒーを持って来た。
「アリガトウゴザイマス」
お礼を言った泪は何かに気をとられているのか、なぜか棒読みだった。
「どういたしまして」
そんな反応をどう捉えたのか、母は笑いをこらえている。
「あの」
「穂積さん、どういうことか説明してください」
泪の言葉を遮るように、父が低い声でそう言った途端、泪の手がびくりと震える。
「説明……ですか?」
「娘の圭は貴方の秘書として穂積に行ったはずが、どうして貴方の恋人として、今、ここにいるのかを」
「あー……」
父に何か言われる度にびくりと震え、それでも手を離さない泪の手を握ったほうがいい気がして、キュッと握ると握り返してきた。
泪はふっ、と小さく息を吐くとおもむろに話始めた。
「実は……」
この二日間の出来事を、お仕置き云々のこと以外を泪は正直に話した。
「圭は鈍感だから、それくらいじゃないといつまでたっても恋人なんてできないしねぇ」
「は?」
「おい!」
母の言葉に私はよくわからず首を傾げ、父は突っ込みを入れる。
「保さんだって時々ぼやいてるじゃないの」
「あー……」
「父さん?」
父と母を交互に見つつちらりと泪を見ると、眉間に皺が寄っている。
「小田桐にいた五年、『将を射んと欲すれば先ず馬を射よ』と謂わんばかりに、まず俺のところにくるんだよ……」
父曰く、昼食に誘ってもお弁当があると断られ、夕食に誘ってもまだ仕事があると断られてしまう。仕方なしにそう言われたからと父親に許可を求めにいけば、『娘がいいと言えば』と言うので浮いた気分で付き合ってくれと言えば『彼女や恋人の買い物ですか?』とポッキリ折られたらしい……。身に覚えがあるので、私は黙っていたのだけれど。
「最近はめっきり減ったがな」
「お圭ちゃんったら……」
「あらあら」
「えっと……」
父は溜息をつき、泪と母は呆れた声を出した。私にしてみればその時の状況をそのまま伝えただけだし、付き合ってくれと言って来た人も彼女や恋人がいると噂がたっていた人たちだったからそう言っただけなのだ。そう言ったら、声を揃えて
「「「鈍いにも程がある」」」
と言われてしまった……。
そのあとも話をしようとすると、真琴が「お姉ちゃん、ケーキの作り方教えて」とキッチンから顔を出してそう言って来たのでちらりと泪を見ると、まだ怯えた感じはするものの「行ってらっしゃい」と言ってくれたので手を離し、真琴と一緒にキッチンへ行く。
「パウンドケーキが作りたいんだけど、教わったレシピが違ってるのか、何度やってもうまく行かなくて……」
できたものを見せてもらったのだけれど、確かに綺麗に膨らんでいなかった。教えてもらったというレシピを見せてもらうと、確かに分量が違っているのがある。
「分量が違うのがあるね」
「やっぱし……どうしよう……」
「誰かにあげるの?」
「うん……」
真琴の頬が、ほんのり赤くなる。その珍しい反応に首を傾げたものの、何も言わなかった。
「普通のパウンドケーキでいいの?」
「普通じゃないのとかあんの?」
「バナナとか、マーブルとか、ドライフルーツを使ったものとか」
真琴がえっ、と驚いた顔をする。
「できんの?!」
「できるよ。それに、わざわざ粉とかの分量を量らなくても、簡単に作れる方法があるよ」
「嘘っ! マジ?!」
「うん」
パアッ、と顔を綻ばせて私の手を握ると「教えて!!」と言われ、材料を教える。
「そ、そんなんでできるんだ……」
「うん。騙されたと思って作ってみて」
そう言って材料を用意させる。マーブルを作る材料はなかったけれど、幸い他の材料はあったので作り方を教える。材料はホットケーキミックスを使ったものなので、量るのはお水か牛乳だけだったりするから簡単なのだ。
「あのさ、お姉ちゃん」
「ん?」
「あの人……こないだ言ってた人?」
最初からお姉ちゃんに聞けばよかったー! とブツブツ言う真琴。オーブンに入れてしばらく愚痴を言っていたのに、急にそう聞いて来た。
「……うん」
「こないだは上司って言ってたじゃん! それなのに、いつの間にか恋人になってるし! いつから付き合ってんの?」
「んと……一昨日の昼から?」
私の言葉に、真琴はブッと飲んでいたポンパドールのハーブティーを吹き出した。
「はあ?! こないだの次の日じゃん! 何でそんなことになったのさ!」
泪が父にした説明を真琴にもすると、「お姉ちゃんと付き合うにはそれくらい強引じゃないとだめなんだ……」と呆れられてしまった。
「でもさ、なんか……確かに言葉はおネエなんだけど、お姉ちゃんが言った通り雰囲気は全然オネエじゃないね」
「そうだね」
「変な人だったら伸してやるつもりだったんだけどさ」
