セクサロイドは幼なじみに恋をする 〜近未来、人権のない「セックス人形」として生きる少年の初恋と青春〜 18禁SF要素ありBL小説 完結済

第２章 タケル

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　僕たちは成長段階に合わせて実践的な性教育を受けており、年齢の割には正しい知識を持っていたと思う。

　正しい知識というのは、たとえばペニスをヴァギナに挿入するときは充分に潤滑していないと女性を傷つけてしまうとか、それは肛門性交でも同じだが、直腸は膣と異なり体液を分泌しないので、ローションなどを使って潤滑させる必要があるとか、油脂はゴム製のコンドームを溶かすので、潤滑剤に油脂は使用してはいけないといったことである。

「外の人々は性交をすると赤ちゃんができるのは知っていますね。しかし、彼らは赤ちゃんを作るためだけに性交をするわけではありません。むしろ、そのような明確な意図をもって行われる性交は、きわめて少数です。赤ちゃんができない同性間でも性交は行われるのです」

　性教育は校長先生が担当しており、教室の正面のスクリーンには、男女の生殖器官の解剖学的な絵図や画像が映し出されていた。

「なぜ人々は性交を行うのか。その理由は様々です。パートナーの愛情を確認するために行う場合もあれば、孤独の寂しさを紛らわすための手段である場合もあります。性交が精神的な充足をもたらす場合もあれば、娯楽である場合もあります」

　そこで彼女は一呼吸し、生徒たちを見まわした。

「ただひとつ言えるのは、外の人々にとって性交は非常に重要で、特別な意味を持つということです。皆さんはいずれ外で暮らすようになり、様々な場面で人々に奉仕することになると思います。人々のプライバシーに深く分け入ることもあるかと思います。ですから、このことは忘れないでください。外の人々にとって性交は、一緒に食事をしたり、おしゃべりをすることと同じではないのです」

　ホームにおける基礎教育は、六年間の初等科と四年間の中等科からなっている。
　中等科一年目のときの性についての授業は、そんな感じだった。