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3. Side ライオネル
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ある夜、自室に戻ったら、ベッド横のテーブルに白い封筒が置かれていた。裏返しのそれには差し出し人が書かれていた。ディアナ・ヘンリット、と。
今まで婚約者からは手紙をもらったことなどなかった。なぜ従者はこれを手渡しせずに、わざわざ此処に置いたのだと、ため息が出た。執務を終えて疲れているタイミングに、こんな物を用意されれば気分も下がる。
それにしても、なぜ急に手紙など……。
どの様な理由があるのか考えてみたところで、手紙の内容が全く想像出来ない。仕方なく、手紙を確認する事にした。ディアナ・ヘンリットとの婚約は解消するつもりなのだ。内容によっては、もしかすると婚約解消に役立つかもしれない。
封筒を手に取ると、ジャラっと金属のぶつかり合う音がした。中に何か入っているようだ。
封を開けて中身を出す。水晶が敷き詰められた細めのゴールドの指輪、5つの水晶が散りばめられたゴールドのブレスレット、ゴールドチェーンに滴型の水晶がついたネックレスが入っていた。
……なんだ、これは、と思ったものの、ひとまず、それらのアクセサリーをテーブルに置き、手紙に目を通す事にした。
-----------
親愛なるライオネル・オールディントン殿下
突然のお手紙で驚かれたことかと思います。捨てずに読んでくださって嬉しいわ。
さて、単刀直入に申し上げますが、私、ディアナ・ヘンリットが、ライオネル・オールディントン殿下の婚約者であった事実を消させて頂きます。
すでに、当時結ばれた婚約誓約書も回収させていただきました。
国王陛下をはじめ、王妃様や他の王子王女様方、私の父である宰相や私の家族、それからライオネル殿下の側近の方々や学園に通う貴族令嬢令息を含めた私を知る方々から、私、ディアナ・ヘンリットの記憶を消させて頂きました。この手紙をお読みになっている時点できっと、ライオネル殿下以外に私のことを覚えている人は居ないでしょう。
良かったですわね? 私の存在が消えたのですから、あなたの婚約者であった事実は存在しません。あなたがずっと嫌っていた私も、私との婚約も元からなかった事になりました。嬉しいですか?
これで、あなたが興味を持っているサラ・フーパー子爵令嬢をどこかの養子にして、正妃に迎えることはできますよ!
ライオネル殿下が私の想定通りの動きをしてくださったおかげで、私の計画が成功しました。感謝いたしますわ。
お礼として、最後に一つだけ教えてあげますわね。これは嘘偽りではございません。
サラ・フーパー子爵令嬢は、「魅了」を使っています。「魅了」の力で人々を虜にして、彼女の望み通りに人々を操っていますわ。ライオネル殿下が彼女を好きになったのは、「魅了」の力によってでしょうか? それとも、魅了など関係なく彼女を好きになったのかしら?
殿下はご自分の事に関して、他人に決められる事はお嫌いでしょう? ですから、あなたの恋心が魅了によって作られた偽物ではないと証明するための道具を同封させていただいたのです。
指輪、ブレスレット、ネックレスは、どれも「魅了無効」効果が付与されておりますわ。
これらは他国では魔道具と呼ばれているものですわ。「魔法」に詳しくないこの国の者が、その価値を正しく見出せるかどうかわかりませんが、プレゼントして差し上げますわ。それらのアクセサリーはつけるだけで、魅了を無効に出来ます。それをつけた状態で、ぜひサラ・フーパー子爵令嬢にお会いしてみてください。
もし、ライオネル殿下が、サラ・フーパー子爵令嬢が魅了を使っていたとしても問題ない、例え、能力によって作られた偽物の恋心でも良いというのであれば、アクセサリーは捨ててくださっても構いませんよ。
「魅了」に詳しい国の王族にとっては、喉から手が出るほど欲しいもの。大金をはたいても入手したい魔道具ですから、他国に売ればお金にもなりますわ。残念ながら「魅了」を知らない者からすれば、ただのゴミ同然にしか見えないですが。
調べればすぐにわかりますが、「魅了」によって、過去に滅んだ国もございますわ。
ライオネル殿下は、『魅了によって植え付けられた偽物の恋心』と『国を守る王子としての役目』のどちらを選ぶのでしょうか?
