性奴隷に堕ちた小姓は『針の檻』に囚われて 〜若君に寵愛される小姓に、藩主の魔の手が迫る〜 【小姓残酷物語 II】完結

丸井マロ

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第1章 蜜の罠

4.告白(2)

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「知らなかった……針が体内に残されていたとは。私はただ……彼を独房に運び……虫の息だったが……」

言いながら、佐々木は全身の皮膚がぞっと粟立つのを感じた。

「殿は、楽しんでおられたのだ。最高傑作の玩具の最後の仕上げとしてな。わしは『不慮の事故』だと記録に残した」

酒のせいで涙もろくなった医師はすすり泣き、佐々木はその肩に手を置いた。

数年前、実千代が責め苦を味わわされている姿を、初めて目の当たりにして動揺する佐々木に、医師は情けをかけるなと忠告したが、今、その立場は逆転していた。

「先生、この話は、私以外には決して……」

「ああ、分かっておる。言えば、わしとて、あの者と同じ運命だ」

二人は二十三本の針の重さを、沈黙の中で共有した。

やがて、医師が静寂を破った。
「そして、今日も、まただ」

「今日も、また?」
佐々木は問い返す。

「ああ……間に合わなかった。今朝、呼ばれて行ったが、手遅れだった。まだ十五になるかならぬかの陰子だ」

陰子とは、芝居小屋で春をひさぐ少年を指す言葉で、役者として活躍する少年は舞台子と呼ばれて区別されていた。

医師は先を続けた。
「体内で針が腐食し、膿をもって腫れ上がっていた。高熱と激痛に苦しみ抜いた末に絶命した」

「それで、針は何本出てきたのですか?」
佐々木は眉をひそめた。

「三十八本だ、佐々木殿。三十八本。実千代の時から十五本も増えておる」

医師は冷たい声で打ち明け、さらに、針がより深く、広範囲に仕掛けられ、苦痛を最大化するよう手口がより巧妙化していることを語った。

あまりの衝撃に、佐々木は言葉を失った。

「佐々木殿、これは悪いほうに進歩しておる。殿と藤田は、この残酷な遊びを極めようとしておるのだ。この『針の檻』の限界を試している。より多大な苦痛を与えるための最適な本数や部位をな……」

「……何故、そこまで。ただ鞭打ち、蝋燭で焼き、嬲り殺すだけでは、もう飽き足らぬと?」
佐々木は怒りを噛み殺した。

「あの者たちにとって、苦痛と恐怖こそが最高の娯楽なのだ。そして、あの針は、まさに快楽を罰し、生きているだけで絶え間のない激痛を与え続ける、究極の拷問装置なのだ」

「先生、このままでは、次の犠牲者が出ましょう」

佐々木は言いながら、その言葉が現実となるであろうことを、薄ら寒い思いで確信した。

「そうだ」医師はうなずく。「殿の目は、すでに次の獲物を見定めておる。若様の新しい小姓だ。実千代殿によく似た、あの竹丸という若衆に」

佐々木の脳裏に、澄長に付き従う竹丸の無邪気な笑顔が浮かんだ。

初めて見たとき、そこにある見まごうことのない実千代の面影に、佐々木の胸も強く揺さぶられた。

「若様は、竹丸殿に心を許しておられる。殿の手に落ちれば、あの三十八本の針など、比較にならぬほど苛烈な仕打ちを受けるかもしれぬ」

医師は述べると、うなだれて黙り込んだ。

重苦しい沈黙が落ちた。

虎長の影は、竹丸に向かってゆっくりと伸び始めている。

佐々木が立ち向かうには、それはあまりに巨大な闇だった。

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