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一章
第六話「ステータス」
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――ドンッ
抵抗なく刃が沈む。
コボルトの背後から片腕で首を締めあげ、反対に握ったダガーをその身に突き立てた。
もちろん、その一撃で止まるつもりはない。
ダガーを引き抜く動作と共に、締めあげていた左腕を離し突き飛ばす。そして更に、突き飛ばしたコボルトを背中から叩き斬った。
一、二、三と数えながらアクションをこなす。
頭の中で何度も繰り返した作業を終えると、すぐさま、残るもう一体のコボルトと向かい合った。
その作業時間、わずか三秒。
目の前のコボルトは仲間が斬られている最中、何が起こったのかわからず呆然と動作を見送っていた。
――ひと呼吸。
やっと現状を理解したヤツは涎をまき散らし、雄叫びをあげた。
奇襲は成功。
体が想像通り動いたこと。
そして、思いのほか簡単にとどめを刺せたこと。
咆哮による威圧よりも、それらに対する驚きが先に湧きあがってきた。
――やれる。
体の底から自信がみなぎってくる。
ヘルメットを被っていても感じる血の臭い。
実際に臭いも感じ取れる仕様なのか、それとも派手な出血がそう錯覚させるのか。興奮している今は判断がつかない。
まき散らされた血が心臓に火をつける。
鼓動が、ペダルを踏んだエンジンのように細かくリズムを刻んだ。
――不思議だ。
こんなに興奮しているのに、状況を俯瞰している自分がいる。
――キタ、きたっ。
コボルトがギラギラとした目で飛びかかってくる姿を、理解するまえに体が自然に動いた。
後退するのではなく、前へ。
インストールしてもらった戦闘術の影響か、ゾーンに入った俺は、攻撃の瞬間がスローモーションの様に見える。
ダガーを持っていない左腕が自然に動き、武器を振り上げた敵の腕をTVで見たカンフー映画のごとく捌いた。
そして流れるように懐に入り込み――
首を裂き。
胸を裂き。
腹を突く。
腹からダガーを引き抜く動作とともに、バックステップで距離をとった。
もちろん、ダガーを引き抜く際には、捻りを加えてだ。
コボルトの口から血が噴きがでると、空を引っ掻きもがき苦しむ。
そして地面に崩れ落ち、動かなくなった。
――信じられない。
血だらけのダガーを俺は見つめていた。
『コウゾウ、時間がありません。
妖魔結晶石を回収しましょう』
周囲に転がるコボルトの死体に心拍が上がるのが分かる。
なにか、イノリさんが言ったような気がするが、俺の耳はその言葉を理解できてはいなかった。
これは……俺が殺したのか――
血まみれの手と周囲に転がる死体に興奮し、戦闘によって上がった鼓動が更に上がり始める。
――ドッ、ドッ、ドッ、ドッ
苦しい……。
目に涙が溜まる。
胸が、ぎゅっと締め付けられるように苦しかった。
「――はッ、はッ、はッ、はッ
――あっ、ガッ」
ウーハーから響く低音のような鼓動が耳に響き、呼吸を邪魔している。頭の中から呼吸の方法がすっかり飛んでしまっていた。
――上手く呼吸できない。
手足が痺れる。
『――コウゾウ!
