7 / 29
第2章 欠けていたモノ
2-4 ある少年の過去
しおりを挟む
昔と言っても5年ほど前。
少年は無邪気に、友達と話していた。
彼は友達が多かった。
誰とでも話した。
彼は笑顔だった。
だからみんなに好かれていた。
ずっとそんな幸せな時が続く。
そう、思っていた……。
ある年の夏休み、少年と4人組は海へといった。
少年には密かに好きな子がいた。
4人の中の1人だ。
4人組と言っても少年を除くと女の子2人、男の子2人。
少年を合わせて5人だった。
少年は考えた。
ここでカップリングを作ったら。少なくとも1人、仲間外れになってしまう。
そして少年は知っていた。
男1人と女1人はこっそり付き合っている。
もちろんこの5人組にも秘密らしい。
そして、もう1人の男の子と少年が、1人の女の子を好きだってことも、
少年は知っていた。
でも、ここで自分が言ってしまったら、
好きだって伝えてしまっては、
何かが壊れる予感がした。
そして、壊したくなかった。
今まで大切に思ってきた友情が、
一時の恋愛感情で壊れてしまう。
そんなのはゴメンだ。
そう思っていた。
思って…いたんだ。
でも、
人間というのは、欲望的な生き物だ。
理性はあるが、高まった本能を理性で抑えることは難しい。
それも、年頃の男の子、女の子には到底無理な話だろう。
ある男の子が、女の子に告白した。
女の子は振った。
別の人が好きだという。
少年は偶然その現場を見てしまった。
少年は裏切られた気持ちになった。
今まで俺が大事にしてきたものは、こんなものだったのか。と。
こんな簡単に壊れてしまうものだとは、思わなかった。
その女の子は、少年に恋をしていた。
その思いを、その場で告げる。
男の子は激怒した。
少年を殴った。
女の子は泣いていた。
やめてよ!と必死に叫んだ。
届かない。
その声は届かなかった。
次の日から、少年たち5人組は、5人組ではなくなった。
ある男の子が消えた。
少年はなんとも言えない気持ちになった。
自責の念が込み上げてくる。
守ろうとしてきたものが、
大事にしてきたものが、
たった一瞬で壊れてしまった。
「なんでだよ。」
彼は、 絶望した。
女の子が好きだったはずなのに、そんな感情は薄れていくほどに
それほど、少年が大事にしてきたものが壊れてしまうということは、耐え難い事だった。
こんな苦しい思いをするなら、いっそ、誰とも話さなければいい。
そうしたらこんな思いをすることも無い。
それから少年は、誰とも話さなくなった。
年頃の男の子にとって、このような思いをするのは耐え難いだろう。
昔から大事にしてきたものが、一瞬で壊れてしまうのだ。
ふと、少年は独りになって気づいた。
こいつらは、友達友達とほざいてる奴らは、
仮初なんだと。
周りの目ばかり気にして、独りを避ける。
それに友達という言葉を利用する。ただそれだけ。
独りが寂しいから、哀れだから、
そうならないためだけに、少年が大事にしてきた言葉を易々と使う。
ふざけるな。
少年は泣いた。
もう、いいや。
だったら、
「こんな感情も、言葉も、いらねえや。」
もう少年は、誰とも話さなかった。
それでも、女の子は話しかけてきた。
大丈夫?と。毎日毎日。
でも、女の子は自殺した。
いじめが原因らしい。
あとから分かったことだが、5人組から抜けた男の子が、女の子を逆恨みして、いじめの対象にしたらしい。
友達 を使って。
少年は泣いた。来る晩も来る晩も。泣いた。
泣いても泣いても、涙は止まらない。
体中の水の半分が無くなるほど泣いたのに、それでも止まらない。
女の子は、苦しいのに、自分も辛いのに、それでも最期まで、少年を心配したんだ。
その事実が余計に少年を苦しめた。
そして少年は、華氷 真琴は決めた。
もう人なんて信じない。
友達なぞ迷信だ。と。
その日から、彼が笑うことは無かった。
少年は無邪気に、友達と話していた。
彼は友達が多かった。
誰とでも話した。
彼は笑顔だった。
だからみんなに好かれていた。
