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第9章 ヤカロザ決戦
1.役立たず
しおりを挟む『何をやってる?』
『見ての通り、何もしてねぇけど?』
『もっと気合い入れてくんないかな?アダムはあんなに強いのに』
『オレだってやったよ』
『あれがお前の実力ってやつなら、この先のシーレッドは終わりだな』
『終わる?終わるはずがないだろ』
『何故そう言い切れる?』
『そりゃ、みんなが付いててくれ…』
『…いつまで付いててくれるかな?』
『………あいつらは裏切ったりしない』
『それはどうだろ、だって事実、君は既に誰かに捨てられてるじゃないか。愛と勘違いした、母親の束縛から』
『君は、束縛を愛と感じ、苦しみ、もがき、遂には捨てられた。覚えてる?あの日のことを、君はこう言われたんだ……』
「……役立たず…か…………」
扉を叩く軽い音がし、返事をすると、赤髪の少女が姿を現した。その光景を横目に見ながら、少女の手にある花瓶に目をやる。
「なにぃ~?もしかして、お見舞いとかぁ?嬉しいなぁ~」
「はぁ!?お、お前にお見舞いとか、あ、ありえないからな!」
頬を赤らめ、今にも花瓶を落としそうになるパラが、ブームはどこか懐かしく思う。
「大丈夫か?」
「ん?」
「怪我……痛むのか?」
「あー、大丈夫大丈夫。回復早いから!」
「そうか…」
「………ありがとな」
「べ、別に……」
少しだけ、先ほど見た夢を思い出す。
黒く細長いトグロを巻いた蛇が、舌舐めずりをしながら、こちらを睨んでいた。喋る蛇だった。
「ねぇ、オレらが持ってる、このルーラーってさ。一体何なわけ?」
「……詳しくは知らないが、セカンドアースが四年前のアリダン大火災を機に作り出した、とは聞いている」
「ふ~ん、パラはこいつと喋ったことある?」
「……あるな。一度だけ」
「え、どんな時!?」
「…………死にそうな時」
「どんなこと喋った?」
「死ぬな……それだけだ」
「死ぬな?随分と優しいんだな」
「お前も喋ったのか?どんなことを言ってた?」
蛇は、笑ってた。いや……あれは…
「泣いてた。たぶん、泣いてた。泣きながら、お前は弱いって言ってた」
「泣いてた?なんで泣くんだよ」
「…きっと、捨てられたんじゃないかな?」
「は?」
「いや、こっちの話。ところでさ、次の任務はいつなわけ?」
「はぁ!?お前、その体でまた…」
「…大丈夫だってぇ~!オレ、こう見えても、随分頑丈なんで!」
「ボロッボロにされてたがな?」
「大丈夫大丈夫!なんか、次はいける気がするんだぁ~!」
「何を根拠に言ってる?」
「オレの健康状態を根拠に言ってる!」
「馬鹿かお前」
「馬鹿ですけど、何か?」
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