大丈夫です。落ち着いて――
息を止めてくださいっ。そうです。
止めたまま、ゆっくり、数を数えて――
はい、1、2、3……』
ゆっくりと、大きな声で語りかけてくれるイノリさん。
どうにかその声を聞き取り、それに合わせて呼吸していく。
苦しい……、苦しい、苦しい、苦しい。
どの位たったかわからないがしばらくその呼吸を続けると、突然、霧が晴れたように頭の中がスッっと切り変わった。
そしてなぜだか分からないが、もう大丈夫だと頭の中が理解したような気がした。
『落ち着きましたか、コウゾウ』
先ほどまでの苦しさが嘘のように。そして、周囲に転がるコボルトの死体を見ても、血まみれの自分の手を見ても、俺の心は何ら感じることはなかった。
『戦闘時のメンタルコントロールも戦闘術の範囲です。
まだ、インストールから間もないので、脳に過負荷がかかったのかもしれません。
ただこれで、完全に情報と脳が親和したようなので今後、同様の症状が起こることはないでしょう。
さあ、急いで死体から妖魔結晶石を回収しましょう。
騒ぎを聞きつけ、増援が来る可能性があります――』
俺はそれからイノリさんの指示のもと、コボルトの体内から妖魔結晶石を回収していった。
まあ、イノリさんの言った通り苦しくなることはなくなったのだが、グロが気持ち悪いと感じることは変わりないらしい。
死体に手を突っ込む時は、やっぱり躊躇してしまっていた。
『次はこの近くにある、緊急用妖魔エネルギー保管庫へと移動してください。
そこでACHILLESの成長機能について詳しく説明します』
「了解……」
こうして、俺の初戦闘は終わったわけだが……。
この自分の心の変わりように少し薄ら寒い物を感じつつも、今やるべきことはココで思い悩むことではないと納得し、急いでイノリさん誘導のもとその保管庫向かうのだった。
§
―――――――――――――――――――――――――――
名前:倉井 耕蔵
種族:人間(35)
容姿:6
言語:日本語
サイズ:8 168cm
筋力:6(106)
耐久:8
知覚:7
魔力:0(10)
機動:6(16)
教育:7
妖魔加護効果
[言語翻訳(妖魔)]
[印象上昇(妖魔)]
攻撃力(名称:貫通力:ダメージ:動作)
・素手:0:106:1
・高周波振動発生機付きダガー:35:126:1
防護値(名称:装甲値:緩衝値)
・ACHILLES装甲(頭部):40:35
・ACHILLES装甲(頭部以外):30:20
ACHILLES機能
[筋力1][機動1][装甲1][緩衝1]
[生命維持機能1][修復機能1][基本機能1]
[ワイヤー操作1][魔力1][エネルギー・ボルト1]
[プロテクション1][ヒール1]
拡張ポイント:4
―――――――――――――――――――――――――――
「どうみていいかわかんないよ……これ。
強いかどうかもわかんないし……」
俺は先ほど回収した妖魔結晶石を、イノリさん指示の元、首元にある水晶のようなパーツに吸収させると、そう文句を言った。
『大丈夫です。
今からそれを説明しますので、安心してください』
そう言って、モニタの中のイノリさんはウインクをする。
まあ、そんな顔されたって、現状、何を説明されても安心なんかできないんですけどね。
『まず、拡張ポイントを見てください。
今、コウゾウがコボルトの妖魔結晶石を吸収しましたよね。それにより数値が増えているのが画面を見て分かると思います』
―――――――――――――――――――――――――――
拡張ポイント:4
―――――――――――――――――――――――――――
おっ、4ポイントあるな。
『はい、妖魔結晶石を吸収することで、その拡張ポイントが増えるのです。そして、その力を使いACHILLESを拡張することが可能なのです』
「お、拡張って強くなるってこと?」
『はい、このACHILLESはオリハルコンを使用しており、コウゾウの精神や魂と強く結びついています。
それによって、オリハルコンは装備者の精神とリンクし様々な変化を起こすことが可能となりました。
そして、その変化を起こすために必要となるのが、妖魔結晶石に蓄えられた魔の力なのです――』
「変化って?」
『それは、材質自体の強化や、様々な力の伝導率など、多岐にわたります。
使用者に合わせた強化も可能になっており、その強化のためのUIが――こちらです』
―――――――――――――――――――――――――――
【ACHILLES成長ツリー】
[*]筋力1
┣━━━━━┓
[ ]筋力2[*]機動1
┃ ┣━━━━━┓
[ ]筋力3[ ]機動2[ ]白兵戦1
┃ ┃ ┣━━━━━━┓
[ ]筋力4[ ]機動3[ ]白兵戦2[ ]銃火器1
[*]装甲1
┣━━━━━┓
[ ]装甲2[*]緩衝1
┃ ┣━━┳━━┓
[ ]装甲3 ① ② ③
┣━━━━━┳━━━━━━━┓
[ ]装甲4[ ]斬撃耐性1[ ]刺突耐性1
①
┃
[ ]緩衝2
┃
[ ]緩衝3
┃
[ ]緩衝4
②
┃
[*]生命維持機能1
┣━━━━━━━━━┓
[ ]生命維持機能2[ ]温度耐性1
┃ ┣━━━━━━━┓
[ ]生命維持機能3[ ]温度耐性2[ ]電撃無効
③
┃
[*]修復機能1
┃
[ ]修復機能2
┃
[ ]修復機能3
・
・
・
・
―――――――――――――――――――――――――――
ヘルメットから見える視界にウインドが開き、ツリー状にそこにずらずらと文字が並んでいく。
その中の文字の一つ、筋力1をタッチしてみる。
―――――――――――――――――――――――――――
〈筋力〉
・筋力1 筋力+100
・筋力2 筋力+150 必要ポイント:4000
・筋力3 筋力+200 必要ポイント:6000
・筋力4 筋力+250 必要ポイント:8000
―――――――――――――――――――――――――――
『すでに、初期機能として[筋力1][機動1][装甲1][緩衝1][生命維持機能1][修復機能1][基本機能1][ワイヤー操作1][魔力1][エネルギー・ボルト1][プロテクション1][ヒール1]は取得済みです。
新たに取得したい場合は、拡張ポイントを使用することで取得が可能となります』
「え、ポイントって……
4000とか必要ってなってるのあるけど……。
他のも、こんなのなら、今4しかないよ??
