公爵様、私は「ざまぁ」されましたので優雅な余生を過ごします。【連載版】

村井田ユージ

文字の大きさ
10 / 34

人は時が経てば変わるもの…

しおりを挟む


「ねぇ君、すごい可愛いね。1人なの?おごるから酒場に行かない?」

 また、レベッカをナンパする若い男が現れた。
 これで何人目だろうか。
 仕方なく、レベッカは後ろを振り向き、合図する。

「お、俺の女に何してるー!!」

 すると、使用人のジンジャーが怒った顔で走って来た。

「え?え?何あのオッサン、彼氏じゃないよね?」

 息を切らし、ぜぇぜぇしながら、ジンジャーはレベッカの横に立つ。
 レベッカは、強引に彼の腕を組みながら、いつもの台詞を吐き捨てる。

「そうよ、私の彼氏。ごめんなさいね~、
 オジサン好きなの。さようなら。」

「ええ?!そんな~!」

 スタスタとジンジャーを引っ張り歩き、その場を去る。

「お、お嬢様…やはり、その…この設定は、旦那様に知られたら、私は首になりますよ」

「ジンジャー、ここでは『お嬢様』はダメって何度も言ったでしょ」

 レベッカの叱りに、ジンジャーは顔を赤くして反省する。
 たしかに、恋人設定は少し歳の差があり過ぎた気もする。とはいえ、ナンパされない対策として、ジンジャーは良い魔除けだった。

「もうこのまま、腕組んで歩きましょう」

「ひぃいぃ、おじょっ…レ、レベッカさん。
 こんな、おじさんと歩いても良いのでしょうか?
 妻に見られたら、わたくし殺されるかもしれません…」

「あら、あなた奥様がいたのね。
 なんだか、不倫デートって感じね。
 奥様には悪いけど、一日ジンジャーはお借りしますね。今日は街を自由に歩きたいの。
 奥様には、何かお土産買って帰りましょうか」

 あははと笑いながら街を楽しむレベッカ。そんな彼女の横顔は、キラキラと輝いて見えた。
 ジンジャーは長年ランドルフ家に仕えてきたが、家でのレベッカは常に不機嫌で退屈そうな顔をしていた。
 でも今は、庶民の食べ物や暮らし、街並みを初めて見るかのように、目を輝かせている。
 婚約破棄の一件で、お嬢様は別人に変わったと、ジンジャーは感じていた。使用人にも気遣う心優しい人になった。そんな彼女の自由を邪魔しないように、彼は誠心誠意レベッカに尽くしたい。

「わかりました。今日は、レベッカさんの彼氏として、ジンジャーは頑張ります!」

「あはは。なんかよく分からないけど、急に張り切ったわね。
 ジンジャー、私もう一本串焼きのお肉が食べたーい」
 
「ふふふ、彼氏だから奢ってあげますよ!」

 美味しそうな匂いに釣られて、2人は屋台に向かう。
 急に後ろから人の気配を感じた。レベッカが振り向こうとした瞬間だった。

「レベッカ!! その男は誰だ?!」

 聞き慣れた怒った声。
 手を組む2人を引き離したのは、ファーガソン公爵だった。

「へ?」

 レベッカは間抜けな声が出た。
 公爵は自分の後ろに彼女を隠す。
 ジンジャーは、また不審な男が現れたと怒るが…。

「ちょっと、私の彼女に何をするんだ!てっ……ひぃいい!!」

 一目でダリル・レオ・ファーガソン公爵だと分かり、情けない悲鳴が出た。

「レベッカ、…君はこの男と付き合っているのか?」

「ちょっと、公爵様!何でここにいるのよ?あ、彼は私の使用人ですよっ」

 公爵は殺気だってジンジャーに詰め寄る。
 本当に人を殺めてしまいそうな気迫を感じ、レベッカは初めて公爵が怖いと感じた。
 それ以上にジンジャーは、公爵の睨みに半べそになっている。

