16 / 46
第二話 因縁
掴めない雲
しおりを挟む
久しぶりに小栗組御鷹屋敷の宮井家に泊まった明くる朝、少し寝坊をした。
外がやたらと明るいことに気付いた宗次郎は、飛び起きて、鷹部屋で大鷹の様子を見ていた杢右衛門に挨拶を済ましてから、小日向に向かったのだが、久しぶりに〈とらや〉へ寄ろうと思いつき、小川を渡った。
休処と書かれた旗が初夏の風に揺れている。風に乗って聞こえたのは、おふみの声だった。
「あーっ、宮井さんだ!」
「おう、宗次郎。久しぶりだな」
とらやでは相変わらず、おふみが愛想を振りまいていて、そして変わらず半平太がさぼっていた。
「どうしていたんだ。鷹部屋を出てから」
「んー、小日向にある同郷の鳥屋で鳥刺しの手伝いをしています」
「そうか。やっぱり御上は町人の鳥請負を増やすつもりなのか」
縁台に座った半平太が饅頭をかじりながら、宗次郎を見上げた。
半平太が危惧するのも無理はなかった。このところ、町方の餌差の割合が増えていた。一方、公儀餌差の増員は止まったままである。
「かも知れませんね。御公儀の餌差だけじゃ御鷹の餌は足りないし、何より町人から買った方が、役人を増やすよりも安くつくでしょう」
町人には仕事が増えるし、幕府は出費が少なくなる。どう転んだとて、幕府が餌差役人を抱えることに利はないと思える。
「まさか、餌差役人を廃止とか言い出すんじゃねえだろうな。ちぇっ、また無役に戻れってのかよ」
「うぐっ」
不貞腐れた半平太に、かじりかけの饅頭を口に突っ込まれた。
饅頭を咀嚼しながら答える。
「そういうわけじゃないと思いますよ。ただ、これ以上餌差役人を増やすよりか、鳥刺しの技に長けた町人餌差を増やした方が、手っ取り早いこともありますからね。けど、どちらか一方だけに頼ってしまうと……」
「どうだってんだ」
半平太の催促に、宗次郎が答えようとした時、おふみがお茶を運んできた。
「宮井さんもどうぞ。あらら、斎藤さん、怖いお顔だこと」
不機嫌極まりない半平太を見て、おふみがわざとらしく怖がって見せた。
「だってよ、また無役の小普請なんぞになっちまったら、いつまでたってもおふみちゃんを口説けねえ」
冗談とも本気とも取れる半平太の言い分を、おふみはさらりと笑顔でかわす。
「あらまあ、またそんなお戯れを」
「戯れなんかじゃねえよ。俺ぁ、本気だぜ」
半平太がムキになる。すっかりさっきまでの話題を忘れてしまったのか、宗次郎の横で熱心におふみを口説き出した。
「本気の本気だからよ。今からまた仕事に励んでくらぁ」
半平太が腰を上げると、おふみが笑顔で送り出した。
「はーい、いってらっしゃい。いっぱい獲れるといいね」
さっきの会話の答を半平太が知る必要はないと、宗次郎は思う。
武士の癖に半平太は純真だ。汚れも知らず狡さも持っていない。何のてらいもなく歯を見せて笑う。真面目に茶店の娘を嫁にしようと考えている。
だが武家社会は建前としがらみの世界だ。正しいことを正しくしているだけでは出世できない。
――「どうだってんだ」
答えを聞かずに行ってしまった後ろ姿に答えた。
「どちらか一方だけに頼っちまうと、不義理が生まれるのさ」
あの鳥見殺しも闇餌差も、不義理不正がこじれた結末に間違いない。
「何か言った?」
「いや」
振り返ったおふみの明るい笑顔に、半平太の白い歯が重なり、心がきゅっと締め付けられる。
己にはこの二人のような可愛いやり取りができる恋などできないことを知っている。
ささやかな幸せは、あの空の雲のように遠く掴めないものなのだ。
◇
結局、まっすぐ紀伊国屋には戻らなかった。何となく、求馬を思い出していた。もちろん逢えるとは限らないのだが、珍しく人恋しい気分だった。
そのまま城に向かって歩き、橋を渡って揚場河岸まで来た。
(たしか『角吉』やったっけ)
うろ覚えの記憶を頼りに揚場町の煮売り屋を探しながら歩いたが、牛込門まで来てしまった。行き過ぎたことに気付いて引き返そうとしたところで、喧騒が耳に入る。
喧嘩騒ぎのようだ。
人だかりに近づいて覗き見ると、神楽坂の真ん中で、三人組の侍が商人らしき男を囲んでいた。
この間の身投げと言い、この辺りはそれほど物騒な町だっただろうかと、野次馬を横目に通り過ぎようとした時……
「あいや、待たれぃ!」
誰かが仲裁に入った。いや、誰かではない。聞き覚えのある声に驚いて、宗次郎は足を止めた。
(おいおい、いけんのかよ)
矢鱈縞の着流しを着こなした勇み肌は、まぎれもなく求馬である。
求馬は芝居がかった声で、無謀にも三人のうちの一番大柄で人相の悪い男の前に立ちはだかって、見得を切っていた。
「素浪人とて武士の端くれであろう。武士は弱い物を虐めてはいかん」
「そうだそうだ!」
どこからか賛同の野次まで飛んだ。
馬鹿にされたと感じたのか、大男が顔を真っ赤にして怒鳴った。
「じゃかあしい! 誰が素浪人だ、無礼者!!」
「あ」
宗次郎の口が「あ」の形に開いたまま、激しくため息を漏らす。
求馬は男に衿を掴まれるや、簡単に突き飛ばされてしまった。みっともなく尻を突き、そこへ子分らしき侍の蹴りまで入る。
(ほれ見たことか)と、すかさず助太刀しようと宗次郎が駆け寄る間にも、求馬はなおも食らいついて、這いつくばったまま男の足首を掴んでいた。
(あほが、なにしちゃある!)