しかも、何選んでいいかわかんないし……」
『そこで、コウゾウ。
アナタに、この部屋へ来てもらったのです――』
俺は移動してきた部屋を見渡す。
うん……。
この部屋、来たときから気にはなってたんだけどね……。
周囲を見渡すと、何かの液体に満たされた筒状のガラスケースが部屋中に沢山並んでいるのが確認できた。中には妖魔結晶石が入ってるのも確認できる。
『これらを吸収してください。
おそらく拡張ポイントが、合計で2000以上にはなるでしょう。
それで一先ず[白兵戦1]を取得してください。
2000ポイントで取得できるのはレベル1のものです。
その中で、現在、これから戦闘をするために必要なものは[白兵戦1]だといえるでしょう。
[白兵戦1]を取得することにより、白兵戦闘の際にアシスト効果を発揮します。
コウゾウ自身にインストールされた戦闘術と合わせれば、白兵戦闘技術は人類最高レベルになるハズです』
何となくだが、言葉を聞いて戦闘が強くなるのはわかった。よし、取るのは[白兵戦1]ね。
『あとその他の数値の説明は……
そうですね、コボルトの能力をACHILLESと比較して数値化し表示します。比較の参考にしてください』
―――――――――――――――――――――――――――
種族:コボルト
言語:妖魔言語
サイズ:8
筋力:8
耐久:8
知覚:8
魔力:2
機動:8
教育:1
攻撃力(名称:貫通力:ダメージ:動作)
・素手:叩き/0:8:1
・こん棒:叩き/0:21:2
防護値(名称:装甲値:緩衝値)
・布の衣服のみ(体毛):1:1
―――――――――――――――――――――――――――
「え、この全身タイツ、結構つよいんじゃない?
因みに、この世界の普通の人なら、どのくらいなんだろ」
イノリさんが、この世界で生活する、成人男性のステータスも見せてくれる。
―――――――――――――――――――――――――――
種族:人間
容姿:7
言語:西方言語
サイズ:8
筋力:7
耐久:7
知覚:7
魔力:5
機動:7
教育:3
攻撃力(名称:貫通力:ダメージ:動作)
・素手:叩き/0:7:1
・片手剣
突き:4:15:1
斬り:3:19:2
防護値(名称:装甲値:緩衝値)
・布の衣服のみ:0:1
―――――――――――――――――――――――――――
『平均成人がこの位ですね。
人間の中でも最高レベルの筋力ともなれば10ぐらいでしょうか。
これには理由があり、特殊な場合を除いては、身体の構造的に10か11が限界となっていますね』
「うーん、なるほど。
じゃあ、貫通力とか装甲値、緩衝値ってなに?