「お前、自分の彼女と言ったな?使用人の分際でレベッカと付き合っているのか?いつからだっ?!」

「ひぃいい、ち、違います、公爵様!私は、お嬢様に言い寄る男達から守るために演じてるだけですぅ~!」

「そー言う事よ。もう、ダリル!私の使用人を怖がらせないで!」

 思わず昔の呼び名で公爵を呼んでしまったが、ジンジャーを守るために2人の間に割って出た。
 何故か急に公爵は我に返った。そして、少しずつ嬉しそうな顔になって、レベッカを見つめる。

「レベッカ…その役は俺がやるよ。
 使用人はホテルへ戻れ。
 彼女は俺が責任を持って部屋まで送る。」

「えええ?何でそんな事になるのよ。
 それに、私は今、市民に変装しているの。
 貴族な格好をした公爵様と歩くのは浮くから嫌だわ」

 ムッとした公爵は、着ていたジャケットを脱いで使用人に投げつけた。
 その場でシャツのボタンを何個か外し、胸元を開ける。袖口のボタンも外して腕まくりをした。

「ならこれでいいだろ?」

 街の人々は、だんだん自分たちに注目し始めた。公爵はそれに気づき、レベッカの手を握り街の奥へと進もうとする。

「お、お嬢様~!」

 取り残された子供のように、悲しい声でジンジャーは叫んだ。

「大丈夫よー!ジンジャーは部屋に戻ってて~!」

 公爵にしっかりと手を繋がれた。引っ張られながら、レベッカは何とかジンジャーに返事をする。

「公爵様、待ってよ!何処に行くの?」

 人気のない路地裏のような場所に連れ去られた。

「あっ、…ちょっと、公爵様?」

 そして今、レベッカは公爵にいわゆる〝壁ドン〟された状態になっている。何故こんな事になったのか、もう訳が分からない。

「レベッカ、市民に変装しているなら、俺を『公爵様』と呼ぶな。ダリルと呼べ。」

「あの、…ちょっと近すぎますよ…?」

 頭からつま先まで、公爵の熱い眼差しを感じる。舐めるように見られて、恥ずかしくなった。

「肩なんか出して、露出し過ぎじゃないか?」

 公爵はレベッカの長い三つ編みを手に取って、無意識なのか匂いを嗅ぎながら、美しい鎖骨を眺めている。

「き、貴族のドレスの方が露出してるわよ。何よ、私には似合わないとでも言いたそうね」

「いいや、……すごく可愛いよ」

(あんた、そんな顔で言うのは反則だろ~!)

 顔面偏差値がズバ抜けて高い公爵に、間近で言われると、レベッカはときめいてしまった。

「こ、公爵さまっ!まだ貴族感が抜けていませんよ!」

 レベッカは、公爵の整った髪を手で乱す。触られている手が気持ち良かった。彼は大人しく、レベッカに髪を触らせる。

「レベッカ、今は『ダリル』だろ?」

「うっ。…分かったわ。ダリル、早くメイン通りに戻りましょう。私、もっといろいろと見たいものがあるのよ」

 レベッカは公爵の壁ドンから逃げるが、彼はすぐに引き止めた。

「俺たちは今、恋人同士の設定だろ?手を繋ごう」

「うっ……。」

 差し出された手を、レベッカは恥ずかしそうに取った。
 しっかりと恋人つなぎをされる。
 公爵は何事もなかったように、レベッカと寄り添いながら街並みを歩く。

「レベッカ、さっきの使用人と同じく、胸をもっと腕につけろ。」

「はぁあ?わたし、そんな事してない!」

「いや、してた。楽しそうな声であの男に甘えてたよ。付き合ってた時は、そんな事一度もしてくれなかった」

「ぐっ……。なぜ今更そんな事を言うのよ」

 レベッカは顔を赤らめて、言う通りに公爵の腕に胸を寄せて歩く。
 街の人々には、美男美女が仲睦まじく歩く姿に見えた。
 レベッカの可愛さに立ち止まる男達。
 公爵の美貌にときめく女達。
 様々な視線に、レベッカは気づいていない。

