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葎視点
Tequila Sunrise
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『嘘…………』
十月の終わり。いつもより早めに流行り出したインフルエンザにかかった山下先輩にインフルエンザをうつされ、圭が僕の代わりに出張に行ってもらうことに申し訳なさを感じながら、ふらふらになりながらも病院に行った返り。
実家を出る前に『葎、本籍こっちに移したんだから、免許証を書き換えておきなさい』と言われていたのを今ごろになって思い出してしまい、せっかく休みなんだからと役所に行って本籍地の載った住民票を取った。
在沢室長の言葉をどこか信じられないでいた僕は、そのついでに家族全員の戸籍謄本を取り、免許証の書き換えは後日行くことにして、戸籍謄本の中身を見もせずにそのまま祖父の家に帰り、それを見て固まってしまった。
『じいちゃん……!』
『どうした?』
『これ……これって……!』
持っていた戸籍謄本を見せる。今までは全て母に頼み、渡された封筒ごと提出していたから中身を見たことなんてなかったし、僕が取りに行ってもせいぜい住民票と僕のぶんの戸籍抄本しか取らなかったから、家族全員のなんて見たことはなかった。
『なん、だと……?!』
『じいちゃん、どういうこと?! 何で?!』
『俺にだってわからん!』
『そんな……圭……っ!』
いつから? ……それは何となくわかる。多分、圭がいなくなったあたりからだ。でも、理由は?
それがわからない。熱に浮かされながら、なんで、どうして、という言葉が頭の中を駆け巡る。
――家族全員の戸籍謄本には、両親と僕の名前しか載っていなかった。
***
「あれ? 在沢さんは?」
圭が探していたと言われて秘書課に戻って来ると、圭はいなかった。
「穂積エンタープライズの専務が迎えに来て、たった今連れていったぞ?」
在沢室長にそう言われて、慌てて追いかけると
「セクハラーっ!」
と言う声が聞こえた。何があったのか、圭は男に抱き抱えられていた。思わず「圭!」と呼ぶと、圭は顔を僕のほうに向けて
「羽多野君、名前で呼ぶ許可を出した覚えはありませんが」
と言われてしまった。仕方なく「申し訳ありません」と言うと、男……穂積専務に
「用があるならこのまま歩きながらにしてください。時間がありませんので」
と言われたため、圭を追いかけて来た理由を話し、歩きながら話す。
「先日の出張のことで、お聞きしたいことがあります」
そう聞かれて首を傾げる。出張……? 何か失敗したのかな。そう思いながら聞くと「あのホテルの予約は貴方ですか?」と聞かれた。予約と聞いて、室長に渡されたホテルの明細を思い出す。
「今回は違います」
「今回は? では、いつもあのタイプの部屋で予約しているのですか?」
そう聞かれて、政行に告白した時のことを思い出した。圭にあの告白を聞かれている。しかも、別れたことは言ってないことに気付いた。
「違います! 確かに何回か間違ってしまったことはあります! でも、在沢さんに教えていただいた通り、きちんと分けています!」
そう、分けている。ツインではなく、部屋自体を。でも、勘違いしている圭には……言葉の足りなかった僕の言葉の真意は、多分伝わっていない。きちんと説明しようとした僕を遮る形で、圭は話を続けてしまった。
「そうですか。わかりました。今回の予約は誰に頼んだのですか?」
「私が勝手に電話しました! すみません!」
僕が言おうとした言葉を、紙袋を持って追いかけて来た日比野に言われてしまった。
圭は日比野に渡された紙袋の中身を見たあとで僕と日比野を交互に見て、もう一度日比野に目を向けた。
(……何? 日比野がどうしたの?)