ダメージってのはなんとなく分かるけど……」
『あくまで目安と考えてもらいたいのですが、装甲値は攻撃から身体を保護する力を数値化しています。
武器の貫通力が装甲値を上回れば装甲は貫通され、内部にダメージが通り、装甲値が上回れば攻撃を弾くことが可能です。
しかし、気をつけて欲しいのが装甲値が上回っている場合でも、多少の――
そうですね、十分の一程度のダメージは衝撃として内部へ浸透してしまうということです。
そこで、内部を衝撃から守る力を数値化したものが、緩衝値となります。
これは貫通してしまった場合でも同じですが、その分のダメージを吸収できる能力を数値化しています』
「うーん、わかったような、わからないような……」
『コボルトを例に挙げれば、コウゾウがコボルトの攻撃を受けた場合、ACHILLESの装甲値30をコボルトの貫通力0のこん棒で貫通することができません。
これにより、身体をこん棒で直接傷つけられることはなくなりますがインパクトによる衝撃は内部へと浸透します。
インパクトによる衝撃――
この場合、こん棒21ダメージの十分の一ほど、およそ2ダメージですが、それが衝撃となり内部へと浸透します。
そこで重要になるのが緩衝値で、数値分、内部へのダメージを吸収します。これは貫通した場合も同じで緩衝値分は必ずダメージを吸収することができます。
例の場合、浸透してきたインパクトによる衝撃は、全てACHILLESの緩衝値20で、吸収することが可能です。
後出しとなってすみませんが、正直な話し、先ほどのコボルトの攻撃を受けてもコウゾウが傷つくことはありませんでした』
おぉう、ホント後出しだね……、言っておいてくれれば不安も減ったのに……。
ジト目でウインドウに映るイノリさんを見つめてしまうが、でも、自分の強さになんだか一気に希望が見えてきた。
よし、数字の意味はなんとなくわかった。けど、今の数値は最高どのくらいのレベルの攻撃に耐えられるのだろうか。こん棒の何倍とか聞いてもイメージし難いから、もっと想像しやすい物と比較して欲しい。
『そうですね……。
コウゾウの所持していた携帯端末情報からの情報……そこから比較してみましょう――
ライフル銃、たとえばボルトアクションのもの……
これがいいですね、kar98kなどどうでしょうか。
構造上、こちらの世界の最新式の火器に比較的近いと思われますがこのような数値になると思われます』
―――――――――――――――――――――――――――
射程:500m 貫通力:9 ダメージ:25
装填時間:4
―――――――――――――――――――――――――――
『数値は射程内で攻撃を当てた場合のものです。
単純に、一発のみの命中なら貫通することもありませんね。緩衝値で吸収することが可能です。
ただ気をつけて欲しいのは、ほぼ同時に、大量に攻撃を受けた場合、貫通の判定は一発一発ですが衝撃は加算されることもあります。
このライフルで考えると――
同時に同じ部位に7発以上受けると、貫通することはありませんが内部……コウゾウに衝撃が伝わり、負傷する可能性もありますね』
「負傷……。
それってちょっとでもダメージが通っちゃったらだめなのかな??」
『負傷の目安としては、耐久の数値を見てもらうと参考にできると思います。
耐久はそのまま、身体の丈夫さを数値として現したものですね。
負傷はそのごとに傷の深度があります。
負傷が、およそ耐久最大値の二倍以上になれば、その負傷のある部位は破壊される――と思って頂ければと。
例えばですが、先ほどのライフルで、ACHILLES装備していないコウゾウが撃たれた場合、それが手なら25ダメージ受けて耐久8の倍以上となり、その怪我により手が破壊され使用不能となります。
そして、それが頭部なら頭部、心臓なら心臓と、受けた部位が破壊され、使用不能となるのです。
予想はつくと思いますが、まあ、頭や心臓が破壊されれば命はないと思ってください』
「うっ……。
まあ、これもなんとなくわかったけど、なんかややこしくない?