「ねえ、何でここにいるの?」

 最大の疑問に、まだ公爵は答えていない。

「ああ、実は…君の家でトラブルがあって…その…」

「ええ?!何があったのですか?」

 心配そうにするレベッカを見て、公爵は申し訳なさそうに打ち明けた。

「すまない。君の手紙に気がつかなくて、その…。家の扉を壊してしまったんだ」

「はぁ?!何してるんですか!」

「君に何かあったかと思って、蹴破ってしまった。悪いとは思っているよ、だから扉は新しいのに変えた。ちゃんとドアスコープも付いた頑丈な扉だ」

 公爵はポケットから新しい扉の鍵を取り出して、レベッカに渡した。

「……うーん。ちゃんと弁償してくれたならいいか」

 渡された鍵を受け取り、まあいいかと公爵を簡単に許した。

「わざわざ、鍵を渡しにこんな所まで追いかけて……ありがとう、ダリル」

「──っ!」

 優しく微笑むレベッカが、あまりにも可愛かった。


 今ここで君を抱きしめたい。
 おさげの町娘のような可愛い姿を、誰にも見せたくない。
 自分の城に攫って閉じ込めたい。


 汚い感情が湧いて出てしまった。

「ダリル、どうしたの?
 私、あなたのせいで食べそびれた串焼きのお肉を買いたいの。あっちに行きましょう♪」

 レベッカは自分の汚い感情にも気がつかない。安心する公爵。
 彼女は、焼かれた肉の香りの元を探っている。可愛い鼻をくんくんさせて、まるで犬のようで可愛らしかった。

「ははは。俺は君の彼氏だから、何でも奢ってあげるよ」




 公爵はレベッカの食べ歩きに、日が暮れるまで付き合った。
 街は明かりが灯り、夜になっても活気は続いていた。

「随分と肉を食べてたから、夕食は大丈夫そうだな?」

「そうですね、そろそろ帰りますか?」

 公爵はずっとレベッカの手を握って離さない。なんだか帰りたくないような雰囲気もある。

「私、明日はお祭りの出店の準備で朝が早いんです。ダリルは城に戻るの?」

「いや、もう遅いし、今日はこの街に泊まるよ」

「あ、そうよね。ここまで来るのに私は一日かかりました。宿泊先はもう決まっているの?」

 レベッカが心配そうに聞く。自分を想っているようで嬉しいのだが、心優しい彼女の性格を予想して悪い事を思いついた。

「それが、祭りで各地からたくさんの人が集まっている。どこの宿も取れなかったんだ。」

「えー?!
 じゃあ、今日はどこで寝泊まりするの?」
 
「……うーん、どうしようか。
 酒場で朝を過ごすか、野宿でもしようかな」

「やめて下さいよ!あなたのような身分の方が野宿だなんて。私の部屋に来ますか?使用人が選んだホテルなんですが、ベッドルームが余るほどの広さなの」

(ああ、知ってるよ)

 公爵は嬉しそうに、レベッカの招待を受け入れた。怖いほど思い通りな展開だが、少しも罪悪感はない。
 恋人になりきった街のデートは十分に楽しめた。今度は静かな部屋にレベッカと帰りたくなった。

「じゃあ、レベッカ。君の部屋に帰ろうか」

「うん。──あ、待ってて」

 レベッカは何かを見つけ、手を解いて走った。
 また出店で何かを買っている。
 見失わないように、常に彼女を目で追う。繋いでいた手が離されると、少し寂しい気持ちになる。
 
「はい、ダリル。これは、私の奢りね」

 渡されたのは、瓶に入った酒。

「…レベッカ、酒は飲めなかったよな?」

 公爵の言う通り、元のレベッカは酒が飲めない。でも前世は酒豪だった。
 こんな綺麗な夜景を見ながら、酒瓶片手に飲み歩きたかった。

「おほほ、そーでしたっけ?…成長したのか、急に呑めるようになって。あはは~」

 苦しい言い訳をしながら、レベッカはラッパ飲みして歩き出す。
 そんな豪快な姿に、公爵はまた新しい彼女の一面を目の当たりにする。

「レベッカ…本当に君は別人だな」

「ダリル、人は時が経てば変わるものよ。
 あなたの知っている私は、もういません。
 今ここに居るのは新しい私、早く受け入れてね。」

「──ああ、そうだな」

 公爵は受け取ったビールを飲んだ。久しぶりにワインじゃない安い酒を飲む。
 この酒のお陰で、やっと自分も平民になった気がする。貴族じゃない振る舞いは、案外楽しいものだった。

