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2章
鶴羽さんと瑠璃くんの本当
しおりを挟むそいつは瑠璃くんがいないときを見図らってやってきた。
「元気か、後輩。」
「元気だよ。そっちはなんでここまで来たのかな。鶴羽さん。」
平然とドアから鶴羽さんがやってきた。
まあ、ドア以外の出入り口がこの部屋にはないから当たり前っちゃ当たり前だか。それにしては堂々としすぎやしないか。
「そりゃあ、迎えに来たのさ。お前の先輩は荒れ狂って塔の一部を破損させるくらいには怒ってだぞ。」
「それは随分とお世話になってるようで。だけど政府としては私がいなくなったのは良かったんじゃないの?」
「政府はな。俺は別にお前を追い出す理由がない。むしろ、こんなとこにいられる方が困る。
なんせ、ここからお前を逃がしたのが俺だからな。」
そう言った鶴羽さんは少し申し訳なさそうだった。当然だ。今のいままで鶴羽さんは私に気付かなかったのだから。
「今頃気付くのは遅すぎやしませんかね?私なんて顔合わせたときに気付いたのに鶴羽さんときたら私の成長の話なんてしやがってくださいましたよね。」
「ごめんな。短期間で変わりすぎてて気付かなかったんだ。まさかこんな生き生きとしてるなんてな。」
確かに!あの時は警戒しすぎて録に食事もしなかったし、瑠璃くんが異様に私に執着しているせいで裏で部下に色々やられてましたが!そこまでやつれてたつもりはない!!
「そうですね。鶴羽さんと先輩のおかげでだいぶ回復しましたから。それより、どうやってここまで来たのか理解できないんですけど。」
私を逃したときも鶴羽さんはかなりうまくやった。だが、鶴羽さんは政府の人間。そう簡単に出入りは愚か近付くことも発見するのも難しい。加えて政府はまだこちらを突き止めていなかったように思う。
「あれ?言ってなかったか?俺は元珊瑚なんだよ。」
衝撃だ。なんだ、こいつ。何が目的だ。瑠璃くんより厄介そうだ。
「今更驚くことか?ああ、そうか。お前瑠璃にべったりされ過ぎて他の幹部にまともに会ってなかったもんな。」
「まともに会ったのは金のやつくらいだよ。まさか下克上のための人質にされるとはね。瑠璃くんは敵も味方も厄介なのしか寄越さないよ。」
「ああ、前の金か。そんなことあったのかぁ。だから、瑠璃に消されたのか。瑠璃はほんとお前のこと好きだよなぁ。」
こいつは本気で言っているのだろうか。殺意が沸いてくるわ!
「瑠璃くんの異常な執着は私が瑠璃くんと同じだと感じてるところからきてるの解っていッてるだろ!」
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