「てっめえ、舐めやがって」
求馬に足首を掴まれ、転びそうになった男が逆上した。
野次馬の中から悲鳴が上がるのとほぼ同時だった。
「いい加減にしなよ、おっさん」
刀を振り下ろそうとした男の手首に、宗次郎の手刀が命中した。
外がやたらと明るいことに気付いた宗次郎は、飛び起きて、鷹部屋で大鷹の様子を見ていた杢右衛門に挨拶を済ましてから、小日向に向かったのだが、久しぶりに〈とらや〉へ寄ろうと思いつき、小川を渡った。
休処と書かれた旗が初夏の風に揺れている。風に乗って聞こえたのは、おふみの声だった。
「あーっ、宮井さんだ!」
「おう、宗次郎。久しぶりだな」
とらやでは相変わらず、おふみが愛想を振りまいていて、そして変わらず半平太がさぼっていた。
「どうしていたんだ。鷹部屋を出てから」
「んー、小日向にある同郷の鳥屋で鳥刺しの手伝いをしています」
「そうか。やっぱり御上は町人の鳥請負を増やすつもりなのか」
縁台に座った半平太が饅頭をかじりながら、宗次郎を見上げた。
半平太が危惧するのも無理はなかった。このところ、町方の餌差の割合が増えていた。一方、公儀餌差の増員は止まったままである。
「かも知れませんね。御公儀の餌差だけじゃ御鷹の餌は足りないし、何より町人から買った方が、役人を増やすよりも安くつくでしょう」
町人には仕事が増えるし、幕府は出費が少なくなる。どう転んだとて、幕府が餌差役人を抱えることに利はないと思える。
「まさか、餌差役人を廃止とか言い出すんじゃねえだろうな。ちぇっ、また無役に戻れってのかよ」
「うぐっ」
不貞腐れた半平太に、かじりかけの饅頭を口に突っ込まれた。
饅頭を咀嚼しながら答える。
「そういうわけじゃないと思いますよ。ただ、これ以上餌差役人を増やすよりか、鳥刺しの技に長けた町人餌差を増やした方が、手っ取り早いこともありますからね。けど、どちらか一方だけに頼ってしまうと……」
「どうだってんだ」
半平太の催促に、宗次郎が答えようとした時、おふみがお茶を運んできた。
「宮井さんもどうぞ。あらら、斎藤さん、怖いお顔だこと」
不機嫌極まりない半平太を見て、おふみがわざとらしく怖がって見せた。
「だってよ、また無役の小普請なんぞになっちまったら、いつまでたってもおふみちゃんを口説けねえ」
冗談とも本気とも取れる半平太の言い分を、おふみはさらりと笑顔でかわす。
「あらまあ、またそんなお戯れを」
「戯れなんかじゃねえよ。俺ぁ、本気だぜ」
半平太がムキになる。すっかりさっきまでの話題を忘れてしまったのか、宗次郎の横で熱心におふみを口説き出した。
「本気の本気だからよ。今からまた仕事に励んでくらぁ」
半平太が腰を上げると、おふみが笑顔で送り出した。
「はーい、いってらっしゃい。いっぱい獲れるといいね」
さっきの会話の答を半平太が知る必要はないと、宗次郎は思う。
武士の癖に半平太は純真だ。汚れも知らず狡さも持っていない。何のてらいもなく歯を見せて笑う。真面目に茶店の娘を嫁にしようと考えている。
だが武家社会は建前としがらみの世界だ。正しいことを正しくしているだけでは出世できない。
――「どうだってんだ」
答えを聞かずに行ってしまった後ろ姿に答えた。
「どちらか一方だけに頼っちまうと、不義理が生まれるのさ」
あの鳥見殺しも闇餌差も、不義理不正がこじれた結末に間違いない。
「何か言った?」
「いや」
振り返ったおふみの明るい笑顔に、半平太の白い歯が重なり、心がきゅっと締め付けられる。
己にはこの二人のような可愛いやり取りができる恋などできないことを知っている。
ささやかな幸せは、あの空の雲のように遠く掴めないものなのだ。