「レベッカ、手を繋ごう。1人でいると、また変な男たちに絡まれる」

 差し出した手を、レベッカは迷う事なく握る。
 2人はまた恋人のように寄り添う。
 酒瓶片手に飲み歩きながら、宿泊先に向かった。








しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたのに、王太子殿下がバルコニーの下にいます

ちよこ
恋愛
「リリス・フォン・アイゼンシュタイン。君との婚約を破棄する」 王子による公開断罪。 悪役令嬢として破滅ルートを迎えたリリスは、ようやく自由を手に入れた……はずだった。 だが翌朝、屋敷のバルコニーの下に立っていたのは、断罪したはずの王太子。 花束を抱え、「おはよう」と微笑む彼は、毎朝訪れるようになり—— 「リリス、僕は君の全てが好きなんだ。」 そう語る彼は、狂愛をリリスに注ぎはじめる。 婚約破棄×悪役令嬢×ヤンデレ王子による、 テンプレから逸脱しまくるダークサイド・ラブコメディ!

10回目の婚約破棄。もう飽きたので、今回は断罪される前に自分で自分を追放します。二度と探さないでください(フリではありません)

放浪人
恋愛
「もう、疲れました。貴方の顔も見たくありません」 公爵令嬢リーゼロッテは、婚約者である王太子アレクセイに処刑される人生を9回繰り返してきた。 迎えた10回目の人生。もう努力も愛想笑いも無駄だと悟った彼女は、断罪イベントの一ヶ月前に自ら姿を消すことを決意する。 王城の宝物庫から慰謝料(国宝)を頂き、書き置きを残して国外逃亡! 目指せ、安眠と自由のスローライフ! ――のはずだったのだが。 「『顔も見たくない』だと? つまり、直視できないほど私が好きだという照れ隠しか!」 「『探さないで』? 地の果てまで追いかけて抱きしめてほしいというフリだな!」 実は1周目からリーゼロッテを溺愛していた(が、コミュ障すぎて伝わっていなかった)アレクセイ王子は、彼女の拒絶を「愛の試練(かくれんぼ)」と超ポジティブに誤解! 国家権力と軍隊、そしてS級ダンジョンすら踏破するチート能力を総動員して、全力で追いかけてきた!? 物理で逃げる最強令嬢VS愛が重すぎる勘違い王子。 聖女もドラゴンも帝国も巻き込んだ、史上最大規模の「国境なき痴話喧嘩」が今、始まる! ※表紙はNano Bananaで作成しています

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

「地味な婚約者を捨てて令嬢と結婚します」と言った騎士様が、3ヶ月で離婚されて路頭に迷っている

歩人
ファンタジー
薬師のナターリアは婚約者の騎士ルドガーに「地味なお前より伯爵令嬢が ふさわしい」と捨てられた。泣きはしなかった。ただ、明日から届ける薬が 一人分減るな、と思っただけ。 ルドガーは華やかな伯爵令嬢イレーネと結婚し、騎士団で出世する——はずだった。 しかしイレーネの実家は見栄だけの火の車。持参金は消え、借金取りが押し寄せ、 イレーネ本人にも「稼ぎが少ない」と三行半を突きつけられた。 3ヶ月で全てを失ったルドガーが街角で見たのは、王宮薬師に抜擢された ナターリアが、騎士団長と笑い合う姿だった。 「なあ、ナターリア……俺が間違っていた」 「ええ、知ってます。でも、もう関係のない話ですね」

悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。

香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。 皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。 さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。 しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。 それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?

一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!

夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」 婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。 それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。 死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。 ​……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。 ​「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」 そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……? ​「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」 ​不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。 死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして

みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。 きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。 私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。 だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。 なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて? 全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです! ※「小説家になろう」様にも掲載しています。

処理中です...