どちらを選ぶもライオネル殿下の自由ですわ。
でも、偽物の恋を選ぶのであれば、どうぞお幸せに。例え、その国が滅びようとも国王と王太子殿下が無能だったと他国に知れ渡るだけですわ。
私は今日を持って、この国とは関係なくなりますので、ライオネル殿下がどちらを選んでも、私はそれを邪魔する事はありませんので、ご心配なさらないでくださいね。もう二度とお会いすることもないでしょう。さようなら。
追伸: この手紙ですが、ライオネル殿下以外には、白紙の紙にしか見えませんので、ご注意を。
ディアナ・ヘンリット
------------
は? なんなんだ! このふざけた手紙はっ。
婚約がなくなった? 記憶を消す? 魅了だと?
ディアナ・ヘンリットは頭がおかしくなったのか?
まぁ、いい。この手紙だけで婚約を無くすことができそうだな。早速、ヘンリット公爵とディアナに婚約解消の話をしようと、従者を呼び出した。明日ヘンリット公爵家を訪ねることを連絡してもらうためだ。
従者が扉をノックして、部屋に入ってくる。
「明日、ヘンリット公爵家を訪ねる。先触れしておいてくれ。婚約の件だ」
「殿下、ヘンリット公爵家、ですか? 婚約の件とは? どういうことでしょうか?」
「ディアナ・ヘンリットは婚約者には相応しくないから、婚約を解消する事を伝えにいく」
「え?……」
従者はすごく困惑した表情を浮かべていた。
「恐れながら、殿下、ディアナ・ヘンリットとは、どなたでしょうか? ヘンリット家の分家の方ですか? 存じ上げない方ですが、婚約者候補か何かのお話でもあったのですか?」
「は? 何を言っている。国王陛下が俺が5歳の頃に決めた俺の婚約者のディアナ・ヘンリットの話だぞ? 宰相の娘のディアナだ」
「申し訳ございません。宰相様は、その方を養子にでも迎えられたのでしょうか? ただ、現在殿下には婚約者はいらっしゃいませんので、少しおかしな話ですが……あの、もしかして、どこかお身体の具合でも?」
「は?」
こいつは何を言ってるんだ?
話が全く通じない。冗談はいい加減にしろと言おうと思ったが、従者は困惑の表情を浮かべていた。
ディアナなどいない? 俺に婚約者がいない?
それではまるで、あの手紙に書いてあったことのようではないか!
まさか、と思いかけたところで気づいた。
もしかして、この従者はディアナに金で雇われたか、脅されたかなんかで、ディアナに記憶がないように演じさせられているのではないかと。そちらがそのつもりなら、それでも良い。
ディアナからの手紙を手に持ち、父上と母上のもとに向かう事にした。晩餐後の今の時間なら2人ともサロンにいると予測して。
普段忙しい2人は、晩餐後の時間をサロンでゆっくり過ごす事を習慣としている。俺たちが小さい頃は家族水入らずの時間だったが、今はそれぞれが忙しいため、夫婦の時間となっている。
「父上!」
「おぉ、ライオネルか。サロンに来るなんて久しぶりではないか」
「すみません、私の婚約の件でお話が」
「婚約? そうだな。そろそろお前も婚約者を決めなければならないな。学園で良い子は居たか?」
「は?」
思わず、言葉が出てしまった。従者だけでなく、父上もふざけているのか。段々とイライラしてきた。
「何をおっしゃってるんですか、父上! 私に婚約者はいるでしょう? 5歳の頃に父上が決めたじゃないですか!」
「いや、お前に婚約者は居ないぞ? 本来なら5歳で決めるが、お前が嫌がったから、今まで決めていなかっただろう?」
そんなはずはない!
父上は揶揄っている様子もなく真面目に答えている。どういうことだ? 俺は夢でも見てるのか?
いや、そんな訳がない。それなら本当に記憶が改竄されている?
「そうだ! この手紙を読んでください」
手に持っていたディアナの手紙を父上に渡す。
「ライオネル、何をふざけておるのだ? ただの白紙の紙ではないか」
「そんなバカな!」
突き返された手紙を受け取って見てみると、しっかりと文字が書かれている。
「この文字が見えないのですか?!」
「文字? ただの白紙の便箋だろう?」
母上も覗きこんでいたが、父上と同じ様に首を傾げている。こちらも演技をしている様子はない。
まさか、ディアナの手紙は全て真実だというのか?
それとも、そんな者は今まで存在していなくて、全て私の妄想だったとでもいうのか……?!
