【完結】幽霊彼女と後悔探しの旅

よーじろー

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二章

十二話

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 目を覚まし時間を確認すると、すでに九時を回っていた。
 カーテンを開け入ってくる日差しに目を細める。
 両手を広げ思い切り息を吸う。
 澄んだ空気が肺に送られ風船のように膨らむのが分かる。
「……っと、ここは」
 大雅はそう呟きながら床頭台に置かれた日記を確認する。
 大雅が日記をつけ始めてちょうど二年が経つ。
 最初は一日にやったことのみを羅列していただけだが、今はそこに自分なりの気持ちや反省も入れている。それを入念に確認するのが朝の日課である。
「……そうか。もう葬式は終わったんだな」
 日記に目をつけたまま呟く。
「おはよう。美波」
『おはよう……ございます。もうお母さん、仕事に行きましたよ』
 見なくても背後で頬を膨らませている美波の姿が目に浮かぶ。
「ごめん、ごめん。すぐに支度するから」
 美波の葬式が終わってから一週間が経過した。
 大雅は勤めていたアルバイトを全て辞め、美波の心残りを探すことに専念すると決めた。
 それを美波に告げた時。
『え⁉ 辞めちゃったんですか⁉ ……そう、なんですね。そんなに長くはかからないと思うので、何も辞めなくてもよかったと思いますけど……でも、まあ、迷惑かけちゃうといけないですからね。はい。それがいいですね。でも、終わったらまた仕事してください。いいですね?』
「うん。分かってるよ」
 てっきり反対されるかと思っていたが、意外にも美波は受け入れてくれた。
 その後に切なそうな表情を浮かべることが少し気にかかりはするが、今の大雅にとって美波は生きる生き甲斐そのもの。やれることは全てやるつもりであった。
 身なりを整えホテルを出る。
 美波の母、朱里と住む計画についてはとりあえず保留になっている。
 すぐに話を持ち出しては母を驚かせてしまう、という理由からだ。
 とりあえず一週間様子を見て、落ち着いてきた頃合いを見計らい切り出すことにした。
 
 ――一人娘を突然失った母親の悲しみが一週間やそこらで落ち着くとは思わないけど、こればかりは焦っても仕方ない。今はじっくり事を見極める段階だ。それに美波のお母さんの様子を見ているその間に、美波が心残りを思い出すことがあるかもしれない。
 
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