もっとHPとかわかりやすい数値で教えて欲しいよ……」
『単純にHPだけでは、正確に状態を把握できないのでこのようになっています。
わかり難さは、ワタシがナビゲートするので安心してください。コウゾウは、軽く、参考にする程度でかまいませんよ。
あくまで、状態を簡易的に数値化しているだけなので、辻褄が合わなく無くなることもあります。
なので、数字の範囲外のことも常に起きる可能性はあると、あまり深く考えないぐらいが丁度良いのかもしれませんね――』
そんなこんなで話は続くが、この調子で全てを質問していたら時間がいくらあっても足らないということとなった。
とりあえず、必要な度に説明してもらうということで俺は納得し、部屋の中にある妖魔結晶石を吸収するのだった。
§
抵抗なく刃が沈む。
コボルトの背後から片腕で首を締めあげ、反対に握ったダガーをその身に突き立てた。
もちろん、その一撃で止まるつもりはない。
ダガーを引き抜く動作と共に、締めあげていた左腕を離し突き飛ばす。そして更に、突き飛ばしたコボルトを背中から叩き斬った。
一、二、三と数えながらアクションをこなす。
頭の中で何度も繰り返した作業を終えると、すぐさま、残るもう一体のコボルトと向かい合った。
その作業時間、わずか三秒。
目の前のコボルトは仲間が斬られている最中、何が起こったのかわからず呆然と動作を見送っていた。
――ひと呼吸。
やっと現状を理解したヤツは涎をまき散らし、雄叫びをあげた。
奇襲は成功。
体が想像通り動いたこと。
そして、思いのほか簡単にとどめを刺せたこと。
咆哮による威圧よりも、それらに対する驚きが先に湧きあがってきた。
――やれる。
体の底から自信がみなぎってくる。
ヘルメットを被っていても感じる血の臭い。
実際に臭いも感じ取れる仕様なのか、それとも派手な出血がそう錯覚させるのか。興奮している今は判断がつかない。
まき散らされた血が心臓に火をつける。
鼓動が、ペダルを踏んだエンジンのように細かくリズムを刻んだ。
――不思議だ。
こんなに興奮しているのに、状況を俯瞰している自分がいる。
――キタ、きたっ。
コボルトがギラギラとした目で飛びかかってくる姿を、理解するまえに体が自然に動いた。
後退するのではなく、前へ。
インストールしてもらった戦闘術の影響か、ゾーンに入った俺は、攻撃の瞬間がスローモーションの様に見える。
ダガーを持っていない左腕が自然に動き、武器を振り上げた敵の腕をTVで見たカンフー映画のごとく捌いた。
そして流れるように懐に入り込み――
首を裂き。
胸を裂き。
腹を突く。
腹からダガーを引き抜く動作とともに、バックステップで距離をとった。
もちろん、ダガーを引き抜く際には、捻りを加えてだ。
コボルトの口から血が噴きがでると、空を引っ掻きもがき苦しむ。
そして地面に崩れ落ち、動かなくなった。
――信じられない。
血だらけのダガーを俺は見つめていた。
『コウゾウ、時間がありません。
妖魔結晶石を回収しましょう』
周囲に転がるコボルトの死体に心拍が上がるのが分かる。
なにか、イノリさんが言ったような気がするが、俺の耳はその言葉を理解できてはいなかった。
これは……俺が殺したのか――
血まみれの手と周囲に転がる死体に興奮し、戦闘によって上がった鼓動が更に上がり始める。
――ドッ、ドッ、ドッ、ドッ
苦しい……。
目に涙が溜まる。
胸が、ぎゅっと締め付けられるように苦しかった。
「――はッ、はッ、はッ、はッ
――あっ、ガッ」
ウーハーから響く低音のような鼓動が耳に響き、呼吸を邪魔している。頭の中から呼吸の方法がすっかり飛んでしまっていた。
――上手く呼吸できない。
手足が痺れる。
『――コウゾウ!