もう頭がおかしくなりそうだ……。
このままでは話も進まない。一度整理すべきだと判断して、自室に戻ることにした。父上に婚約の件はまた今度話をしたいと伝えてサロンを後にした。
今まで婚約者からは手紙をもらったことなどなかった。なぜ従者はこれを手渡しせずに、わざわざ此処に置いたのだと、ため息が出た。執務を終えて疲れているタイミングに、こんな物を用意されれば気分も下がる。
それにしても、なぜ急に手紙など……。
どの様な理由があるのか考えてみたところで、手紙の内容が全く想像出来ない。仕方なく、手紙を確認する事にした。ディアナ・ヘンリットとの婚約は解消するつもりなのだ。内容によっては、もしかすると婚約解消に役立つかもしれない。
封筒を手に取ると、ジャラっと金属のぶつかり合う音がした。中に何か入っているようだ。
封を開けて中身を出す。水晶が敷き詰められた細めのゴールドの指輪、5つの水晶が散りばめられたゴールドのブレスレット、ゴールドチェーンに滴型の水晶がついたネックレスが入っていた。
……なんだ、これは、と思ったものの、ひとまず、それらのアクセサリーをテーブルに置き、手紙に目を通す事にした。
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親愛なるライオネル・オールディントン殿下
突然のお手紙で驚かれたことかと思います。捨てずに読んでくださって嬉しいわ。
さて、単刀直入に申し上げますが、私、ディアナ・ヘンリットが、ライオネル・オールディントン殿下の婚約者であった事実を消させて頂きます。
すでに、当時結ばれた婚約誓約書も回収させていただきました。
国王陛下をはじめ、王妃様や他の王子王女様方、私の父である宰相や私の家族、それからライオネル殿下の側近の方々や学園に通う貴族令嬢令息を含めた私を知る方々から、私、ディアナ・ヘンリットの記憶を消させて頂きました。この手紙をお読みになっている時点できっと、ライオネル殿下以外に私のことを覚えている人は居ないでしょう。
良かったですわね? 私の存在が消えたのですから、あなたの婚約者であった事実は存在しません。あなたがずっと嫌っていた私も、私との婚約も元からなかった事になりました。嬉しいですか?
これで、あなたが興味を持っているサラ・フーパー子爵令嬢をどこかの養子にして、正妃に迎えることはできますよ!
ライオネル殿下が私の想定通りの動きをしてくださったおかげで、私の計画が成功しました。感謝いたしますわ。
お礼として、最後に一つだけ教えてあげますわね。これは嘘偽りではございません。
サラ・フーパー子爵令嬢は、「魅了」を使っています。「魅了」の力で人々を虜にして、彼女の望み通りに人々を操っていますわ。ライオネル殿下が彼女を好きになったのは、「魅了」の力によってでしょうか? それとも、魅了など関係なく彼女を好きになったのかしら?
殿下はご自分の事に関して、他人に決められる事はお嫌いでしょう? ですから、あなたの恋心が魅了によって作られた偽物ではないと証明するための道具を同封させていただいたのです。
指輪、ブレスレット、ネックレスは、どれも「魅了無効」効果が付与されておりますわ。
これらは他国では魔道具と呼ばれているものですわ。「魔法」に詳しくないこの国の者が、その価値を正しく見出せるかどうかわかりませんが、プレゼントして差し上げますわ。それらのアクセサリーはつけるだけで、魅了を無効に出来ます。それをつけた状態で、ぜひサラ・フーパー子爵令嬢にお会いしてみてください。
もし、ライオネル殿下が、サラ・フーパー子爵令嬢が魅了を使っていたとしても問題ない、例え、能力によって作られた偽物の恋心でも良いというのであれば、アクセサリーは捨ててくださっても構いませんよ。
「魅了」に詳しい国の王族にとっては、喉から手が出るほど欲しいもの。大金をはたいても入手したい魔道具ですから、他国に売ればお金にもなりますわ。残念ながら「魅了」を知らない者からすれば、ただのゴミ同然にしか見えないですが。
調べればすぐにわかりますが、「魅了」によって、過去に滅んだ国もございますわ。
ライオネル殿下は、『魅了によって植え付けられた偽物の恋心』と『国を守る王子としての役目』のどちらを選ぶのでしょうか?