真琴がパキッ、ポキッ、と指を鳴らす。
「真琴がやったら洒落になんないからやめなさいって」
「あー……ママにも同じこと言われた」
真琴は、空手の有段者だったりするので、本当に洒落にならない。
「……あの人、本当にお姉ちゃんが好きなんだね。それに、お姉ちゃんもあの人に気を許してるんだね」
「どうして?」
「お姉ちゃんを見るあの人の目が、凄く優しかったから。それに、お姉ちゃん、カラコン外してるし」
お姉ちゃんはよっぽど気を許してないと、カラコン外さないでしょ? と言われ、そうなのかなとしばらく考えてみるけれど、思い当たる節はない。
「うわあ……鈍感もここまで来ると、逆にあの人が可哀想になってくるよ……。ホントはお姉ちゃんをとられたみたいでイヤだけど、あの人ならいいよ」
「よくわからないけれど、違うよ、真琴。とられたりしないよ?」
「……鈍感な上に天然とか……。苦労するね、あの人は。まあいっか」
自己完結した真琴に首を傾げると「何でもない!」と言った。
そうこうするうちにオーブンが止まり、真琴が恐る恐る取り出す。
「おお……本当に綺麗に焼けてる……」
「竹串を刺して、生地がつかなければ大丈夫だよ」
そう言われた真琴は串を刺し、抜く。生地が付くことなく、きれいなままだった。
「やった……! お姉ちゃんありがとう!」
「どういたしまして。誰にあげるの?」
「彼氏の誕生日にケーキを焼いてあげたくて。でも、あんまり難しいのは作り慣れてないから無理だし……」
「じゃあ、これで決まりだね。チョコチップやレーズンを入れても美味しいよ」
「ありがとう! 今度試してみる!」
葵に食べていいよ、と言って葵を喜ばせた真琴は、材料が無くなったからと言って買いに出かけた。
「アンタにそんなこと言われなくたってわかってるわよっ!」
奥のほうから泪の怒鳴り声が聞こえ、真琴がまた余計なことを言ったのかなと立ち上がり、キッチンを出る。ふと先ほどの真琴の言葉を思い出し、そう言えば泪の誕生日はいつなんだろうと考える。
(あとで聞いてみよう)
そう思ったものの、どうしてそう思ったのか何の疑問も持たずにダイニングで待つ泪の元へと戻った。
「……おはよう」
朝からこんなに不機嫌な父は珍しい。というより、初めてだ。どうしたんだろう? と思いつつ、手を繋いだまま泪と一緒にソファーに座ると、母がコーヒーを持って来た。
「アリガトウゴザイマス」
お礼を言った泪は何かに気をとられているのか、なぜか棒読みだった。
「どういたしまして」
そんな反応をどう捉えたのか、母は笑いをこらえている。
「あの」
「穂積さん、どういうことか説明してください」
泪の言葉を遮るように、父が低い声でそう言った途端、泪の手がびくりと震える。
「説明……ですか?」
「娘の圭は貴方の秘書として穂積に行ったはずが、どうして貴方の恋人として、今、ここにいるのかを」
「あー……」
父に何か言われる度にびくりと震え、それでも手を離さない泪の手を握ったほうがいい気がして、キュッと握ると握り返してきた。
泪はふっ、と小さく息を吐くとおもむろに話始めた。
「実は……」
この二日間の出来事を、お仕置き云々のこと以外を泪は正直に話した。
「圭は鈍感だから、それくらいじゃないといつまでたっても恋人なんてできないしねぇ」
「は?」
「おい!」
母の言葉に私はよくわからず首を傾げ、父は突っ込みを入れる。
「保さんだって時々ぼやいてるじゃないの」
「あー……」
「父さん?」
父と母を交互に見つつちらりと泪を見ると、眉間に皺が寄っている。
「小田桐にいた五年、『将を射んと欲すれば先ず馬を射よ』と謂わんばかりに、まず俺のところにくるんだよ……」
父曰く、昼食に誘ってもお弁当があると断られ、夕食に誘ってもまだ仕事があると断られてしまう。仕方なしにそう言われたからと父親に許可を求めにいけば、『娘がいいと言えば』と言うので浮いた気分で付き合ってくれと言えば『彼女や恋人の買い物ですか?』とポッキリ折られたらしい……。身に覚えがあるので、私は黙っていたのだけれど。
「最近はめっきり減ったがな」
「お圭ちゃんったら……」
「あらあら」
「えっと……」
父は溜息をつき、泪と母は呆れた声を出した。私にしてみればその時の状況をそのまま伝えただけだし、付き合ってくれと言って来た人も彼女や恋人がいると噂がたっていた人たちだったからそう言っただけなのだ。そう言ったら、声を揃えて
「「「鈍いにも程がある」」」
と言われてしまった……。
そのあとも話をしようとすると、真琴が「お姉ちゃん、ケーキの作り方教えて」とキッチンから顔を出してそう言って来たのでちらりと泪を見ると、まだ怯えた感じはするものの「行ってらっしゃい」と言ってくれたので手を離し、真琴と一緒にキッチンへ行く。
