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氷の王子様
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鼻血を出して以降、クラスで私のあだ名が「鼻次席」となった。
別にいいもん。
ハルキ様は入学式以降追いかけてくる女生徒達に辛辣な言葉を投げ続け排除し続けている。
その言葉、その態度で
[氷の王子様]と呼ばれ今では人を寄せ付けること無く遠巻きに熱烈な視線を浴びている。
しかし私はめげていない。
排除されてなるものか!
次席の座は渡さない!
進学校ならではの、いやこれ高校の授業じゃないだろと思うような国際情勢や経済、心理学語学と多岐にわたる専門分野の授業。
Sクラスといえどもついてこれてなさそうな人達も何人か出始めていた。
「おい、鼻次席。お前なんで授業についていけてんの?お前別に普通の一般家庭だよな?なんなの?なんでそんな勉強出来んの?」
すまんなモブよ、入学して数ヶ月経つが私はハルキ様以外の名前を知らぬ。だからお前はモブだ!
そう思いながら話しかけてきた男子に顔を向け答える。
「私勉強が好きっていうより読書が好きなんだよね。小さい時から本読みまくってるし、読める字が増えてからはひたすらいろんな本も読んでるから。市立図書館の本ならもう全部読んじゃったし、新聞も私からしたら本みたいなものだからね。これは一種の活字愛!」
そう答えるモブは引いた様子で、これが次席なのか、と呟くと自分の席に戻った。
なんだか周囲も驚いた様子だった。解せぬ。
そういうわけで多岐にわたる専門分野の授業も今まで読んできた本の知識や新聞などで補っている為特に苦労することもない。
ああ、英語の授業では私の癖字を注意された。昔からの癖でaとoの見分けが付かないことを指導されたのだ。私には見分けられるから問題無いと放置していたが、
その際教師から
「今回の入試でこの癖字が無ければ君が首席でした」
そう言われた瞬間、クラスの視線が私に集まってきた。
「へー勿体無いことしたなーまぁ次席で幸せだし良いですよう。首席とかめんどくさいし次席ならハルキ様の側にいれるし!!ぐへっ
」
「 お前その顔やめろ」
ハルキ様にまたチョップを食らった。
しかしながら幸せである。
またしてもハルキ様が私に触ったのだ!
今回気絶しないぞー!
「ハルキ様!ありがとー!私に触ってくれるなんて幸せー!大好きー!結婚してー!ぐへっ」
両手を伸ばして抱きつこうとしたらまたチョップされた。
「触ってない。結婚もしない。その顔やめろ」
「はあああ、また触ってくれたーもしかして、ハルキ様は私が好きなんじゃ!これって両思っいったー!
「だーまーれー!なんでこんな奴が俺と同等、いや俺以上の知識を持っているんだ!脳細胞よ消えろ!」
ハルキ様はその美し顔の眉間に皺を寄せながら両手で私のこめかみをグリグリしている。
痛い!痛い!でも幸せ!
「痛いー!でも幸せー!」
「なんなんだお前!変態め!」
また鼻血を出して倒れてしまった。
別にいいもん。
ハルキ様は入学式以降追いかけてくる女生徒達に辛辣な言葉を投げ続け排除し続けている。
その言葉、その態度で
[氷の王子様]と呼ばれ今では人を寄せ付けること無く遠巻きに熱烈な視線を浴びている。
しかし私はめげていない。
排除されてなるものか!
次席の座は渡さない!
進学校ならではの、いやこれ高校の授業じゃないだろと思うような国際情勢や経済、心理学語学と多岐にわたる専門分野の授業。
Sクラスといえどもついてこれてなさそうな人達も何人か出始めていた。
「おい、鼻次席。お前なんで授業についていけてんの?お前別に普通の一般家庭だよな?なんなの?なんでそんな勉強出来んの?」
すまんなモブよ、入学して数ヶ月経つが私はハルキ様以外の名前を知らぬ。だからお前はモブだ!
そう思いながら話しかけてきた男子に顔を向け答える。
「私勉強が好きっていうより読書が好きなんだよね。小さい時から本読みまくってるし、読める字が増えてからはひたすらいろんな本も読んでるから。市立図書館の本ならもう全部読んじゃったし、新聞も私からしたら本みたいなものだからね。これは一種の活字愛!」
そう答えるモブは引いた様子で、これが次席なのか、と呟くと自分の席に戻った。
なんだか周囲も驚いた様子だった。解せぬ。
そういうわけで多岐にわたる専門分野の授業も今まで読んできた本の知識や新聞などで補っている為特に苦労することもない。
ああ、英語の授業では私の癖字を注意された。昔からの癖でaとoの見分けが付かないことを指導されたのだ。私には見分けられるから問題無いと放置していたが、
その際教師から
「今回の入試でこの癖字が無ければ君が首席でした」
そう言われた瞬間、クラスの視線が私に集まってきた。
「へー勿体無いことしたなーまぁ次席で幸せだし良いですよう。首席とかめんどくさいし次席ならハルキ様の側にいれるし!!ぐへっ
」
「 お前その顔やめろ」
ハルキ様にまたチョップを食らった。
しかしながら幸せである。
またしてもハルキ様が私に触ったのだ!
今回気絶しないぞー!
「ハルキ様!ありがとー!私に触ってくれるなんて幸せー!大好きー!結婚してー!ぐへっ」
両手を伸ばして抱きつこうとしたらまたチョップされた。
「触ってない。結婚もしない。その顔やめろ」
「はあああ、また触ってくれたーもしかして、ハルキ様は私が好きなんじゃ!これって両思っいったー!
「だーまーれー!なんでこんな奴が俺と同等、いや俺以上の知識を持っているんだ!脳細胞よ消えろ!」
ハルキ様はその美し顔の眉間に皺を寄せながら両手で私のこめかみをグリグリしている。
痛い!痛い!でも幸せ!
「痛いー!でも幸せー!」
「なんなんだお前!変態め!」
また鼻血を出して倒れてしまった。
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