どちらを選ぶもライオネル殿下の自由ですわ。
でも、偽物の恋を選ぶのであれば、どうぞお幸せに。例え、その国が滅びようとも国王と王太子殿下が無能だったと他国に知れ渡るだけですわ。
私は今日を持って、この国とは関係なくなりますので、ライオネル殿下がどちらを選んでも、私はそれを邪魔する事はありませんので、ご心配なさらないでくださいね。もう二度とお会いすることもないでしょう。さようなら。
追伸: この手紙ですが、ライオネル殿下以外には、白紙の紙にしか見えませんので、ご注意を。
ディアナ・ヘンリット
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は? なんなんだ! このふざけた手紙はっ。
婚約がなくなった? 記憶を消す? 魅了だと?
ディアナ・ヘンリットは頭がおかしくなったのか?
まぁ、いい。この手紙だけで婚約を無くすことができそうだな。早速、ヘンリット公爵とディアナに婚約解消の話をしようと、従者を呼び出した。明日ヘンリット公爵家を訪ねることを連絡してもらうためだ。
従者が扉をノックして、部屋に入ってくる。
「明日、ヘンリット公爵家を訪ねる。先触れしておいてくれ。婚約の件だ」
「殿下、ヘンリット公爵家、ですか? 婚約の件とは? どういうことでしょうか?」
「ディアナ・ヘンリットは婚約者には相応しくないから、婚約を解消する事を伝えにいく」
「え?……」
従者はすごく困惑した表情を浮かべていた。
「恐れながら、殿下、ディアナ・ヘンリットとは、どなたでしょうか? ヘンリット家の分家の方ですか? 存じ上げない方ですが、婚約者候補か何かのお話でもあったのですか?」
「は? 何を言っている。国王陛下が俺が5歳の頃に決めた俺の婚約者のディアナ・ヘンリットの話だぞ? 宰相の娘のディアナだ」
「申し訳ございません。宰相様は、その方を養子にでも迎えられたのでしょうか? ただ、現在殿下には婚約者はいらっしゃいませんので、少しおかしな話ですが……あの、もしかして、どこかお身体の具合でも?」
「は?」
こいつは何を言ってるんだ?
話が全く通じない。冗談はいい加減にしろと言おうと思ったが、従者は困惑の表情を浮かべていた。
ディアナなどいない? 俺に婚約者がいない?
それではまるで、あの手紙に書いてあったことのようではないか!
まさか、と思いかけたところで気づいた。
もしかして、この従者はディアナに金で雇われたか、脅されたかなんかで、ディアナに記憶がないように演じさせられているのではないかと。そちらがそのつもりなら、それでも良い。
ディアナからの手紙を手に持ち、父上と母上のもとに向かう事にした。晩餐後の今の時間なら2人ともサロンにいると予測して。
普段忙しい2人は、晩餐後の時間をサロンでゆっくり過ごす事を習慣としている。俺たちが小さい頃は家族水入らずの時間だったが、今はそれぞれが忙しいため、夫婦の時間となっている。
「父上!」
「おぉ、ライオネルか。サロンに来るなんて久しぶりではないか」
「すみません、私の婚約の件でお話が」
「婚約? そうだな。そろそろお前も婚約者を決めなければならないな。学園で良い子は居たか?」
「は?」
思わず、言葉が出てしまった。従者だけでなく、父上もふざけているのか。段々とイライラしてきた。
「何をおっしゃってるんですか、父上! 私に婚約者はいるでしょう? 5歳の頃に父上が決めたじゃないですか!」
「いや、お前に婚約者は居ないぞ? 本来なら5歳で決めるが、お前が嫌がったから、今まで決めていなかっただろう?」
そんなはずはない!
父上は揶揄っている様子もなく真面目に答えている。どういうことだ? 俺は夢でも見てるのか?
いや、そんな訳がない。それなら本当に記憶が改竄されている?
「そうだ! この手紙を読んでください」
手に持っていたディアナの手紙を父上に渡す。
「ライオネル、何をふざけておるのだ? ただの白紙の紙ではないか」
「そんなバカな!」
突き返された手紙を受け取って見てみると、しっかりと文字が書かれている。
「この文字が見えないのですか?!」
「文字? ただの白紙の便箋だろう?」
母上も覗きこんでいたが、父上と同じ様に首を傾げている。こちらも演技をしている様子はない。
まさか、ディアナの手紙は全て真実だというのか?
それとも、そんな者は今まで存在していなくて、全て私の妄想だったとでもいうのか……?!
もう頭がおかしくなりそうだ……。
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