ずっとそんな幸せな時が続く。
そう、思っていた……。
ある年の夏休み、少年と4人組は海へといった。
少年には密かに好きな子がいた。
4人の中の1人だ。
4人組と言っても少年を除くと女の子2人、男の子2人。
少年を合わせて5人だった。
少年は考えた。
ここでカップリングを作ったら。少なくとも1人、仲間外れになってしまう。
そして少年は知っていた。
男1人と女1人はこっそり付き合っている。
もちろんこの5人組にも秘密らしい。
そして、もう1人の男の子と少年が、1人の女の子を好きだってことも、
少年は知っていた。
でも、ここで自分が言ってしまったら、
好きだって伝えてしまっては、
何かが壊れる予感がした。
そして、壊したくなかった。
今まで大切に思ってきた友情が、
一時の恋愛感情で壊れてしまう。
そんなのはゴメンだ。
そう思っていた。
思って…いたんだ。
でも、
人間というのは、欲望的な生き物だ。
理性はあるが、高まった本能を理性で抑えることは難しい。
それも、年頃の男の子、女の子には到底無理な話だろう。
ある男の子が、女の子に告白した。
女の子は振った。
別の人が好きだという。
少年は偶然その現場を見てしまった。
少年は裏切られた気持ちになった。
今まで俺が大事にしてきたものは、こんなものだったのか。と。
こんな簡単に壊れてしまうものだとは、思わなかった。
その女の子は、少年に恋をしていた。
その思いを、その場で告げる。
男の子は激怒した。
少年を殴った。
女の子は泣いていた。
やめてよ!と必死に叫んだ。
届かない。
その声は届かなかった。
次の日から、少年たち5人組は、5人組ではなくなった。
ある男の子が消えた。
少年はなんとも言えない気持ちになった。
自責の念が込み上げてくる。
守ろうとしてきたものが、
大事にしてきたものが、
たった一瞬で壊れてしまった。
「なんでだよ。」
彼は、 絶望した。
女の子が好きだったはずなのに、そんな感情は薄れていくほどに
それほど、少年が大事にしてきたものが壊れてしまうということは、耐え難い事だった。
こんな苦しい思いをするなら、いっそ、誰とも話さなければいい。
そうしたらこんな思いをすることも無い。
それから少年は、誰とも話さなくなった。
年頃の男の子にとって、このような思いをするのは耐え難いだろう。
昔から大事にしてきたものが、一瞬で壊れてしまうのだ。
ふと、少年は独りになって気づいた。
こいつらは、友達友達とほざいてる奴らは、
仮初なんだと。
周りの目ばかり気にして、独りを避ける。
それに友達という言葉を利用する。ただそれだけ。
独りが寂しいから、哀れだから、
そうならないためだけに、少年が大事にしてきた言葉を易々と使う。
ふざけるな。
少年は泣いた。
もう、いいや。
だったら、
「こんな感情も、言葉も、いらねえや。」
もう少年は、誰とも話さなかった。
それでも、女の子は話しかけてきた。
大丈夫?と。毎日毎日。
でも、女の子は自殺した。
いじめが原因らしい。
あとから分かったことだが、5人組から抜けた男の子が、女の子を逆恨みして、いじめの対象にしたらしい。
友達 を使って。
少年は泣いた。来る晩も来る晩も。泣いた。
泣いても泣いても、涙は止まらない。
体中の水の半分が無くなるほど泣いたのに、それでも止まらない。
女の子は、苦しいのに、自分も辛いのに、それでも最期まで、少年を心配したんだ。
その事実が余計に少年を苦しめた。
そして少年は、華氷 真琴は決めた。
もう人なんて信じない。
友達なぞ迷信だ。と。
その日から、彼が笑うことは無かった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
罪悪と愛情
暦海
恋愛
地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。
だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる