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第4章 散り椿
8.捕縛
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二の丸は、静まり返っていた。
澄長が不在の中、竹丸の部屋には弥三郎たちが詰めていたが、そこへ藤田が十名余の馬廻衆を引き連れて現れた。
「織部竹丸に、謀叛の嫌疑がかかった。身柄を拘束し、本丸にて取り調べる!」
藤田は虎長の御内書を高々と掲げた。
弥三郎たちは色めき立ち、清太郎は床の間にある太刀をすぐに掴める距離に移動する。
「ばかな。若様のご不在時に、かような無法が通ると思うか!」
「ご上意である」
藤田は冷ややかに言った。
「これは殿ご直筆の黒印状。逆らえば、そのほうらだけでなく、若様も謀叛の疑いで断罪されることになるぞ。それでも良いのか?」
弥三郎は唇を噛み締め、手のひらに爪がくいこむほど拳を握りしめた。
ここで刀を抜けば、澄長を逆賊にしてしまう。
主が帰還し、四方田家と共に動くまで、今は耐えるしかなかった。
「……通せ」
弥三郎の断腸の思いの決断により、道が開けられた。
竹丸は、褥から引きずり出され、白い寝衣の上に縄を打たれ、本丸へと連れ去られた。
澄長が不在の中、竹丸の部屋には弥三郎たちが詰めていたが、そこへ藤田が十名余の馬廻衆を引き連れて現れた。
「織部竹丸に、謀叛の嫌疑がかかった。身柄を拘束し、本丸にて取り調べる!」
藤田は虎長の御内書を高々と掲げた。
弥三郎たちは色めき立ち、清太郎は床の間にある太刀をすぐに掴める距離に移動する。
「ばかな。若様のご不在時に、かような無法が通ると思うか!」
「ご上意である」
藤田は冷ややかに言った。
「これは殿ご直筆の黒印状。逆らえば、そのほうらだけでなく、若様も謀叛の疑いで断罪されることになるぞ。それでも良いのか?」
弥三郎は唇を噛み締め、手のひらに爪がくいこむほど拳を握りしめた。
ここで刀を抜けば、澄長を逆賊にしてしまう。
主が帰還し、四方田家と共に動くまで、今は耐えるしかなかった。
「……通せ」
弥三郎の断腸の思いの決断により、道が開けられた。
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