セカンドアース

三角 帝

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第9章 ヤカロザ決戦

6.真偽の恐

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  上空で、二つの影が何度もぶつかり合い、火花を散らし、風を起こしあっていた。
  そんな様子を地上で見上げ、パラは風に揺れ視界に入った自身の赤色の髪を横目に見た。四年前、アリダン国を飲み込んだあの赤色に、パラは自分の髪を憎んだ。どんなに切ろうと伸びてくる髪を、毎度毎度短く刈り上げ、パラはそんな自分さえも憎く思えた。あの火事で、多くの人間が死んだ。両親も、友人も、何もかもを失ってしまった。

『やぁ、君はこんなところで何をしているんだい?』

  こんな戦後のような空気に全くもって合わない声が、あてもなく歩き続けるパラを止めた。

『僕について来なよ』

  彼はそんなことを言った。居場所のないパラを救い、少しづつ尊敬は憧れに、憧れはもっと深い感情に変わった。

「パラじゃないか、やってるかい?」
「ちょ、長官!」

  あの日と何ら変わりないレパートに、パラは張り詰めていた表情を一気に解いた。そのまま抱きついてしまうかもしれない、というぐらいに身体中の力が抜けるが、それも慌てて押し戻す。
  レパートは、ふと頭上の戦闘に目を細め、嬉しそうに笑った。そんなレパートの背後から、レブルブルーの白い団服がちらついた。

「長官!下がって……」

  アントを発動させようと身構えるよりも早く、レパートの右腕がはためいた。引き続いて、血液が弧を描き、その後を追って腕の切断面がこちらを向く。
  レパートは高く掲げた黒剣を鞘に戻し、何事もなかったかのようにパラに笑顔を向けた。

「…ん?なんだい?」
「いえ…なんでもないです……」
「でもまぁ、この子、酷いよね。背後を狙うなんて行儀が悪いなぁ」

  レパートは地面に転がり痛みにもがき苦しむ、レブルブルーの男を見下ろした。男のかぶっていた白の仮面を靴底で踏み潰す、男のうめき声と同時に仮面が割れ、今度はレパートの左腕が男の脳天目掛けて下された。

「ぐぁぁぁああああああ!!!」

  男の後頭部が粉砕し、残ったのは男の切断面だけだった。あまりのことにパラは両目を固くつぶり、恐怖とその他の感情の入り混じった目でレパートの笑みを見つめた。

「しょうがないよね…んじゃ!ここにいる邪魔な奴ら全員殺していっちゃおう!」

  レパートはそう言うと、何歩か前に歩み、パラを振り返った。

「僕について来なよ」

  いつもの如くその手を取ろうと一歩進む。

『弱い奴は……強くなれる』

  頭上で戦うある少年の声が、そんなことを言っていた。弱い奴は、本当に強くなれるのだろうか…今なら、それを試すことができるかもしれない。

「長官……ワタシ、やっぱりここの援護に回ります」
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