「パウンドケーキが作りたいんだけど、教わったレシピが違ってるのか、何度やってもうまく行かなくて……」
できたものを見せてもらったのだけれど、確かに綺麗に膨らんでいなかった。教えてもらったというレシピを見せてもらうと、確かに分量が違っているのがある。
「分量が違うのがあるね」
「やっぱし……どうしよう……」
「誰かにあげるの?」
「うん……」
真琴の頬が、ほんのり赤くなる。その珍しい反応に首を傾げたものの、何も言わなかった。
「普通のパウンドケーキでいいの?」
「普通じゃないのとかあんの?」
「バナナとか、マーブルとか、ドライフルーツを使ったものとか」
真琴がえっ、と驚いた顔をする。
「できんの?!」
「できるよ。それに、わざわざ粉とかの分量を量らなくても、簡単に作れる方法があるよ」
「嘘っ! マジ?!」
「うん」
パアッ、と顔を綻ばせて私の手を握ると「教えて!!」と言われ、材料を教える。
「そ、そんなんでできるんだ……」
「うん。騙されたと思って作ってみて」
そう言って材料を用意させる。マーブルを作る材料はなかったけれど、幸い他の材料はあったので作り方を教える。材料はホットケーキミックスを使ったものなので、量るのはお水か牛乳だけだったりするから簡単なのだ。
「あのさ、お姉ちゃん」
「ん?」
「あの人……こないだ言ってた人?」
最初からお姉ちゃんに聞けばよかったー! とブツブツ言う真琴。オーブンに入れてしばらく愚痴を言っていたのに、急にそう聞いて来た。
「……うん」
「こないだは上司って言ってたじゃん! それなのに、いつの間にか恋人になってるし! いつから付き合ってんの?」
「んと……一昨日の昼から?」
私の言葉に、真琴はブッと飲んでいたポンパドールのハーブティーを吹き出した。
「はあ?! こないだの次の日じゃん! 何でそんなことになったのさ!」
泪が父にした説明を真琴にもすると、「お姉ちゃんと付き合うにはそれくらい強引じゃないとだめなんだ……」と呆れられてしまった。
「でもさ、なんか……確かに言葉はおネエなんだけど、お姉ちゃんが言った通り雰囲気は全然オネエじゃないね」
「そうだね」
「変な人だったら伸してやるつもりだったんだけどさ」
真琴がパキッ、ポキッ、と指を鳴らす。
「真琴がやったら洒落になんないからやめなさいって」
「あー……ママにも同じこと言われた」
真琴は、空手の有段者だったりするので、本当に洒落にならない。
「……あの人、本当にお姉ちゃんが好きなんだね。それに、お姉ちゃんもあの人に気を許してるんだね」
「どうして?」
「お姉ちゃんを見るあの人の目が、凄く優しかったから。それに、お姉ちゃん、カラコン外してるし」
お姉ちゃんはよっぽど気を許してないと、カラコン外さないでしょ? と言われ、そうなのかなとしばらく考えてみるけれど、思い当たる節はない。
「うわあ……鈍感もここまで来ると、逆にあの人が可哀想になってくるよ……。ホントはお姉ちゃんをとられたみたいでイヤだけど、あの人ならいいよ」
「よくわからないけれど、違うよ、真琴。とられたりしないよ?」
「……鈍感な上に天然とか……。苦労するね、あの人は。まあいっか」
自己完結した真琴に首を傾げると「何でもない!」と言った。
そうこうするうちにオーブンが止まり、真琴が恐る恐る取り出す。
「おお……本当に綺麗に焼けてる……」
「竹串を刺して、生地がつかなければ大丈夫だよ」
そう言われた真琴は串を刺し、抜く。生地が付くことなく、きれいなままだった。
「やった……! お姉ちゃんありがとう!」
「どういたしまして。誰にあげるの?」
「彼氏の誕生日にケーキを焼いてあげたくて。でも、あんまり難しいのは作り慣れてないから無理だし……」
「じゃあ、これで決まりだね。チョコチップやレーズンを入れても美味しいよ」
「ありがとう! 今度試してみる!」
葵に食べていいよ、と言って葵を喜ばせた真琴は、材料が無くなったからと言って買いに出かけた。
「アンタにそんなこと言われなくたってわかってるわよっ!」
奥のほうから泪の怒鳴り声が聞こえ、真琴がまた余計なことを言ったのかなと立ち上がり、キッチンを出る。ふと先ほどの真琴の言葉を思い出し、そう言えば泪の誕生日はいつなんだろうと考える。
(あとで聞いてみよう)
そう思ったものの、どうしてそう思ったのか何の疑問も持たずにダイニングで待つ泪の元へと戻った。
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