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1話 運命
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「すみませんがご令嬢、僕たちは…。」
なるほど、とさっと顔を変えた男の方をクラリルだとリリアンは悟った。ならば話は簡単だ。もう1人の片割れの方にお願いすればいい。リリアンが幼馴染と言えば、リリアンからすぐにヒジリの方を見たラシエルは熱心な目を向けている。そう、私が彼らをヒジリの次に推していた理由はもう一つある。それはラシエルが一目惚れして片想いをするのだ。
ラシエルは実はぬいぐるみの様な愛くるしいものが好きな可愛い一面がある。しかし男である事から可愛い物が好きなんて言えたことがなかったのだ。クラリルだけがそのことを知っていて、クラリルはだからこそラシエルがヒジリを気になってしまうのはなんとなくで理解している。可愛い物好きを隠すのを手助けするほどにはクラリルも協力的で、ヒジリの事が可愛く見えて仕方なかった、というのは双子と友好を深める中で物語の終盤でやっと話される微笑ましい萌え展開。
ラシエルはこの日からヒジリに一目惚れしていたのか、それもまた嬉しい情報を得てしまった。
思わず上がってしまう口元を手で隠して、それっぽい理由を説明する。あの皇子に合わせないためにも今のうちから仲良くなってもらおう。
「実はヒジリ様は今日初めての社交界なのです。お茶会などの参加も私としかしたことがなく、だからこそ同性のお友達が必要だと思っています。」
リリアンが友人を思うように言葉をつづれば、双子は顔を見合わせる。小さな咳払いをして先を促すようにリリアンを見て興味がちゃんとあることを確認できればあとは話題でも提供すればいいだろうか。
ここで思い浮かぶのはマユズミ家の事業だ。リリアンが把握している限りだとマユズミ家はサービス業への投資をしている。ホテルやカフェ、レストラン、事業を開店しているわけではないが投資をしている先では確かに繁盛し商売右肩上がり……だからこそ徐々に勢力をつけている貴族に当たる。それに、最近ヒジリにはおすすめのカフェができたはず、そこの店のマカロンをとても気に入っていた。確かカフェの名前は都市でも有名な店、彼らはもちろん知っているだろう。
「最近ヒジリ様はラズベリーのマカロンがお気に入りなんです。此処にもおいしそうなマカロンがありますわね。」
「……持ってって話しかければいいんだな。」
「はぁ…分かったラシエルが行くなら僕も行く。それではご令嬢、ここで失礼します。」
さぁいったいった、貴方たちにはヒジリの味方になってもらわなければいけないのよ。遠ざかっていく背中を見ながら腕を組んで満足する。これから推し同士の絡みがあるのだからもちろんすぐ近くで見に行きたいところだが、その前にもう少しだけ見知った人物がいないかと探し始める。ここにあの双子がいるなら主要人物が他にもいるんじゃないかと思ったのだ。ぐるり、と辺りを見渡してそれらしい人物は見つけられなかったが視界の端に映った金髪にぞっとする。
「まさか…。」
はく、と息を吸いこむ。そこに皇子がいた。既にヒジリに目をつけているのか執拗に向けられている視線に身の毛がよだつ思いをする。大丈夫、邪魔をすればいい、そう分かっているもののその人物を見てしまうと体が動かなかった。
令嬢らしくなんてないが、リリアンはヒジリのもとまでドレスを揺らしながら走って近づいた。そうして双子がやっとマカロンを持ってい話しかけに行ったにもかかわらず、ヒジリの腕を引く。
「リリアン!?」
「ちょっとテラスに行きましょう!」
そう声を荒げたが、リリアンの前に燕尾服の男性が立ちはだかる。襟につけられたブローチから王家のものだと一目でわかり一歩下がる。
「皇帝陛下がお呼びです。」
リリアンの横は通り過ぎ、ヒジリの前で跪いてその男は頭を垂れた。
なるほど、とさっと顔を変えた男の方をクラリルだとリリアンは悟った。ならば話は簡単だ。もう1人の片割れの方にお願いすればいい。リリアンが幼馴染と言えば、リリアンからすぐにヒジリの方を見たラシエルは熱心な目を向けている。そう、私が彼らをヒジリの次に推していた理由はもう一つある。それはラシエルが一目惚れして片想いをするのだ。
ラシエルは実はぬいぐるみの様な愛くるしいものが好きな可愛い一面がある。しかし男である事から可愛い物が好きなんて言えたことがなかったのだ。クラリルだけがそのことを知っていて、クラリルはだからこそラシエルがヒジリを気になってしまうのはなんとなくで理解している。可愛い物好きを隠すのを手助けするほどにはクラリルも協力的で、ヒジリの事が可愛く見えて仕方なかった、というのは双子と友好を深める中で物語の終盤でやっと話される微笑ましい萌え展開。
ラシエルはこの日からヒジリに一目惚れしていたのか、それもまた嬉しい情報を得てしまった。
思わず上がってしまう口元を手で隠して、それっぽい理由を説明する。あの皇子に合わせないためにも今のうちから仲良くなってもらおう。
「実はヒジリ様は今日初めての社交界なのです。お茶会などの参加も私としかしたことがなく、だからこそ同性のお友達が必要だと思っています。」
リリアンが友人を思うように言葉をつづれば、双子は顔を見合わせる。小さな咳払いをして先を促すようにリリアンを見て興味がちゃんとあることを確認できればあとは話題でも提供すればいいだろうか。
ここで思い浮かぶのはマユズミ家の事業だ。リリアンが把握している限りだとマユズミ家はサービス業への投資をしている。ホテルやカフェ、レストラン、事業を開店しているわけではないが投資をしている先では確かに繁盛し商売右肩上がり……だからこそ徐々に勢力をつけている貴族に当たる。それに、最近ヒジリにはおすすめのカフェができたはず、そこの店のマカロンをとても気に入っていた。確かカフェの名前は都市でも有名な店、彼らはもちろん知っているだろう。
「最近ヒジリ様はラズベリーのマカロンがお気に入りなんです。此処にもおいしそうなマカロンがありますわね。」
「……持ってって話しかければいいんだな。」
「はぁ…分かったラシエルが行くなら僕も行く。それではご令嬢、ここで失礼します。」
さぁいったいった、貴方たちにはヒジリの味方になってもらわなければいけないのよ。遠ざかっていく背中を見ながら腕を組んで満足する。これから推し同士の絡みがあるのだからもちろんすぐ近くで見に行きたいところだが、その前にもう少しだけ見知った人物がいないかと探し始める。ここにあの双子がいるなら主要人物が他にもいるんじゃないかと思ったのだ。ぐるり、と辺りを見渡してそれらしい人物は見つけられなかったが視界の端に映った金髪にぞっとする。
「まさか…。」
はく、と息を吸いこむ。そこに皇子がいた。既にヒジリに目をつけているのか執拗に向けられている視線に身の毛がよだつ思いをする。大丈夫、邪魔をすればいい、そう分かっているもののその人物を見てしまうと体が動かなかった。
令嬢らしくなんてないが、リリアンはヒジリのもとまでドレスを揺らしながら走って近づいた。そうして双子がやっとマカロンを持ってい話しかけに行ったにもかかわらず、ヒジリの腕を引く。
「リリアン!?」
「ちょっとテラスに行きましょう!」
そう声を荒げたが、リリアンの前に燕尾服の男性が立ちはだかる。襟につけられたブローチから王家のものだと一目でわかり一歩下がる。
「皇帝陛下がお呼びです。」
リリアンの横は通り過ぎ、ヒジリの前で跪いてその男は頭を垂れた。
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