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最終章 セカンドアース
3.届かぬ想い
しおりを挟む意識が戻った頃、そこにあったのは冷たい空気と何かが消失したような、そんな重苦しい雰囲気だけだった。
ヤドクは体を起こし、腕の中のミアナを揺さぶってみる。反応は変わらず無だ。向かい側の壁に、先ほどまでそこにいたはずのフェルの血痕らしいのがこびりついていた。
「…あいつ……どこに…」
ヤドクは立ち上がると、その血痕を辿った。
その時だったー
螺旋階段が続く、その奥の空洞から雄叫びらしき奇声と、武器と武器とが擦れる、戦地下独特のあの音達が響いてきた。
「フェルだ…」
たった一人で戦っている。何故?あいつは…あいつはレブルブルーのはず…何故あいつはボク達を助ける?あいつの傷だって、きっと酷いに違いない。
「……ごめんね。ミアナ…君が足手まといになるわけじゃないんだけど…ちょっと、ここで待っててもらえるかな?」
ヤドクは、そっと背中のミアナを床に下ろす。彼女の整った白い表情に、不安になりそっと左胸に耳を押し当てた。怖いほどに安定したリズムに、ヤドクは安堵する。頬を汚す赤い傷にヤドクは指で触れ、込み上げる涙を堪えた。
「……ごめん…ごめんミアナ……守ってやれなくて…ごめん……」
後悔ばかりだ。
自分と力の差のあるアインを止めるために、ミアナはルーラーを解放した。解放の影響をうけ、彼女の精神は今、ルーラーの中へ取り込まれてしまっている。このままでは、彼女の人格はルーラーに乗っ取られ、彼女は人ではなくなってしまう。
ヤドクは震える手で、その唇に手を伸ばす。柔らかなその感触に、少しの期待と、少しの喜びと、多くの後悔を背負わせ、自身の唇とを重ねた。
「……ミアナ………………大好きだよ…」
これで最後だ。
ボクの片想いは、これで最後だ。
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