餅太郎の恐怖箱【一話完結 短編集】

010.屋敷の呪い

　深夜、町の外れにある古びた屋敷が、薄暗い月明かりに照らされていた。

　その屋敷には新しく越してきた一家が住むことになった。

　最初の数日間は平穏な日々が続いたが、ある夜、突如として異変が訪れた。

家の中で奇妙な音が響き渡り、幽霊らしき姿が見え隠れするようになった。壁が収縮し、床が揺れるといった異常な出来事が頻発したのだ。

　家族は怯え、屋敷の歴史を調査し始めた。すると、以前の住人たちが次々と不可解な死を遂げていたことがわかった。

　屋敷の地下には、かつて邪悪な儀式が行われていたという噂が広まっていた。地元の人々はこの場所を避け、忌み嫌っていた。

　しかし、新しい住人たちは噂を信じず、その地下へと足を踏み入れた。

　地下の部屋には、古びた書物と奇妙な記号が描かれた壁があった。彼らはその書物を読み解き、邪悪な力がこの家を支配していることを知った。

　突如として、部屋の扉が閉まり、彼らは閉じ込められてしまった。壁は生き物のように蠢き、彼らを締め付ける。

　絶望の中、彼らは古代の呪文を唱えることで、部屋を脱出する方法を見つけた。

　しかし、呪文を唱えると同時に、何者かが目の前に現れた。

　それはかつて地下で犠牲になった者たちの霊であり、復讐を果たすために襲いかかってきたのだった。

　急いで呪文を完成させ、彼らは地下の呪縛から逃れることができた。しかし、その出来事は彼らの心に深い傷を残し、屋敷は未だに闇の力に包まれたままであった。

　彼らは地下から脱出した後、屋敷の外へと逃げ出した。

　しかし、彼らはあまりにも恐ろしい出来事に遭遇し、心に深い傷を負っていた。

　その夜以降、家族は何度も悪夢にうなされ、屋敷の呪われた記憶が彼らを苦しめた。

　屋敷の出来事から数週間が経ったある日、町の長老が家族に話しかけてきた。彼は屋敷の歴史と、その場所に伝わる呪いについて語った。

　長老によれば、その呪いは古代の闇の力によって生み出され、誰もが逃れられない運命にあるとされていた。

　家族は呪いを解く方法を尋ねたが、長老は深いため息をついた。

　呪いは強力すぎて解くことは難しいと告げ、ただその場所を避けるように忠告した。

　家族は絶望に打ちひしがれたが、屋敷から遠く離れることを決意した。

　新しい場所で生活を始めた家族は、少しずつ過去の出来事を忘れ、幸せな日々を取り戻していった。

　しかし、屋敷の呪いは忘れ去られることはなかった。

　時折、彼らは夢の中で屋敷の中に取り込まれるような恐ろしい幻覚に見舞われ、過去の出来事が甦るのだった。

　結局、彼らは呪いから逃れることはできず、その恐ろしい記憶は家族の心に永遠に刻まれ続けた。

　彼らの話は町の人々に伝わり、誰もがその屋敷を遠ざけるようになった。

　闇の力が潜む場所として、その屋敷は人々の心に深い恐怖を植え付けたのだった。