◇
結局、まっすぐ紀伊国屋には戻らなかった。何となく、求馬を思い出していた。もちろん逢えるとは限らないのだが、珍しく人恋しい気分だった。
そのまま城に向かって歩き、橋を渡って揚場河岸まで来た。
(たしか『角吉』やったっけ)
うろ覚えの記憶を頼りに揚場町の煮売り屋を探しながら歩いたが、牛込門まで来てしまった。行き過ぎたことに気付いて引き返そうとしたところで、喧騒が耳に入る。
喧嘩騒ぎのようだ。
人だかりに近づいて覗き見ると、神楽坂の真ん中で、三人組の侍が商人らしき男を囲んでいた。
この間の身投げと言い、この辺りはそれほど物騒な町だっただろうかと、野次馬を横目に通り過ぎようとした時……
「あいや、待たれぃ!」
誰かが仲裁に入った。いや、誰かではない。聞き覚えのある声に驚いて、宗次郎は足を止めた。
(おいおい、いけんのかよ)
矢鱈縞の着流しを着こなした勇み肌は、まぎれもなく求馬である。
求馬は芝居がかった声で、無謀にも三人のうちの一番大柄で人相の悪い男の前に立ちはだかって、見得を切っていた。
「素浪人とて武士の端くれであろう。武士は弱い物を虐めてはいかん」
「そうだそうだ!」
どこからか賛同の野次まで飛んだ。
馬鹿にされたと感じたのか、大男が顔を真っ赤にして怒鳴った。
「じゃかあしい! 誰が素浪人だ、無礼者!!」
「あ」
宗次郎の口が「あ」の形に開いたまま、激しくため息を漏らす。
求馬は男に衿を掴まれるや、簡単に突き飛ばされてしまった。みっともなく尻を突き、そこへ子分らしき侍の蹴りまで入る。
(ほれ見たことか)と、すかさず助太刀しようと宗次郎が駆け寄る間にも、求馬はなおも食らいついて、這いつくばったまま男の足首を掴んでいた。
(あほが、なにしちゃある!)
「てっめえ、舐めやがって」
求馬に足首を掴まれ、転びそうになった男が逆上した。
野次馬の中から悲鳴が上がるのとほぼ同時だった。
「いい加減にしなよ、おっさん」
刀を振り下ろそうとした男の手首に、宗次郎の手刀が命中した。
9
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『五感の調べ〜女按摩師異聞帖〜』
月影 朔
歴史・時代
江戸。盲目の女按摩師・市には、音、匂い、感触、全てが真実を語りかける。
失われた視覚と引き換えに得た、驚異の五感。
その力が、江戸の闇に起きた難事件の扉をこじ開ける。
裏社会に潜む謎の敵、視覚を欺く巧妙な罠。
市は「聴く」「嗅ぐ」「触れる」独自の捜査で、事件の核心に迫る。
癒やしの薬膳、そして人情の機微も鮮やかに、『この五感が、江戸を変える』
――新感覚時代ミステリー開幕!
【完結】『紅蓮の算盤〜天明飢饉、米問屋女房の戦い〜』
月影 朔
歴史・時代
江戸、天明三年。未曽有の大飢饉が、大坂を地獄に変えた――。
飢え死にする民を嘲笑うかのように、権力と結託した悪徳商人は、米を買い占め私腹を肥やす。
大坂の米問屋「稲穂屋」の女房、お凛は、天才的な算術の才と、決して諦めない胆力を持つ女だった。
愛する夫と店を守るため、算盤を武器に立ち向かうが、悪徳商人の罠と権力の横暴により、稲穂屋は全てを失う。米蔵は空、夫は獄へ、裏切りにも遭い、お凛は絶望の淵へ。
だが、彼女は、立ち上がる!
人々の絆と夫からの希望を胸に、お凛は紅蓮の炎を宿した算盤を手に、たった一人で巨大な悪へ挑むことを決意する。
奪われた命綱を、踏みにじられた正義を、算盤で奪い返せ!
これは、絶望から奇跡を起こした、一人の女房の壮絶な歴史活劇!知略と勇気で巨悪を討つ、圧巻の大逆転ドラマ!
――今、紅蓮の算盤が、不正を断罪する鉄槌となる!
