性奴隷に堕ちた小姓は『針の檻』に囚われて 〜若君に寵愛される小姓に、藩主の魔の手が迫る〜 【小姓残酷物語 II】完結

丸井マロ

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第3章 堕ちる太陽

8.堕ちる太陽(1)

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竹丸は、心も体も擦り切れていた。

澄長との甘い蜜月は、遠い過去の幻のように消え失せ、夜ごとの寝所への呼び出しは、耐えがたい義務と化していた。

夜、澄長の寝所へ向かう足取りは重く、近付くにつれて胸が苦しくなる。

襖を開け、主の姿を見ると、愛しさよりも先に恐怖で身がすくむ。

澄長もまた、竹丸の体がこわばるのを感じているはずだ。

しかし、それを打ち消すかのように、なにかに憑かれたような焦燥感で竹丸を強引に掻き抱く。

竹丸は目を固く閉じ、心を殺す。

──若様が御満足なされば終わる。それまでの辛抱だ……。

それはもはや愛を確かめ合うための行為ではなく、互いの傷を舐め合い、抉り合う儀式だった。

竹丸は自室に戻ると、堪えていた涙が堰を切ったように溢れ出る。

敬愛する、我が命よりも大事な若様。

あのような悲痛な顔で我が身をお抱きになる若様を苦しめているのは、ほかならぬ自分自身だ。

汚れた体で若様の側にいること、若様を裏切っていることへの罰なのだ。

いっそ腹を切って詫びれば楽になれる、すべて終わらせてしまいたいと思うことが増え、いっぽうで、それこそが若様への最大の裏切りであるという自覚もあり、竹丸の心はその対極を行き来していた。


小姓の勤務は組当番制で、数人が一組となり、一日のうちに複数の組が交代で役目にあたる。

その日、正午を回り、交代の時刻が来た。

竹丸は役目を終え、用を足そうと厠へ向かった。

廊下の角を曲がったところで、小姓の一人が待ち構えていた。

彼は名を片倉万千代といい、父親は虎長の馬廻だ。

「竹丸殿、藤田殿が呼んでおる。こっちだ」
万千代は低い声で告げ、顎で奥をしゃくった。

「万千代殿……そなた、まさか……」
そう訊ねる竹丸の声は震えた。

万千代は目を逸らし、小声で早口に言う。
「悪いな。逆らえばわしの立場が危うい。早う行こう」

竹丸は息を呑んだ。
ここ二の丸は、澄長の治める領分ではなかったのか。

しかし、現実は、藤田の手が小姓衆の中にまで伸びていたのだ。

逃げ場など、最初からどこにもなかった。

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