大丈夫です。落ち着いて――
息を止めてくださいっ。そうです。
止めたまま、ゆっくり、数を数えて――
はい、1、2、3……』
ゆっくりと、大きな声で語りかけてくれるイノリさん。
どうにかその声を聞き取り、それに合わせて呼吸していく。
苦しい……、苦しい、苦しい、苦しい。
どの位たったかわからないがしばらくその呼吸を続けると、突然、霧が晴れたように頭の中がスッっと切り変わった。
そしてなぜだか分からないが、もう大丈夫だと頭の中が理解したような気がした。
『落ち着きましたか、コウゾウ』
先ほどまでの苦しさが嘘のように。そして、周囲に転がるコボルトの死体を見ても、血まみれの自分の手を見ても、俺の心は何ら感じることはなかった。
『戦闘時のメンタルコントロールも戦闘術の範囲です。
まだ、インストールから間もないので、脳に過負荷がかかったのかもしれません。
ただこれで、完全に情報と脳が親和したようなので今後、同様の症状が起こることはないでしょう。
さあ、急いで死体から妖魔結晶石を回収しましょう。
騒ぎを聞きつけ、増援が来る可能性があります――』
俺はそれからイノリさんの指示のもと、コボルトの体内から妖魔結晶石を回収していった。
まあ、イノリさんの言った通り苦しくなることはなくなったのだが、グロが気持ち悪いと感じることは変わりないらしい。
死体に手を突っ込む時は、やっぱり躊躇してしまっていた。
『次はこの近くにある、緊急用妖魔エネルギー保管庫へと移動してください。
そこでACHILLESの成長機能について詳しく説明します』
「了解……」
こうして、俺の初戦闘は終わったわけだが……。
この自分の心の変わりように少し薄ら寒い物を感じつつも、今やるべきことはココで思い悩むことではないと納得し、急いでイノリさん誘導のもとその保管庫向かうのだった。
§
―――――――――――――――――――――――――――
名前:倉井 耕蔵
種族:人間(35)
容姿:6
言語:日本語
サイズ:8 168cm
筋力:6(106)
耐久:8
知覚:7
魔力:0(10)
機動:6(16)
教育:7
妖魔加護効果
[言語翻訳(妖魔)]
[印象上昇(妖魔)]
攻撃力(名称:貫通力:ダメージ:動作)
・素手:0:106:1
・高周波振動発生機付きダガー:35:126:1
防護値(名称:装甲値:緩衝値)
・ACHILLES装甲(頭部):40:35
・ACHILLES装甲(頭部以外):30:20
ACHILLES機能
[筋力1][機動1][装甲1][緩衝1]
[生命維持機能1][修復機能1][基本機能1]
[ワイヤー操作1][魔力1][エネルギー・ボルト1]
[プロテクション1][ヒール1]
拡張ポイント:4
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「どうみていいかわかんないよ……これ。
強いかどうかもわかんないし……」
俺は先ほど回収した妖魔結晶石を、イノリさん指示の元、首元にある水晶のようなパーツに吸収させると、そう文句を言った。
『大丈夫です。
今からそれを説明しますので、安心してください』
そう言って、モニタの中のイノリさんはウインクをする。
まあ、そんな顔されたって、現状、何を説明されても安心なんかできないんですけどね。
『まず、拡張ポイントを見てください。
今、コウゾウがコボルトの妖魔結晶石を吸収しましたよね。それにより数値が増えているのが画面を見て分かると思います』
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拡張ポイント:4
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おっ、4ポイントあるな。
『はい、妖魔結晶石を吸収することで、その拡張ポイントが増えるのです。そして、その力を使いACHILLESを拡張することが可能なのです』
「お、拡張って強くなるってこと?」
『はい、このACHILLESはオリハルコンを使用しており、コウゾウの精神や魂と強く結びついています。
それによって、オリハルコンは装備者の精神とリンクし様々な変化を起こすことが可能となりました。
そして、その変化を起こすために必要となるのが、妖魔結晶石に蓄えられた魔の力なのです――』
「変化って?」
『それは、材質自体の強化や、様々な力の伝導率など、多岐にわたります。
使用者に合わせた強化も可能になっており、その強化のためのUIが――こちらです』
―――――――――――――――――――――――――――
【ACHILLES成長ツリー】
[*]筋力1
┣━━━━━┓
[ ]筋力2[*]機動1
┃ ┣━━━━━┓
[ ]筋力3[ ]機動2[ ]白兵戦1
┃ ┃ ┣━━━━━━┓
[ ]筋力4[ ]機動3[ ]白兵戦2[ ]銃火器1
[*]装甲1
┣━━━━━┓
[ ]装甲2[*]緩衝1
┃ ┣━━┳━━┓
[ ]装甲3 ① ② ③
┣━━━━━┳━━━━━━━┓
[ ]装甲4[ ]斬撃耐性1[ ]刺突耐性1
①
┃
[ ]緩衝2
┃
[ ]緩衝3
┃
[ ]緩衝4
②
┃
[*]生命維持機能1
┣━━━━━━━━━┓
[ ]生命維持機能2[ ]温度耐性1
┃ ┣━━━━━━━┓
[ ]生命維持機能3[ ]温度耐性2[ ]電撃無効
③
┃
[*]修復機能1
┃
[ ]修復機能2
┃
[ ]修復機能3
・
・
・
・
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ヘルメットから見える視界にウインドが開き、ツリー状にそこにずらずらと文字が並んでいく。
その中の文字の一つ、筋力1をタッチしてみる。
―――――――――――――――――――――――――――
〈筋力〉
・筋力1 筋力+100
・筋力2 筋力+150 必要ポイント:4000
・筋力3 筋力+200 必要ポイント:6000
・筋力4 筋力+250 必要ポイント:8000
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『すでに、初期機能として[筋力1][機動1][装甲1][緩衝1][生命維持機能1][修復機能1][基本機能1][ワイヤー操作1][魔力1][エネルギー・ボルト1][プロテクション1][ヒール1]は取得済みです。
新たに取得したい場合は、拡張ポイントを使用することで取得が可能となります』
「え、ポイントって……
4000とか必要ってなってるのあるけど……。
他のも、こんなのなら、今4しかないよ??
しかも、何選んでいいかわかんないし……」
『そこで、コウゾウ。
アナタに、この部屋へ来てもらったのです――』
俺は移動してきた部屋を見渡す。
うん……。
この部屋、来たときから気にはなってたんだけどね……。
周囲を見渡すと、何かの液体に満たされた筒状のガラスケースが部屋中に沢山並んでいるのが確認できた。中には妖魔結晶石が入ってるのも確認できる。
『これらを吸収してください。
おそらく拡張ポイントが、合計で2000以上にはなるでしょう。
それで一先ず[白兵戦1]を取得してください。
2000ポイントで取得できるのはレベル1のものです。
その中で、現在、これから戦闘をするために必要なものは[白兵戦1]だといえるでしょう。
[白兵戦1]を取得することにより、白兵戦闘の際にアシスト効果を発揮します。
コウゾウ自身にインストールされた戦闘術と合わせれば、白兵戦闘技術は人類最高レベルになるハズです』
何となくだが、言葉を聞いて戦闘が強くなるのはわかった。よし、取るのは[白兵戦1]ね。
『あとその他の数値の説明は……
そうですね、コボルトの能力をACHILLESと比較して数値化し表示します。比較の参考にしてください』
―――――――――――――――――――――――――――
種族:コボルト
言語:妖魔言語
サイズ:8
筋力:8
耐久:8
知覚:8
魔力:2
機動:8
教育:1
攻撃力(名称:貫通力:ダメージ:動作)
・素手:叩き/0:8:1
・こん棒:叩き/0:21:2
防護値(名称:装甲値:緩衝値)
・布の衣服のみ(体毛):1:1
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「え、この全身タイツ、結構つよいんじゃない?
因みに、この世界の普通の人なら、どのくらいなんだろ」
イノリさんが、この世界で生活する、成人男性のステータスも見せてくれる。
―――――――――――――――――――――――――――
種族:人間
容姿:7
言語:西方言語
サイズ:8
筋力:7
耐久:7
知覚:7
魔力:5
機動:7
教育:3
攻撃力(名称:貫通力:ダメージ:動作)
・素手:叩き/0:7:1
・片手剣
突き:4:15:1
斬り:3:19:2
防護値(名称:装甲値:緩衝値)
・布の衣服のみ:0:1
―――――――――――――――――――――――――――
『平均成人がこの位ですね。
人間の中でも最高レベルの筋力ともなれば10ぐらいでしょうか。
これには理由があり、特殊な場合を除いては、身体の構造的に10か11が限界となっていますね』
「うーん、なるほど。
じゃあ、貫通力とか装甲値、緩衝値ってなに?