値踏みをするかのような圭の目は、まるで室長を見ているみたいだった。鋭くて、何かを探るような目。
「羽多野君は具合悪そうだったし、忙しそうだったから電話してあげたよ、って……」
「日比野さん……どうして他の秘書の手伝いを勝手にしてはいけないのか、貴女はまだわかっていないのですか?」
「え?」
きょとんとした日比野に呆れる。
僕にはわかる。圭や室長の行動を見て来たから。他の先輩の行動を見て来たから。圭たちはアドバイスやフォローをしてはくれるけど、絶対に手は出さない。なぜなら、下手に手を出して失敗すると、僕だけではなく手を出した人や室長、もっと下手すると会社そのものに迷惑がかかることになるからだ。
今回は、きちんと確かめなかった僕のミス。具合が悪かろうが、忙しかろうが、確かめなければならなかった。だから僕は、圭に怒られた。
圭と話す日比野は、それがわかっていない。だから準一級は無理だと言われているにも拘わらず、日比野は見当違いの言葉を吐く。
「羽多野君、今後は気を付けてください」
そう言われて、素直に返事をする。
『文書もそうですが、文書だけではなく、出張先のホテルの予約も、しつこいくらいに確認をしてください。どんなに小さいことでも、確認はとても大事ですから』
一番最初にやらかした失敗で、圭にそう言われたことを思い出したから。
「……今でも……」
「え?」
小さい声でそう言われて聞き返すと、圭が真っ直ぐに僕を見た。珍しく、僕の目を真っ直ぐに。
「以前食堂で話したあの話を、今でも聞きたいと思っていますか?」
そう静かに聞かれて一瞬驚く。ずっと話したいと思ってた。話があると言うたびに、圭にはぐらかされていたのに。圭にどんな心境の変化があったのか、僕にはわからない。でも。
圭に何があったのか知りたい。そう思って「はい」とすぐに返事をすると
「では、これを」
と言って、圭は持っていた荷物からUSBを出すと、僕に手渡した。
「あの話の全てが書いてあります。必ず自宅で勉強するように。在沢室長に話しておきますので、わからない場合は室長に聞いてください」
その言葉に驚く。まさか、そんなことを言われるとは思っていなかったし、そんなものをもらえるなんて、思ってもみなかった。それが嬉しい。
「……っ! ありがとうございます!」
手のひらで包み込むように、大事に握しりめる。本当はちゃんと話をしたかった。でも、今はこれだけでも充分嬉しい。
日比野が圭に何か言っているけど、それすらも耳に入らなかった。でも、「羽多野君」という言葉に意識をそっちに向けると、
「……甘えん坊は、良くはなっても良くなっただけです。何度言っても直りません」
と言った穂積専務の冷たい言葉に息を呑む。
「時間切れです。それでは」
ちょうどエントランスに着いてしまったため、その場で止まり見送る。僕は圭に教わった通り、礼を尽くしてきちんとお辞儀をする。
『どんなに理不尽なことを言われようと、お客様はお客様です。礼儀を尽くすのは当然でしょう? いつまでも怒っていたら相手に対しても失礼ですし、こちらが誠意を見せれば、相手の態度が変わることもあるんですよ? もしかしたら、羽多野くんの態度に怒っているかも知れないでしょう? 羽多野くん、言われているうちが花ですよ?』
いつまでも愚痴を溢していた僕に、叱るように、諭すように、圭に言われた言葉。穂積専務にそう言われたということは、多分そういうことなんだろうと思う。
頭を下げたままちらりと横目で日比野を見ると、不貞腐れた顔で碌にお辞儀もせずに頭を上げて踵を返し、戻ってしまった。頭を上げると受付嬢二人が呆れた顔をしていた。
秘書課に帰ると、僕に対しては普通なのに、日比野に対する室長や他の先輩達の態度がどことなく冷たかった。……日比野は気付いていないみたいだったけど。
――多分、僕たちはあの場で、秘書としての対応を圭に試されていたんだと思う。言葉遣いも、態度も。何らかの形で圭はそれを室長に教えたんだと思う。
圭にもらったUSBを握り締め、僕は何となくそう思った。
十月の終わり。いつもより早めに流行り出したインフルエンザにかかった山下先輩にインフルエンザをうつされ、圭が僕の代わりに出張に行ってもらうことに申し訳なさを感じながら、ふらふらになりながらも病院に行った返り。
実家を出る前に『葎、本籍こっちに移したんだから、免許証を書き換えておきなさい』と言われていたのを今ごろになって思い出してしまい、せっかく休みなんだからと役所に行って本籍地の載った住民票を取った。
在沢室長の言葉をどこか信じられないでいた僕は、そのついでに家族全員の戸籍謄本を取り、免許証の書き換えは後日行くことにして、戸籍謄本の中身を見もせずにそのまま祖父の家に帰り、それを見て固まってしまった。
『じいちゃん……!』
『どうした?』
『これ……これって……!』
持っていた戸籍謄本を見せる。今までは全て母に頼み、渡された封筒ごと提出していたから中身を見たことなんてなかったし、僕が取りに行ってもせいぜい住民票と僕のぶんの戸籍抄本しか取らなかったから、家族全員のなんて見たことはなかった。
『なん、だと……?!』
『じいちゃん、どういうこと?! 何で?!』
『俺にだってわからん!』
『そんな……圭……っ!』
いつから? ……それは何となくわかる。多分、圭がいなくなったあたりからだ。でも、理由は?
それがわからない。熱に浮かされながら、なんで、どうして、という言葉が頭の中を駆け巡る。
――家族全員の戸籍謄本には、両親と僕の名前しか載っていなかった。
***
「あれ? 在沢さんは?」
圭が探していたと言われて秘書課に戻って来ると、圭はいなかった。
「穂積エンタープライズの専務が迎えに来て、たった今連れていったぞ?」
在沢室長にそう言われて、慌てて追いかけると
「セクハラーっ!」
と言う声が聞こえた。何があったのか、圭は男に抱き抱えられていた。思わず「圭!」と呼ぶと、圭は顔を僕のほうに向けて
「羽多野君、名前で呼ぶ許可を出した覚えはありませんが」
と言われてしまった。仕方なく「申し訳ありません」と言うと、男……穂積専務に
「用があるならこのまま歩きながらにしてください。時間がありませんので」
と言われたため、圭を追いかけて来た理由を話し、歩きながら話す。
「先日の出張のことで、お聞きしたいことがあります」
そう聞かれて首を傾げる。出張……? 何か失敗したのかな。そう思いながら聞くと「あのホテルの予約は貴方ですか?」と聞かれた。予約と聞いて、室長に渡されたホテルの明細を思い出す。
「今回は違います」
「今回は? では、いつもあのタイプの部屋で予約しているのですか?」
そう聞かれて、政行に告白した時のことを思い出した。圭にあの告白を聞かれている。しかも、別れたことは言ってないことに気付いた。
「違います! 確かに何回か間違ってしまったことはあります! でも、在沢さんに教えていただいた通り、きちんと分けています!」
そう、分けている。ツインではなく、部屋自体を。でも、勘違いしている圭には……言葉の足りなかった僕の言葉の真意は、多分伝わっていない。きちんと説明しようとした僕を遮る形で、圭は話を続けてしまった。
「そうですか。わかりました。今回の予約は誰に頼んだのですか?」
「私が勝手に電話しました! すみません!」
僕が言おうとした言葉を、紙袋を持って追いかけて来た日比野に言われてしまった。
圭は日比野に渡された紙袋の中身を見たあとで僕と日比野を交互に見て、もう一度日比野に目を向けた。
(……何? 日比野がどうしたの?)
