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番外編 セカンドアース日常
4.漢とは
しおりを挟むテーブルを囲み、互いの間にガラス瓶を置く、注がれた透明な液体を一気に飲み干し、満足満足もう帰ろう!の勢いでそのコップをテーブルに戻す。
「ちょっとヤドク~デートに来て早々そんな態度はNGだよ!はい、マイナス52点!」
「ええええ!ブームそれはちょっと評価厳しすぎるんじゃ…」
「いやいやあの鈍感箱入り娘系ゆるふあ女子ミアナには、そんな些細な態度でさえ『死ね、ゴミ』って言われたみたいに思うんだぞ~?」
「……そ、そんなに敏感だったのか…」
ヤドクは、コップを次はゆっくりと持ち上げてみせ、残った少量の水をちびちびと飲んだ。
「ダーメ!そんなんじゃ、男らしさをアピールできないよ!こういう時はこうやるんだ」
そう言うとブームは、カウンターの向こう側で熱心にコップを磨くバーテンダーに向かって手を挙げた。冷静かつ慣れた素振りであげられたその手を、ヤドクは謎の関心と、謎のリスペクト感を抱きながら見つめる。
「ヘイマスター、水」
バーテンダーは一瞬嫌そうに眉間にしわを寄せ、無言で水を注ぎに来る。
「ねぇねぇブーム…ここは水、とかじゃなくてカクテルとかそういう…」
「…分かってないなヤドク。オレ達は未成年だぞ」
「な、なんでブームは、そういう変なところで真面目なんだよ」
ブームは一度、上目遣いにこちらを伺い、見てろよ?とでもいう面を作り、適度な速度で口元にコップを運ぶ、その中の透明な液体が、傾きという逆らえない運命により、ブームの口内へと注がれていく。その全過程が見事なコントラストを描き、その場、その瞬間を絵のように映し出した。
「これが…漢だ」
「おおおおおお!!」
「何やってるの…?」
誰が、どんなタイミングで、どんなシチュエーションで聞いても分かる。冷ややかな声音。
「……やぁミアナこれは…」
「…今、ヤドクとデートしてるんだ~!オレたち!友達異常恋人以上だから!」
ヤドクはその日、全てが終わったと思ったー
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