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俺と彼氏と彼氏の特別に大切なヒトとその彼氏で遊園地に行った話
Ticket
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「え。折角の遊園地デートなら、俺は真琴さんと二人がよかったんですけど」
美人な年上の恋人から遊園地デートに誘われて、嬉しくない高校生なんていないだろう。
だけど上機嫌でもちろん行きます、と返事をしたあと幼馴染とその恋人も来るから、って言い出すなんて誰が予想するだろうか。
「だってさーチケットコータの親父さんから貰ったんだよ。恋人誘ってWデートでもすればって四人分」
「じゃあニ人分ずつ分ければよくないですか? 向こうは向こう。俺らは俺ら」
向こうもカップルなんだから、それでいいでしょ。
「えー、なんで? たまには四人で行ってみるのも面白いと思うよ。タスク、夏樹とあんまり話したこともないし、いい機会だと思ったんだけど」
「確かに夏樹先輩とは挨拶くらいしかしないですけど……」
別に仲良くならなくてもいい、なんて言ったら真琴さんが悲しみそうだったから呑み込んだ。
「いや?」
そんな風に訊かれてしまうと弱い。
「……嫌じゃないです」
俺が渋々答えると、真琴さんは満面の笑みを浮かべた。
「んじゃよかった!遊園地のアプリ内にグループ作ったからタスクも招待するね。ラインに送るよ。チケットはグループ内で共有できるから、グループ入ったら確認しておいて」
最新のチケットシステムについて説明される。いやもう遊園地のアプリ内にグループ作ってるじゃん。真琴さんのスマホの画面から確認したところ、メンバーは3人いてコータ先輩とその彼氏……夏樹先輩。同じ部活の先輩なのに大人しすぎて名前覚えるのも苦労した。真琴さんが名前で呼んでるから覚えたけど、正直今名字はすぐに思い出せない。
コータ先輩と夏樹先輩が並んで歩いているのは見たことあるけど、二人は全然似合ってなかった。コータ先輩のキラキラと夏樹先輩の地味さは遠くから見ると、恋人になんか勿論ぜんっぜん見えないし、友達にすら見えない。大変失礼だけど下手するとコータ先輩のパシリに見える。
「ね。タスクも早くグループ入ってよ。ライン開けて? 見て見て。夏樹のアイコンってばめっちゃ可愛いんだよ」
そう言ってふふ、と笑いながら俺のスマホを綺麗な指先でツンツンしている。綺麗なすらっとした指先に魅入られるように俺はスマホを操作した。その遊園地が大好きな真琴さんはもうすでにウキウキしているみたいでとっても可愛い。あーあ。二人で行きたかったな。
そして真琴さんが俺のスマホを覗き込んでくると、距離が近くなっていい匂いがした。
そんな真琴さんは幼馴染のコータさんが並ぶと、認めたくはないけれど本当にお似合いに見えてしまうのだ。本当の恋人である夏樹先輩はコータ先輩のパシリに見えちゃうのに。
学校の女子達が密かに『コタマコ』なんて呼んで、二人が並んでるのを見てキャーキャー言っているのを知っている。俺の真琴さんなんだよ!と叫びたい気持ちをぐっと抑えて、もし俺が同じ学年で真琴さんのそばにいつもいたら『タスマコ』になれるくらいは似合っているはずだと考えることで心を落ち着けている。語呂は悪いけど。
でも夏樹先輩は俺と違ってクラスも一緒だから、いつも二人と一緒にいるのに。みんな夏樹先輩は視界にでも入っていないように『コタマコ』だと騒いでいる。
真琴さんからは、コータ先輩はかなり夏樹先輩に夢中だと聞くけれど、俺にはとてもそうには見えない。
真琴さんが俺と付き合ってるからヤケクソで付き合ってるんじゃないの? 正直夏樹先輩、言うことなんでも聞いてくれそうに見えるし。
コータ先輩は真っ直ぐな人なので、そんなことしないと分かっていながらも、どうしても二人の釣り合わない雰囲気は、俺の心の中の疑念を晴らせずにいた。
美人な年上の恋人から遊園地デートに誘われて、嬉しくない高校生なんていないだろう。
だけど上機嫌でもちろん行きます、と返事をしたあと幼馴染とその恋人も来るから、って言い出すなんて誰が予想するだろうか。
「だってさーチケットコータの親父さんから貰ったんだよ。恋人誘ってWデートでもすればって四人分」
「じゃあニ人分ずつ分ければよくないですか? 向こうは向こう。俺らは俺ら」
向こうもカップルなんだから、それでいいでしょ。
「えー、なんで? たまには四人で行ってみるのも面白いと思うよ。タスク、夏樹とあんまり話したこともないし、いい機会だと思ったんだけど」
「確かに夏樹先輩とは挨拶くらいしかしないですけど……」
別に仲良くならなくてもいい、なんて言ったら真琴さんが悲しみそうだったから呑み込んだ。
「いや?」
そんな風に訊かれてしまうと弱い。
「……嫌じゃないです」
俺が渋々答えると、真琴さんは満面の笑みを浮かべた。
「んじゃよかった!遊園地のアプリ内にグループ作ったからタスクも招待するね。ラインに送るよ。チケットはグループ内で共有できるから、グループ入ったら確認しておいて」
最新のチケットシステムについて説明される。いやもう遊園地のアプリ内にグループ作ってるじゃん。真琴さんのスマホの画面から確認したところ、メンバーは3人いてコータ先輩とその彼氏……夏樹先輩。同じ部活の先輩なのに大人しすぎて名前覚えるのも苦労した。真琴さんが名前で呼んでるから覚えたけど、正直今名字はすぐに思い出せない。
コータ先輩と夏樹先輩が並んで歩いているのは見たことあるけど、二人は全然似合ってなかった。コータ先輩のキラキラと夏樹先輩の地味さは遠くから見ると、恋人になんか勿論ぜんっぜん見えないし、友達にすら見えない。大変失礼だけど下手するとコータ先輩のパシリに見える。
「ね。タスクも早くグループ入ってよ。ライン開けて? 見て見て。夏樹のアイコンってばめっちゃ可愛いんだよ」
そう言ってふふ、と笑いながら俺のスマホを綺麗な指先でツンツンしている。綺麗なすらっとした指先に魅入られるように俺はスマホを操作した。その遊園地が大好きな真琴さんはもうすでにウキウキしているみたいでとっても可愛い。あーあ。二人で行きたかったな。
そして真琴さんが俺のスマホを覗き込んでくると、距離が近くなっていい匂いがした。
そんな真琴さんは幼馴染のコータさんが並ぶと、認めたくはないけれど本当にお似合いに見えてしまうのだ。本当の恋人である夏樹先輩はコータ先輩のパシリに見えちゃうのに。
学校の女子達が密かに『コタマコ』なんて呼んで、二人が並んでるのを見てキャーキャー言っているのを知っている。俺の真琴さんなんだよ!と叫びたい気持ちをぐっと抑えて、もし俺が同じ学年で真琴さんのそばにいつもいたら『タスマコ』になれるくらいは似合っているはずだと考えることで心を落ち着けている。語呂は悪いけど。
でも夏樹先輩は俺と違ってクラスも一緒だから、いつも二人と一緒にいるのに。みんな夏樹先輩は視界にでも入っていないように『コタマコ』だと騒いでいる。
真琴さんからは、コータ先輩はかなり夏樹先輩に夢中だと聞くけれど、俺にはとてもそうには見えない。
真琴さんが俺と付き合ってるからヤケクソで付き合ってるんじゃないの? 正直夏樹先輩、言うことなんでも聞いてくれそうに見えるし。
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