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三章
二十六話
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「久しぶりに来たけど、意外と広いのね。ちょっと疲れたわ」
「そうですね。結構歩きましたからね」
春豊が目の前のコーヒーに口をつけ一息つく。
今、大雅達は高校生の時に来た時と同じ喫茶店で休憩していた。
巨大な水槽を優雅に泳ぐジンベエザメ、小魚を美味しそうに食べるペンギン、調教師のお姉さんと一緒に泳ぎ宙に吊るされた輪っかを上手にくぐるイルカ。
変わったところと言えば、やや魚の種類が減ったくらいでその他は以前来た時と何ら変わっていなかった。
『やっぱりいつ来てもいいね、水族館は!』
興奮冷めやらぬ様子で大雅の背後で浮かぶ美波が言う。
「でも、何も分からなかったんでしょ?」
『……うーん、まあ、そうだけど……でも、こうやって追体験していくことでふとした瞬間に、点と点が線になって繋がることだってあるんだから! 意味ないことはないもんね! ねっ! そうでしょ! ねっ!』
「わ、分かった、分かったよ。僕が悪かった。……だから、そんな怒らないで。そして、さり気なく持っているフォークで僕の脇腹を地味に刺さないで。意外と痛いから」
「……ふふふ……」
後ろでテンションを上げて喜びながら圧をかける美波とそれにあたふたする大雅を春豊が微笑ましい表情で見る。
結果的に美波が何かを思い出すことはなく、新情報を得ることは出来なかったが、それでも大雅は満足していた。
――またひとつ美波と楽しい思い出を作ることが出来た。
美波は常時、大雅の手を引っ張っていた。
それに引かれるように大雅の体はあちらこちらに動かされ、ここ最近で体力的に一番の疲労を感じていたが、それでも大雅は自ら体を止めることはしなかった。止まってしまったら、もう二度と動き出せないような……そんな根拠のない感覚が体全体を支配したからである。
『…………あっ!』
「どうしたの?」
『そう言えば、あとひとつ水族館で行き忘れたところがあったんだ!』
時間がゆっくり流れる中、美波が突然甲高い声を上げる。
「そう? 全部回ったはずだけど……ね? 大雅君」
春豊が手元にあるパンフレットを確認し言う。
「はい。僕もそう思いますけど……」
『いや、絶対にまだ見てないところがあるの! だから、もう一回水族館見てくるね。すぐ戻ってくるから、二人はもう少しここで休んでて。じゃあ!』
そう言って、美波は大雅と春豊を喫茶店に置いたまま逃げるように行ってしまった。
「そうですね。結構歩きましたからね」
春豊が目の前のコーヒーに口をつけ一息つく。
今、大雅達は高校生の時に来た時と同じ喫茶店で休憩していた。
巨大な水槽を優雅に泳ぐジンベエザメ、小魚を美味しそうに食べるペンギン、調教師のお姉さんと一緒に泳ぎ宙に吊るされた輪っかを上手にくぐるイルカ。
変わったところと言えば、やや魚の種類が減ったくらいでその他は以前来た時と何ら変わっていなかった。
『やっぱりいつ来てもいいね、水族館は!』
興奮冷めやらぬ様子で大雅の背後で浮かぶ美波が言う。
「でも、何も分からなかったんでしょ?」
『……うーん、まあ、そうだけど……でも、こうやって追体験していくことでふとした瞬間に、点と点が線になって繋がることだってあるんだから! 意味ないことはないもんね! ねっ! そうでしょ! ねっ!』
「わ、分かった、分かったよ。僕が悪かった。……だから、そんな怒らないで。そして、さり気なく持っているフォークで僕の脇腹を地味に刺さないで。意外と痛いから」
「……ふふふ……」
後ろでテンションを上げて喜びながら圧をかける美波とそれにあたふたする大雅を春豊が微笑ましい表情で見る。
結果的に美波が何かを思い出すことはなく、新情報を得ることは出来なかったが、それでも大雅は満足していた。
――またひとつ美波と楽しい思い出を作ることが出来た。
美波は常時、大雅の手を引っ張っていた。
それに引かれるように大雅の体はあちらこちらに動かされ、ここ最近で体力的に一番の疲労を感じていたが、それでも大雅は自ら体を止めることはしなかった。止まってしまったら、もう二度と動き出せないような……そんな根拠のない感覚が体全体を支配したからである。
『…………あっ!』
「どうしたの?」
『そう言えば、あとひとつ水族館で行き忘れたところがあったんだ!』
時間がゆっくり流れる中、美波が突然甲高い声を上げる。
「そう? 全部回ったはずだけど……ね? 大雅君」
春豊が手元にあるパンフレットを確認し言う。
「はい。僕もそう思いますけど……」
『いや、絶対にまだ見てないところがあるの! だから、もう一回水族館見てくるね。すぐ戻ってくるから、二人はもう少しここで休んでて。じゃあ!』
そう言って、美波は大雅と春豊を喫茶店に置いたまま逃げるように行ってしまった。
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