花嫁
一ノ瀬亮太郎
歴史・時代
征之進は小さい頃から市松人形が欲しかった。しかし大身旗本の嫡男が女の子のように人形遊びをするなど許されるはずもない。他人からも自分からもそんな気持を隠すように征之進は武芸に励み、今では道場の師範代を務めるまでになっていた。そんな征之進に結婚話が持ち込まれる。
無用庵隠居清左衛門
蔵屋
歴史・時代
前老中田沼意次から引き継いで老中となった松平定信は、厳しい倹約令として|寛政の改革《かんせいのかいかく》を実施した。
第8代将軍徳川吉宗によって実施された|享保の改革《きょうほうのかいかく》、|天保の改革《てんぽうのかいかく》と合わせて幕政改革の三大改革という。
松平定信は厳しい倹約令を実施したのだった。江戸幕府は町人たちを中心とした貨幣経済の発達に伴い|逼迫《ひっぱく》した幕府の財政で苦しんでいた。
幕府の財政再建を目的とした改革を実施する事は江戸幕府にとって緊急の課題であった。
この時期、各地方の諸藩に於いても藩政改革が行われていたのであった。
そんな中、徳川家直参旗本であった緒方清左衛門は、己の出世の事しか考えない同僚に嫌気がさしていた。
清左衛門は無欲の徳川家直参旗本であった。
俸禄も入らず、出世欲もなく、ただひたすら、女房の千歳と娘の弥生と、三人仲睦まじく暮らす平穏な日々であればよかったのである。
清左衛門は『あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって千歳と弥生の幸せだけを願い、最後は無欲で死にたい』と思っていたのだ。
ある日、清左衛門に理不尽な言いがかりが同僚立花右近からあったのだ。
清左衛門は右近の言いがかりを相手にせず、
無視したのであった。
そして、松平定信に対して、隠居願いを提出したのであった。
「おぬし、本当にそれで良いのだな」
「拙者、一向に構いません」
「分かった。好きにするがよい」
こうして、清左衛門は隠居生活に入ったのである。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【完結】『江戸めぐり ご馳走道中 ~お香と文吉の東海道味巡り~』
月影 朔
歴史・時代
読めばお腹が減る!食と人情の東海道味巡り、開幕!
自由を求め家を飛び出した、食い道楽で腕っぷし自慢の元武家娘・お香。
料理の知識は確かだが、とある事件で自信を失った気弱な元料理人・文吉。
正反対の二人が偶然出会い、共に旅を始めたのは、天下の街道・東海道!
行く先々の宿場町で二人が出会うのは、その土地ならではの絶品ご当地料理や豊かな食材、そして様々な悩みを抱えた人々。
料理を巡る親子喧嘩、失われた秘伝の味、食材に隠された秘密、旅人たちの些細な揉め事まで――
お香の持ち前の豪快な行動力と、文吉の豊富な食の知識、そして二人の「料理」の力が、人々の閉ざされた心を開き、事件を解決へと導いていきます。時にはお香の隠された剣の腕が炸裂することも…!?
読めば目の前に湯気立つ料理が見えるよう!
香りまで伝わるような鮮やかな料理描写、笑いと涙あふれる人情ドラマ、そして個性豊かなお香と文吉のやり取りに、ページをめくる手が止まらない!
旅の目的は美味しいものを食べること? それとも過去を乗り越えること?
二人の絆はどのように深まっていくのか。そして、それぞれが抱える過去の謎も、旅と共に少しずつ明らかになっていきます。
笑って泣けて、お腹が空く――新たな食時代劇ロードムービー、ここに開幕!
さあ、お香と文吉と一緒に、舌と腹で東海道五十三次を旅しましょう!
【完結】ふたつ星、輝いて 〜あやし兄弟と町娘の江戸捕物抄〜
上杉
歴史・時代
■歴史小説大賞奨励賞受賞しました!■
おりんは江戸のとある武家屋敷で下女として働く14歳の少女。ある日、突然屋敷で母の急死を告げられ、自分が花街へ売られることを知った彼女はその場から逃げだした。
母は殺されたのかもしれない――そんな絶望のどん底にいたおりんに声をかけたのは、奉行所で同心として働く有島惣次郎だった。
今も刺客の手が迫る彼女を守るため、彼の屋敷で住み込みで働くことが決まる。そこで彼の兄――有島清之進とともに生活を始めるのだが、病弱という噂とはかけ離れた腕っぷしのよさに、おりんは驚きを隠せない。
そうしてともに生活しながら少しづつ心を開いていった――その矢先のことだった。
母の命を奪った犯人が発覚すると同時に、何故か兄清之進に凶刃が迫り――。
とある秘密を抱えた兄弟と町娘おりんの紡ぐ江戸捕物抄です!お楽しみください!
※フィクションです。
※周辺の歴史事件などは、史実を踏んでいます。
皆さまご評価頂きありがとうございました。大変嬉しいです!
今後も精進してまいります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる