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穢された身体
しおりを挟むいまのは、いったい……!?
「…ハァッ…ハァッ…ハァッ…!」
「……」
心臓が破れるかという衝撃に打たれて、チカチカと目を瞬かせる少女。
呼吸が上手くできない。
舌を懸命に動かして、途切れ途切れに息を吐き出すのが精一杯だった。
“ 熱い…!コレ…!コレは、なん なの……!? ”
飛びそうだった意識が少しずつ戻ってくる。
でも身体の熱はおさまらない。
それどころか腹部を中心にジュクジュクと広がっていくようで…その感覚に少女は怯えた。
「ハァッ……!ハァ…、ハァ……!」
そして、無意識にすがりついていた青年の腕に、血が滲むほど爪を立ててしまっていると気が付く。
「………ぁ!ごめんなさ…っ」
我に返り慌てて両手を離すと
ズルッ....
「…ンあ!!」
蜜壷を犯す指が引き抜かれた。
少女は浮かせていた腰を落として、ペタンと床に尻をついた。
「──…」
青年は、彼女に爪痕を付けられた前腕を眺めて首を傾げた後、ヌラついた中指に目をやった。
少女が目をそらしたくなるほどたっぷりの蜜をまとった指を…
見せつけるように、目の前にかかげる。
「悦かったのか?」
「…ッッ」
…よかった??
「…ッ…なに…言ってるの…?」
…何が?
身体は確かに反応したかもしれない。
彼に気持ちよくさせられた……かもしれない。でも、こんなこと自分は望んでいない。
こんなの酷い。
こんな厭らしいコト……耐えられない。
少女は泣きながら、フルフルと首を横に振った。
「もっ……もう……許して……ください」
「……」
「……嫌……もう、嫌……!」
自分はこの青年に穢された
何故か本能が、それを知っていた。
だから嘆いている。
「…ぅ、ふぅ…!……グスッ…」
「……」
「こんなの……やめ て」
「──…その涙じゃ興奮しない」
「…!」
すると覗き込んできた青年が、大きな目で彼女の泣き顔をとらえる。
至近距離で見つめてから、そっと頬に手をそえてきた。
触れられた瞬間ビクンと反応した彼女に…じっとりとした視線が絡み付く。
何を見ているのかわからない目が
……ただ、真剣な様子だったのが、意外だった。
ゆっくり顔が近付いて──また唇を奪われそうになる。
「…ッッ…やめて!」
我に返った少女は渾身の力で相手を突き飛ばした。
──逃げないと
「はぁっ……はぁっ……!」
突然の反撃で相手の対応が遅れたすきに、少女はヨロヨロと立ち上がる。
全身が熱くて、腰がガクガク震えて、足に力もはいらない。
そんな身体を引きずるようにして、切られたワンピースを肩にかけ直し、彼女は部屋の出口を目指した。
“ 逃げないと、逃げないとっ……!”
青年のほうを振り向く勇気はない。
ただ自分が出せる精一杯の速さで逃げていた。
青年は無言で、自分を突き飛ばして逃げた女の背中を見ていた。
「──…」
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