3 / 3
final
しおりを挟む
二人がたどり着いたのは、春が2番目に好きなケツァルコアトルスの模型があるエリアでした。
「まさか、こいつも動いたりしないよな」
「あなた、少し休ませて」
「ああ、そうだな。それにしてもさっきの何だった・・・・・」
ドシン
「まさか・・・・」
あらたは恐る恐る後ろを振り返りました。
すると、今度はケツァルコアトルスの模型がゆっくりと台座から移動をし始めたではありませんか。
「こいつもか!いつの間にこんなすごい場所になったんだここは」
ただ少し様子が変です。
「どうした、何か探しているのか?」
あらたの言う通り、何やらキョロキョロしています。
スンスンスンスン
「匂いを嗅いでいるのか?」
スンスン!!
ケツァルコアトルスが急に二人のいる方向に顔を向けてきました。
そして、次の瞬間
こちらの方に移動してきます!
「なんでこっちに来るんだ!!」
二人はエリアの出口に急いで向かいます。
「なつみこっちだ!!」
ガチャン
あらたがエリアの扉を閉めたことで、二人は何とか逃げ切ることが出来たようです。
そして、いつの間にか二人はエントランスまで戻ってきていました。
「大丈夫か? なつみ」
「ええ、大丈夫よ」
「?」
「どうした? えっ!」
二人の足元に巨大な鳥のような影が現れました。
しかも、その影の大きさがだんだん小さくなっていきます。
「今度は何が来るんだ」
ドーーーン
館内にものすごい音が響き渡ります。
そして二人の前に姿を現したのは、クリオドラゴンでした。
「またか、もう3度目だぞ。 やめてくれ」
クリオドラゴンは口を大きく開け、二人の方に向かってきます。
「あなた、危ない!」
「こっちに来るな! なつみは俺が守る」
「アハハハハハ、大丈夫だよ。食べたりしないから」
驚くべきことにクリオドラゴンが喋り始めました。
「あ~楽しかった!! 空を飛ぶの!」
「・・・・・・・・・」
二人はあまりの驚きに言葉が出ません。
「このかっこのままじゃ、怖いよね。 今から出るよ」
すると、クリオドラゴンから人の形をした光が出てきました。
光の大きさは小学生くらいでしょうか。
そして、
「驚かしてごめんね。パパ、ママ」
「パパ、ママ? もしかして、 春?なのか」
「うん、そうだよ」
光が徐々に薄くなっていき、春君が姿を現しました。
「春・・・・春!!」
「本当に春なんだな・・・・・
なんであんなことに・・・・・・」
二人は春に駆け寄ります。
「ごめんね、ママの言うことを聞かないでこんなことになっちゃって」
「ううん、私が春についていけば・・・・ ごめんね」
「ママ、僕は大丈夫」
春君の体が再び光始めます。
「あ! そろそろ時間だ」
「春、どこに行くの?」
「僕ね、今から恐竜の世界に行くんだ!!」
「だから、僕のことはもう心配いらないよ!
パパ、ママ 今までありがとう
僕ねパパとママの子供に生まれてきてすっごく楽しかったよ」
春君は最後にとびきりの笑顔を見せて、たくさんの小さな光の粒となって空へと飛んでいきました。
「今のは・・・・夢でも見てたの・・・・・」
「春は、最後に会いに来てくれたんだと思うよ。
少し早い旅に出る前にね」
「なつみ、俺のネクタイどこか知らない?」
「そこの椅子に掛けてあるでしょ、まったく」
「今日から私も仕事に復帰するんだから、ちゃんとしてよね!」
「ごめん、じゃあ先に行くから。行ってきます」
「行ってらっしゃい!」
なつみは机の上に飾ってあるプテラノドンの折り紙を少し眺め
そして、その折り紙に向かって
「よし、私も準備完了!
じゃあ行ってきます!!」
おしまい
「まさか、こいつも動いたりしないよな」
「あなた、少し休ませて」
「ああ、そうだな。それにしてもさっきの何だった・・・・・」
ドシン
「まさか・・・・」
あらたは恐る恐る後ろを振り返りました。
すると、今度はケツァルコアトルスの模型がゆっくりと台座から移動をし始めたではありませんか。
「こいつもか!いつの間にこんなすごい場所になったんだここは」
ただ少し様子が変です。
「どうした、何か探しているのか?」
あらたの言う通り、何やらキョロキョロしています。
スンスンスンスン
「匂いを嗅いでいるのか?」
スンスン!!
ケツァルコアトルスが急に二人のいる方向に顔を向けてきました。
そして、次の瞬間
こちらの方に移動してきます!
