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最終章 セカンドアース
8.銀剣 シルバーソード
しおりを挟む純白の輝きをその身に纏った長剣は、つかに木の幹のような紋章と、その中央に剣を構える老人の姿が彫られてあった。年老いた老人は、重そうにその剣を握り、肩を落とし、大樹を見上げていた。
アクの攻撃は一撃一撃が重く、鋭く、素早かった。クロウの硬い翼が盾となり、槍となり、その剣を跳ね返す。
アクの動きに隙はない。攻撃をはねられ、体制を崩す動作さえなく、次のステップを踏み込む。もし、一発でもその攻撃で体制を崩したりしたら、長剣は間違いなくアダムの体を引き裂くであろう。
「クロウの力はこんなものじゃないはずだけどなぁ?君は本当にプロトが言うように、クロウを制御し、意思で操っているのかい?」
「……んなこと…知らねぇよ!!」
クロウの刃が、アクの長剣と微妙な角度で擦れあい、刃先同士が火の粉を散らす、アダムは一歩後方に跳ね、アクと距離を取ろうとするが、アクはその動作をまるで見計らっていたかのように、アダムに沿って前進する。
「本気…出してくれない?」
人をなめたようなその言葉遣いに、腹が立ち、クロウの速度をあげようと神経を研ぎ澄ます。クロウの中枢に触れ、激しく願う。心と体と、また別の何処かとか結合し、アダムの体を揺さぶった。めまいに襲われ、体がぐらつくが、目を閉じ、その事態を回避する。
「う、あぁぁぁあああああああ!!!」
クロウの刃が、アクの長剣と何度か甲高い叫び声を浴びせあい、翼の風で大きく飛ぶ、一度天井に待機し、息もつかぬまま再び壁を伝い床へと急降下する。真下のアクが長剣を構えるのを合図に、アダムは空中で一度急停止し、ホールの壁を垂直に駆ける。
「鬼ごっこかい?僕は好きだなぁそういうの」
アクが動き出したのを風が知らせ、それを肌で受け取る。クロウが体を抉るように、アダムに食らいつき、アダムの肩を撫でるように侵食する。
グキリとグロッキングな音がし、アダムの肩を引き裂き現れたクロウの翼が、その鋭利な羽の一本を、アダムの右目へと移動させる。
「ぐぁぁぁあああああ!!!!」
右目を抉ったその羽が、瞼を貫き更に奥へ奥へと侵入してくる。脳細胞の一部を破壊し、アダムの何かを破壊していく。
「……君……そんな状態でよく正気を保てるね…あぁ、もう正気じゃないか……」
「俺は正気だ……」
どくどくと、赤黒い液体が右目を伝う、そこから生えるように伸びる黒い羽が、アダムの脳内に直接語りかけようとする。
アダムは充血して、ほぼ使い物にならない目をそのままに、大きく息を吸い込んだ。
「クロウズディクラクション!!」
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