ダメージってのはなんとなく分かるけど……」
『あくまで目安と考えてもらいたいのですが、装甲値は攻撃から身体を保護する力を数値化しています。
武器の貫通力が装甲値を上回れば装甲は貫通され、内部にダメージが通り、装甲値が上回れば攻撃を弾くことが可能です。
しかし、気をつけて欲しいのが装甲値が上回っている場合でも、多少の――
そうですね、十分の一程度のダメージは衝撃として内部へ浸透してしまうということです。
そこで、内部を衝撃から守る力を数値化したものが、緩衝値となります。
これは貫通してしまった場合でも同じですが、その分のダメージを吸収できる能力を数値化しています』
「うーん、わかったような、わからないような……」
『コボルトを例に挙げれば、コウゾウがコボルトの攻撃を受けた場合、ACHILLESの装甲値30をコボルトの貫通力0のこん棒で貫通することができません。
これにより、身体をこん棒で直接傷つけられることはなくなりますがインパクトによる衝撃は内部へと浸透します。
インパクトによる衝撃――
この場合、こん棒21ダメージの十分の一ほど、およそ2ダメージですが、それが衝撃となり内部へと浸透します。
そこで重要になるのが緩衝値で、数値分、内部へのダメージを吸収します。これは貫通した場合も同じで緩衝値分は必ずダメージを吸収することができます。
例の場合、浸透してきたインパクトによる衝撃は、全てACHILLESの緩衝値20で、吸収することが可能です。
後出しとなってすみませんが、正直な話し、先ほどのコボルトの攻撃を受けてもコウゾウが傷つくことはありませんでした』
おぉう、ホント後出しだね……、言っておいてくれれば不安も減ったのに……。
ジト目でウインドウに映るイノリさんを見つめてしまうが、でも、自分の強さになんだか一気に希望が見えてきた。
よし、数字の意味はなんとなくわかった。けど、今の数値は最高どのくらいのレベルの攻撃に耐えられるのだろうか。こん棒の何倍とか聞いてもイメージし難いから、もっと想像しやすい物と比較して欲しい。
『そうですね……。
コウゾウの所持していた携帯端末情報からの情報……そこから比較してみましょう――
ライフル銃、たとえばボルトアクションのもの……
これがいいですね、kar98kなどどうでしょうか。
構造上、こちらの世界の最新式の火器に比較的近いと思われますがこのような数値になると思われます』
―――――――――――――――――――――――――――
射程:500m 貫通力:9 ダメージ:25
装填時間:4
―――――――――――――――――――――――――――
『数値は射程内で攻撃を当てた場合のものです。
単純に、一発のみの命中なら貫通することもありませんね。緩衝値で吸収することが可能です。
ただ気をつけて欲しいのは、ほぼ同時に、大量に攻撃を受けた場合、貫通の判定は一発一発ですが衝撃は加算されることもあります。
このライフルで考えると――
同時に同じ部位に7発以上受けると、貫通することはありませんが内部……コウゾウに衝撃が伝わり、負傷する可能性もありますね』
「負傷……。
それってちょっとでもダメージが通っちゃったらだめなのかな??」
『負傷の目安としては、耐久の数値を見てもらうと参考にできると思います。
耐久はそのまま、身体の丈夫さを数値として現したものですね。
負傷はそのごとに傷の深度があります。
負傷が、およそ耐久最大値の二倍以上になれば、その負傷のある部位は破壊される――と思って頂ければと。
例えばですが、先ほどのライフルで、ACHILLES装備していないコウゾウが撃たれた場合、それが手なら25ダメージ受けて耐久8の倍以上となり、その怪我により手が破壊され使用不能となります。
そして、それが頭部なら頭部、心臓なら心臓と、受けた部位が破壊され、使用不能となるのです。
予想はつくと思いますが、まあ、頭や心臓が破壊されれば命はないと思ってください』
「うっ……。
まあ、これもなんとなくわかったけど、なんかややこしくない?
もっとHPとかわかりやすい数値で教えて欲しいよ……」
『単純にHPだけでは、正確に状態を把握できないのでこのようになっています。
わかり難さは、ワタシがナビゲートするので安心してください。コウゾウは、軽く、参考にする程度でかまいませんよ。
あくまで、状態を簡易的に数値化しているだけなので、辻褄が合わなく無くなることもあります。
なので、数字の範囲外のことも常に起きる可能性はあると、あまり深く考えないぐらいが丁度良いのかもしれませんね――』
そんなこんなで話は続くが、この調子で全てを質問していたら時間がいくらあっても足らないということとなった。
とりあえず、必要な度に説明してもらうということで俺は納得し、部屋の中にある妖魔結晶石を吸収するのだった。
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