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3話 王都に婚約者がやって来た
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『図書館騒動』の後、2人は私の計画通りに婚約したわ。
それから暫くして、私はクリスに付き添われて所用で謁見する事になった。
とても緊張していたけど、その謁見はたいへん有意義なものでした。
******************
三年後【王都公爵邸】
ナルキスは王都の公爵邸に、乳母と一緒にやって来た。
仕方なく婚約者として会いに行ったけど、やっぱりバカだった。
「何故領地に居る俺様に、毎月会いに来なかった⁈」
と、会うなり怒鳴られたわ。
私は学園に初等部から通っているし、家族の付き添い無しに侯爵令嬢の私が何日もかけて、公爵領まで何度も行くのは無理がある。
しかも毎月って……
経費がいくらかかると思っているのよ!
「相変わらず勉強ばかりしているようだな。
俺様など家庭教師に『もう教える事は、無い』と言われたぞ!」
「……。」
いや、それは見離されたんだと思う。
ここで他の公爵家の方々がいらっしゃれば良かったのだけど、残念ながら公爵夫妻は公務で外国へ行かれており、暫くはお帰りになれない。
お祖父様のご友人だった前公爵は、昨年から領地で寝込んでおられるし。
その為ナルキスと乳母は、やりたい放題!
公爵家に長く勤めている、執事長のハンソンや使用人達がお気の毒ですわね。
******************
【王都侯爵邸】エリー私室
「お嬢様あちらは、如何でした?」
優雅に紅茶を入れてくれるクリスを見つめながら、溜め息をついて答える。
「最悪だわ……。
ナルキス全然変わってなかったし。
これから学園でも顔を会わせないといけないかと思うと、憂鬱……。」
「それより、クリスは公爵邸にいる母親に会いに行かなくていいの?
もう七年も会ってないんでしょ?」
そう尋ねるとクリスは、感慨深げに
「そうですね。僕は、この七年間毎月のように手紙を書きました。
しかし、母からまともな返事が返って来たためしは、ありません。
『産んでやったんだから恩を返す為に仕送りをしろ。』だの『ナルキス様の自慢』ばかりです。
そんな人に会いたいとは、思いませんよ。」
何それ最低!!
「まさかそれで『仕送り』したの?」
と尋ねると、クリスはあっさり否定した。
「いいえ。仕送りしようとしたらトマスさんに止められました。
『これは、君が自分で稼いだ自分のお金です。
それに公爵家では、十分に給金が払われているのですから、仕送りなどする必要はありませんよ。』と言われ僕もその通りだと思って1銅貨も送ってません。」
流石は家の執事長!!グッジョブですね!
******************
中等部入学式後【王都公爵邸】
「マリー!(乳母の名前)喜べ♪
入学試験の結果は、ダントツの1位だそうだ!!
それにあの忌々しいクリスのヤツは、中等部にいなかったぞ!!」
「まぁ♪流石は、坊っちゃまです♪
クリスは、侯爵家に移ったからと言っても所詮は使用人としてですからね。
学園に通う資格は、ありませんもの♪」
「そうだな♪」
「そうですとも♪」
その様子を見ていた執事長ハンソンは、思った。
『ダントツの1位』って下からですからね。
後、クリス君が中等部にいないのは、既に卒業して高等部に進学したからです。
どうして何時も、こんな考えに至るのか?
それに坊っちゃまのあの低レベルの言動、とても大旦那様や旦那様の血を引いているとは、思えない!
あの公爵家直系特有の髪と瞳の色さえ無ければ、とっくに追い出しているところです!』
「よし♪今日は、俺様のトップ合格を祝してお祝いだ!!」
周りの使用人達から白い目で見られていることにも気付かず、ナルキスは乳母のマリーと2人その夜遅くまで騒いでいた。
当然、この言動は全て執事長ハンソンから外遊先の公爵夫妻に届けられ、彼等の頭を悩ませたのでした。
それから暫くして、私はクリスに付き添われて所用で謁見する事になった。
とても緊張していたけど、その謁見はたいへん有意義なものでした。
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三年後【王都公爵邸】
ナルキスは王都の公爵邸に、乳母と一緒にやって来た。
仕方なく婚約者として会いに行ったけど、やっぱりバカだった。
「何故領地に居る俺様に、毎月会いに来なかった⁈」
と、会うなり怒鳴られたわ。
私は学園に初等部から通っているし、家族の付き添い無しに侯爵令嬢の私が何日もかけて、公爵領まで何度も行くのは無理がある。
しかも毎月って……
経費がいくらかかると思っているのよ!
「相変わらず勉強ばかりしているようだな。
俺様など家庭教師に『もう教える事は、無い』と言われたぞ!」
「……。」
いや、それは見離されたんだと思う。
ここで他の公爵家の方々がいらっしゃれば良かったのだけど、残念ながら公爵夫妻は公務で外国へ行かれており、暫くはお帰りになれない。
お祖父様のご友人だった前公爵は、昨年から領地で寝込んでおられるし。
その為ナルキスと乳母は、やりたい放題!
公爵家に長く勤めている、執事長のハンソンや使用人達がお気の毒ですわね。
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優雅に紅茶を入れてくれるクリスを見つめながら、溜め息をついて答える。
「最悪だわ……。
ナルキス全然変わってなかったし。
これから学園でも顔を会わせないといけないかと思うと、憂鬱……。」
「それより、クリスは公爵邸にいる母親に会いに行かなくていいの?
もう七年も会ってないんでしょ?」
そう尋ねるとクリスは、感慨深げに
「そうですね。僕は、この七年間毎月のように手紙を書きました。
しかし、母からまともな返事が返って来たためしは、ありません。
『産んでやったんだから恩を返す為に仕送りをしろ。』だの『ナルキス様の自慢』ばかりです。
そんな人に会いたいとは、思いませんよ。」
何それ最低!!
「まさかそれで『仕送り』したの?」
と尋ねると、クリスはあっさり否定した。
「いいえ。仕送りしようとしたらトマスさんに止められました。
『これは、君が自分で稼いだ自分のお金です。
それに公爵家では、十分に給金が払われているのですから、仕送りなどする必要はありませんよ。』と言われ僕もその通りだと思って1銅貨も送ってません。」
流石は家の執事長!!グッジョブですね!
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中等部入学式後【王都公爵邸】
「マリー!(乳母の名前)喜べ♪
入学試験の結果は、ダントツの1位だそうだ!!
それにあの忌々しいクリスのヤツは、中等部にいなかったぞ!!」
「まぁ♪流石は、坊っちゃまです♪
クリスは、侯爵家に移ったからと言っても所詮は使用人としてですからね。
学園に通う資格は、ありませんもの♪」
「そうだな♪」
「そうですとも♪」
その様子を見ていた執事長ハンソンは、思った。
『ダントツの1位』って下からですからね。
後、クリス君が中等部にいないのは、既に卒業して高等部に進学したからです。
どうして何時も、こんな考えに至るのか?
それに坊っちゃまのあの低レベルの言動、とても大旦那様や旦那様の血を引いているとは、思えない!
あの公爵家直系特有の髪と瞳の色さえ無ければ、とっくに追い出しているところです!』
「よし♪今日は、俺様のトップ合格を祝してお祝いだ!!」
周りの使用人達から白い目で見られていることにも気付かず、ナルキスは乳母のマリーと2人その夜遅くまで騒いでいた。
当然、この言動は全て執事長ハンソンから外遊先の公爵夫妻に届けられ、彼等の頭を悩ませたのでした。
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