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第3章 SEARED
9.危険な試作品
しおりを挟む「良かったの?二人っきりになんかしちゃってさーヤドク」
「ボクが二人にしたわけじゃない、アダムがボクらを追い出したんだろ?」
長官室での説教中、眠っていたはずのアダムが突然現れた。それだけでも驚きだが、アダムの背後にそびえる、あの巨大な黒い影。アダムの瞳が真っ赤に染まり、冷静さを失った獣のような殺気を放っていた。
「どうしちゃったんだろう、アダム……」
「……レパートが言ってたんだけど、烏っていうのは、とても危険なルーラーらしいの」
窓際でそわそわと落ち着かないミアナが、震える声でそう言った。そりゃそうだ、アダムの背後にいた、あの巨大烏は明らかに危険だった。ルーラーという存在を知らなければ、完全にボクらはビビリあがっていただろう。
「どんなふうに危険なんだ?ルーラーはシーレッドの武器なんじゃ……」
「うん、そうなんだけどね。烏っていうのは、ルーラーシステム最初の…試作品みたいなものらしいの。適合する者は誰もいなかった。適合できたとしても、みんな、その莫大な力を抑え込むことができず……」
「……仲間と敵の区別ができなくなった?」
「…噂。なんだけどね。だけど、あのルーラーが危険なことだけは確か。でも、アダムと共鳴してしまった以上、その事実は変えられない」
「つまり、アダムが自身の意思で、烏の力をコントロールできれば……」
「えぇ、シーレッド最強のルーラー使いの誕生ね」
「……な、なんか。よくわかんねぇけど。す、すげぇな!」
*
広々とした、殺風景な白い部屋。いかにも、というようなどデカイ肖像画と、高い天井から垂れ下がる薄布の遮光カーテン。アダムは大きく息を吸い、そして吐く。
「どうしたんだい?そんなに怒って」
「……俺はただ、お前と話がしたいだけだ」
「なら、その武器をしまおうか?危険すぎる」
そう言って、レパートはアダムの背後で息を荒がえる物体を顎で指した。
「その方が刺激があって楽しいだろ?」
「そうかな?僕は安全主義なんでね」
「そうだよな。気に入らない奴はみんな殺しちまうような臆病だもんな」
「……何が言いたい?」
「…なんで俺を殺そうとした?」
レパートは、これは驚いた、とばかりに目を丸くする。次に出てくる言葉など分かっていた。
「何故そんなことを?僕はあくまで、シー……」
「…シーレッドの長官だから?なんのアリバイにもなんねーよ」
レパートは、仕方ないとばかりに席を立つ。立ち上がり際に、手にしたのは……
「そういうの好きだぜ?」
「だと思ったよ」
レパートの手にした銃口が、アダムを捕らえる。指定範囲に入っていることを覚悟し、アダムは大きく息を吸う。
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