値踏みをするかのような圭の目は、まるで室長を見ているみたいだった。鋭くて、何かを探るような目。
「羽多野君は具合悪そうだったし、忙しそうだったから電話してあげたよ、って……」
「日比野さん……どうして他の秘書の手伝いを勝手にしてはいけないのか、貴女はまだわかっていないのですか?」
「え?」
きょとんとした日比野に呆れる。
僕にはわかる。圭や室長の行動を見て来たから。他の先輩の行動を見て来たから。圭たちはアドバイスやフォローをしてはくれるけど、絶対に手は出さない。なぜなら、下手に手を出して失敗すると、僕だけではなく手を出した人や室長、もっと下手すると会社そのものに迷惑がかかることになるからだ。
今回は、きちんと確かめなかった僕のミス。具合が悪かろうが、忙しかろうが、確かめなければならなかった。だから僕は、圭に怒られた。
圭と話す日比野は、それがわかっていない。だから準一級は無理だと言われているにも拘わらず、日比野は見当違いの言葉を吐く。
「羽多野君、今後は気を付けてください」
そう言われて、素直に返事をする。
『文書もそうですが、文書だけではなく、出張先のホテルの予約も、しつこいくらいに確認をしてください。どんなに小さいことでも、確認はとても大事ですから』
一番最初にやらかした失敗で、圭にそう言われたことを思い出したから。
「……今でも……」
「え?」
小さい声でそう言われて聞き返すと、圭が真っ直ぐに僕を見た。珍しく、僕の目を真っ直ぐに。
「以前食堂で話したあの話を、今でも聞きたいと思っていますか?」
そう静かに聞かれて一瞬驚く。ずっと話したいと思ってた。話があると言うたびに、圭にはぐらかされていたのに。圭にどんな心境の変化があったのか、僕にはわからない。でも。
圭に何があったのか知りたい。そう思って「はい」とすぐに返事をすると
「では、これを」
と言って、圭は持っていた荷物からUSBを出すと、僕に手渡した。
「あの話の全てが書いてあります。必ず自宅で勉強するように。在沢室長に話しておきますので、わからない場合は室長に聞いてください」
その言葉に驚く。まさか、そんなことを言われるとは思っていなかったし、そんなものをもらえるなんて、思ってもみなかった。それが嬉しい。
「……っ! ありがとうございます!」
手のひらで包み込むように、大事に握しりめる。本当はちゃんと話をしたかった。でも、今はこれだけでも充分嬉しい。
日比野が圭に何か言っているけど、それすらも耳に入らなかった。でも、「羽多野君」という言葉に意識をそっちに向けると、
「……甘えん坊は、良くはなっても良くなっただけです。何度言っても直りません」
と言った穂積専務の冷たい言葉に息を呑む。
「時間切れです。それでは」
ちょうどエントランスに着いてしまったため、その場で止まり見送る。僕は圭に教わった通り、礼を尽くしてきちんとお辞儀をする。
『どんなに理不尽なことを言われようと、お客様はお客様です。礼儀を尽くすのは当然でしょう? いつまでも怒っていたら相手に対しても失礼ですし、こちらが誠意を見せれば、相手の態度が変わることもあるんですよ? もしかしたら、羽多野くんの態度に怒っているかも知れないでしょう? 羽多野くん、言われているうちが花ですよ?』
いつまでも愚痴を溢していた僕に、叱るように、諭すように、圭に言われた言葉。穂積専務にそう言われたということは、多分そういうことなんだろうと思う。
頭を下げたままちらりと横目で日比野を見ると、不貞腐れた顔で碌にお辞儀もせずに頭を上げて踵を返し、戻ってしまった。頭を上げると受付嬢二人が呆れた顔をしていた。
秘書課に帰ると、僕に対しては普通なのに、日比野に対する室長や他の先輩達の態度がどことなく冷たかった。……日比野は気付いていないみたいだったけど。
――多分、僕たちはあの場で、秘書としての対応を圭に試されていたんだと思う。言葉遣いも、態度も。何らかの形で圭はそれを室長に教えたんだと思う。
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