「なんでこっちに来るんだ!!」
二人はエリアの出口に急いで向かいます。
「なつみこっちだ!!」
ガチャン
あらたがエリアの扉を閉めたことで、二人は何とか逃げ切ることが出来たようです。
そして、いつの間にか二人はエントランスまで戻ってきていました。
「大丈夫か? なつみ」
「ええ、大丈夫よ」
「?」
「どうした? えっ!」
二人の足元に巨大な鳥のような影が現れました。
しかも、その影の大きさがだんだん小さくなっていきます。
「今度は何が来るんだ」
ドーーーン
館内にものすごい音が響き渡ります。
そして二人の前に姿を現したのは、クリオドラゴンでした。
「またか、もう3度目だぞ。 やめてくれ」
クリオドラゴンは口を大きく開け、二人の方に向かってきます。
「あなた、危ない!」
「こっちに来るな! なつみは俺が守る」
「アハハハハハ、大丈夫だよ。食べたりしないから」
驚くべきことにクリオドラゴンが喋り始めました。
「あ~楽しかった!! 空を飛ぶの!」
「・・・・・・・・・」
二人はあまりの驚きに言葉が出ません。
「このかっこのままじゃ、怖いよね。 今から出るよ」
すると、クリオドラゴンから人の形をした光が出てきました。
光の大きさは小学生くらいでしょうか。
そして、
「驚かしてごめんね。パパ、ママ」
「パパ、ママ? もしかして、 春?なのか」
「うん、そうだよ」
光が徐々に薄くなっていき、春君が姿を現しました。
「春・・・・春!!」
「本当に春なんだな・・・・・
なんであんなことに・・・・・・」
二人は春に駆け寄ります。
「ごめんね、ママの言うことを聞かないでこんなことになっちゃって」
「ううん、私が春についていけば・・・・ ごめんね」
「ママ、僕は大丈夫」
春君の体が再び光始めます。
「あ! そろそろ時間だ」
「春、どこに行くの?」
「僕ね、今から恐竜の世界に行くんだ!!」
「だから、僕のことはもう心配いらないよ!
パパ、ママ 今までありがとう
僕ねパパとママの子供に生まれてきてすっごく楽しかったよ」
春君は最後にとびきりの笑顔を見せて、たくさんの小さな光の粒となって空へと飛んでいきました。
「今のは・・・・夢でも見てたの・・・・・」
「春は、最後に会いに来てくれたんだと思うよ。
少し早い旅に出る前にね」
「なつみ、俺のネクタイどこか知らない?」
「そこの椅子に掛けてあるでしょ、まったく」
「今日から私も仕事に復帰するんだから、ちゃんとしてよね!」
「ごめん、じゃあ先に行くから。行ってきます」
「行ってらっしゃい!」
なつみは机の上に飾ってあるプテラノドンの折り紙を少し眺め
そして、その折り紙に向かって
「よし、私も準備完了!
じゃあ行ってきます!!」
おしまい
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
あなたへの恋心を消し去りました
鍋
恋愛
私には両親に決められた素敵な婚約者がいる。
私は彼のことが大好き。少し顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
だけど、彼には私の気持ちが重いみたい。
今、彼には憧れの人がいる。その人は大人びた雰囲気をもつ二つ上の先輩。
彼は心は自由でいたい言っていた。
その女性と話す時、私には見せない楽しそうな笑顔を向ける貴方を見て、胸が張り裂けそうになる。
友人たちは言う。お互いに干渉しない割り切った夫婦のほうが気が楽だって……。
だから私は彼が自由になれるように、魔女にこの激しい気持ちを封印してもらったの。
※このお話はハッピーエンドではありません。
※短いお話でサクサクと進めたいと思います。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
私のことを愛していなかった貴方へ
矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。
でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。
でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。
だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。
夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。
*設定はゆるいです。
あの素晴らしい愛をもう一度
仏白目
恋愛
伯爵夫人セレス・クリスティアーノは
33歳、愛する夫ジャレッド・クリスティアーノ伯爵との間には、可愛い子供が2人いる。
家同士のつながりで婚約した2人だが
婚約期間にはお互いに惹かれあい
好きだ!
私も大好き〜!
僕はもっと大好きだ!
私だって〜!
と人前でいちゃつく姿は有名であった
そんな情熱をもち結婚した2人は子宝にもめぐまれ爵位も継承し順風満帆であった
はず・・・
このお話は、作者の自分勝手な世界観でのフィクションです。
あしからず!
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる