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第3話 団らん?
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神殿を出て中庭の見える渡り廊下を歩く。
空を見上げるとお互い寄り添う部分が半分ずつ欠けた月が二つ浮かんでいた。
―― へー、この世界は月が二つあるんだな。
俺が不思議な気持ちに浸り立ち止まるとエルナも立ち止まる。
振り返ることなく、エルナは無言でウサ耳をヒョコヒョコと動かし、俺の動きを確認する。
「あっ、ごめん」
そう呟き、俺は再び歩を進めた。
どこかから流れ込む風が、月明かりに照らされた後ろ姿の青髪を揺らす。
甘い香りが鼻孔をくすぐり、俺はついついボーッと意識を飛ばしてしまいそうになる。
「勇者様」
突然エルナが振り返った。
や、やばい……
ジッと後ろ姿を見ていたことがバレたか?
いや、それとも香りをクンクンしてたのがバレた?
「は、はい」
「あちらの建物でございます。
どうぞ、こちらへ」
良かった……
どうやらバレてないみたいだ。
エルナは俺を手招きし、中庭の端に建てられた立派な建築物を目指し再び歩き始める。
図書館?
美術館?
宝物庫?
「こちらでございます」
俺が首を傾げながらその建物の前に立つと、バーンとエルナは両手で扉を開けた。
「お入りくださいませ。
こちらが勇者様にお使いいただくお屋敷にございます」
中に入ると、目の前に広がるのは、まるで別世界のようなエントランスだった。
高い天井の中央からは零れ落ちそうなほどの宝飾が散りばめられたシャンデリアが吊るされており、月明かりを受けたステンドグラスが優しくそれを包み込む。
床は先程の神殿と同じく白い大理石。
柱は黒く上部にはドラゴンの彫り物が施されていた。
「すげー」
おれがあんぐりと口を開けていると、エルナが続けざまに言った。
このお屋敷には寝室、食堂、浴場、更には勇者様のために、トレーニングルームやリラクゼーションルームも完備しております。
「まじ?」
エルナはコクリと頷いた。
「お疲れでしょう。
まずは浴場へご案内いたしましょうか?」
「そうだね。
なんだか今日は変な汗いっぱいかいちゃったから、早くお風呂に入りたい気分だよ」
「承知いたしました。
それではこちらへ」
エルナはエントランスの螺旋階段をのぼる。
2階に上がり、廊下を突き当たると右手に浴場があった。
「それじゃあ入るね」
扉を開け中に入ったはいいが、エルナも俺に着いてくる。
「あっ、タオルや石鹸かな?
これをつかえばいいのかな?」
俺は鏡の前に置かれたタオルと石鹸を指さした。
エルナはコクリと頷く。
「じゃあね」
エルナは動かない。
「それじゃあ俺は今から服を脱いでお風呂に入るから」
「承知いたしました」
そう答えたエルナの手は、俺のワイシャツのボタンに手をかけた。
「いやいやいや、おれ25歳だから自分でできるって」
俺は後退りする。
「承知いたしました。
それでは」
次の瞬間……
「ちょ。なにやってんだよエルナ!」
彼女は服を脱ぎ始めたのだ。
「勇者様のお世話をするようにと、姫様からのご命令です。
私もご一緒し、お背中を流しませんと」
「いやいやいや、そんなことはしなくていいよ」
「しかし」
「いや、俺は疲れてるから、ゆっくりひとりで入りたいんだ。
だから、ねっ、ねっ?」
「勇者様の健康管理も私の役目。
ゆっくりと疲れを癒やしたいとおっしゃるならばそのようにさせていただきます。
私はこの場にてお待ちしております」
「う、うん。
わかってくれてうれしいよ」
俺はそそくさと服を脱ぎ、タオルを腰に巻くと、急いで風呂場に逃げ込んだ。
体と頭を洗い、グリフォンの口から注がれた湯船に浸かる。
大理石で囲まれた天井を眺めながら、今、起こっていることを考える。
「うーん、この状況って異常だよな?
でも、湯船に浸かってると、なんだか緊張感なくなるよなあ……」
―― この世界……
つっこみどころ満載だよ。
だいたいさ、なんで言葉通じてるんだよ!
てか、獣人族や魔族がいるのはおいといて、人間族は地球人と今のところ変わりないしさ。
それに、花や木、空気、風、この石鹸や風呂にしたってそうさ。
見た感じ中性ヨーロッパて感じの世界なんだよなあ……
電気の代わりに魔力とか使ってんのかなあ?
それにしてもあのおっさん(王様)と姫様は絶対に裏がある。
俺を勇者だとか、なんだとか祭り上げて、大方、どっかの国を侵略するつもりだろう。
それに、平然と獣人族をモノ扱いしやがって……
この国の制度なのかもしれないけれど俺は認めないからな!
最後にエルナ……
あのそっけない態度は絶対にわざとだ。
赤い瞳の奥には何かを隠しているはずだ。
小さい頃から、伊達に異世界アニメを何百本も観てきてないぜ!
アニメおたくの勘を舐めるなよ!
でも、良い子そうに見えても、まだまだエルナに気を許しちゃいけない。
彼女は俺の監視役には違いないんだから……
「あのう……
勇者様……
ノボセてらっしゃいませんか?」
ガラス越しにエルナの声がした。
「あっ、ごめん。
そろそろあがるよ」
湯船を上がり、ガラス扉を開けようとしたときに手がとまる。
「ねえ、エルナ。
着替えってあるのかな?」
「もちろんございます。
鏡の前のカゴに」
「良かった。
それじゃあちょっと目を瞑っててくれないかな?」
「そうしますと、勇者様のお体を拭くことができなくなりますが?」
「だから、自分でできるって!」
「承知いたしました。
ご命令とあらば」
俺はエルナが目を瞑っている間にさっさと体を拭き、用意された服に着替えた。
―― 下着は地球とかわらない。
そして俺は、ブランデーが似合いそうな黒いローブに袖を通し、エルナに連れられて食堂に向かった。
テーブルにはすでに豪華な食事が並んでいる。
俺は促されるまま席に着く。
「どうした?
なぜ座らない?」
「えっ?」
「エルナもお腹が空いてるだろう?」
「いえ、私は……」
ギュルルルル
そのとき、エルナのお腹の虫が大きな声で鳴いた。
エルナは俯き顔を真っ赤にする。
「ハハハ、そんな表情もできるんだ」
「申し訳ございません」
「いや、怒ってなんかないよ。
嬉しかっただけだから」
「嬉しい?」
「うん。
そうやって感情を表に出してくれたほうが人間らしいかなって……」
「私は奴隷……
けっして人などではなく……」
「なに言ってんだよ。
獣人族も魔族もみんな血の通った人じゃないか。
さあ、冷めないうちに食べよう。
早くそっちの椅子に座って!
これは、俺が気持ちよく食事をするための命令だよ?
俺の健康管理をするんだろ?」
エルナは躊躇いながらも椅子に座る。
そのとき、食堂の隅から二つの視線を感じた。
地球で言うなら年の頃は中学生の女の子と小学校低学年ぐらいの男の子だ。
ふたりとも、ウサ耳を立ててこちらの会話を聞いていたようだ。
「申し訳ございません。
妹のセレスと弟のレグルスです。
お部屋へ戻ってなさい」
セレスは慌ててお辞儀をし、弟の手を引き立ち去ろうとする。
「ねえちゃん、俺も肉食べたいよう。
硬いパンとイモだけじゃ嫌だよう」
半べそ気味にセレスに手を引っ張られるレグルス。
「レグルス!
こっちへおいで。
一緒に食べよう」
「いいの?
兄ちゃん!?」
「あっ!
こら!
レグルス!」
レグルスはセレスの腕を振りほどき、ちょこんと空いている椅子に腰掛けた。
「いっぱい食べろ」
俺はレグルスに料理を取り分けてやる。
「さあ、セレスもこっちに来て!
食事はみんなで楽しむもんだ!」
俺は強引に彼女も椅子に座らせた。
こうして思いがけず、異世界での予期せぬ団らん(?)が始まった。
空を見上げるとお互い寄り添う部分が半分ずつ欠けた月が二つ浮かんでいた。
―― へー、この世界は月が二つあるんだな。
俺が不思議な気持ちに浸り立ち止まるとエルナも立ち止まる。
振り返ることなく、エルナは無言でウサ耳をヒョコヒョコと動かし、俺の動きを確認する。
「あっ、ごめん」
そう呟き、俺は再び歩を進めた。
どこかから流れ込む風が、月明かりに照らされた後ろ姿の青髪を揺らす。
甘い香りが鼻孔をくすぐり、俺はついついボーッと意識を飛ばしてしまいそうになる。
「勇者様」
突然エルナが振り返った。
や、やばい……
ジッと後ろ姿を見ていたことがバレたか?
いや、それとも香りをクンクンしてたのがバレた?
「は、はい」
「あちらの建物でございます。
どうぞ、こちらへ」
良かった……
どうやらバレてないみたいだ。
エルナは俺を手招きし、中庭の端に建てられた立派な建築物を目指し再び歩き始める。
図書館?
美術館?
宝物庫?
「こちらでございます」
俺が首を傾げながらその建物の前に立つと、バーンとエルナは両手で扉を開けた。
「お入りくださいませ。
こちらが勇者様にお使いいただくお屋敷にございます」
中に入ると、目の前に広がるのは、まるで別世界のようなエントランスだった。
高い天井の中央からは零れ落ちそうなほどの宝飾が散りばめられたシャンデリアが吊るされており、月明かりを受けたステンドグラスが優しくそれを包み込む。
床は先程の神殿と同じく白い大理石。
柱は黒く上部にはドラゴンの彫り物が施されていた。
「すげー」
おれがあんぐりと口を開けていると、エルナが続けざまに言った。
このお屋敷には寝室、食堂、浴場、更には勇者様のために、トレーニングルームやリラクゼーションルームも完備しております。
「まじ?」
エルナはコクリと頷いた。
「お疲れでしょう。
まずは浴場へご案内いたしましょうか?」
「そうだね。
なんだか今日は変な汗いっぱいかいちゃったから、早くお風呂に入りたい気分だよ」
「承知いたしました。
それではこちらへ」
エルナはエントランスの螺旋階段をのぼる。
2階に上がり、廊下を突き当たると右手に浴場があった。
「それじゃあ入るね」
扉を開け中に入ったはいいが、エルナも俺に着いてくる。
「あっ、タオルや石鹸かな?
これをつかえばいいのかな?」
俺は鏡の前に置かれたタオルと石鹸を指さした。
エルナはコクリと頷く。
「じゃあね」
エルナは動かない。
「それじゃあ俺は今から服を脱いでお風呂に入るから」
「承知いたしました」
そう答えたエルナの手は、俺のワイシャツのボタンに手をかけた。
「いやいやいや、おれ25歳だから自分でできるって」
俺は後退りする。
「承知いたしました。
それでは」
次の瞬間……
「ちょ。なにやってんだよエルナ!」
彼女は服を脱ぎ始めたのだ。
「勇者様のお世話をするようにと、姫様からのご命令です。
私もご一緒し、お背中を流しませんと」
「いやいやいや、そんなことはしなくていいよ」
「しかし」
「いや、俺は疲れてるから、ゆっくりひとりで入りたいんだ。
だから、ねっ、ねっ?」
「勇者様の健康管理も私の役目。
ゆっくりと疲れを癒やしたいとおっしゃるならばそのようにさせていただきます。
私はこの場にてお待ちしております」
「う、うん。
わかってくれてうれしいよ」
俺はそそくさと服を脱ぎ、タオルを腰に巻くと、急いで風呂場に逃げ込んだ。
体と頭を洗い、グリフォンの口から注がれた湯船に浸かる。
大理石で囲まれた天井を眺めながら、今、起こっていることを考える。
「うーん、この状況って異常だよな?
でも、湯船に浸かってると、なんだか緊張感なくなるよなあ……」
―― この世界……
つっこみどころ満載だよ。
だいたいさ、なんで言葉通じてるんだよ!
てか、獣人族や魔族がいるのはおいといて、人間族は地球人と今のところ変わりないしさ。
それに、花や木、空気、風、この石鹸や風呂にしたってそうさ。
見た感じ中性ヨーロッパて感じの世界なんだよなあ……
電気の代わりに魔力とか使ってんのかなあ?
それにしてもあのおっさん(王様)と姫様は絶対に裏がある。
俺を勇者だとか、なんだとか祭り上げて、大方、どっかの国を侵略するつもりだろう。
それに、平然と獣人族をモノ扱いしやがって……
この国の制度なのかもしれないけれど俺は認めないからな!
最後にエルナ……
あのそっけない態度は絶対にわざとだ。
赤い瞳の奥には何かを隠しているはずだ。
小さい頃から、伊達に異世界アニメを何百本も観てきてないぜ!
アニメおたくの勘を舐めるなよ!
でも、良い子そうに見えても、まだまだエルナに気を許しちゃいけない。
彼女は俺の監視役には違いないんだから……
「あのう……
勇者様……
ノボセてらっしゃいませんか?」
ガラス越しにエルナの声がした。
「あっ、ごめん。
そろそろあがるよ」
湯船を上がり、ガラス扉を開けようとしたときに手がとまる。
「ねえ、エルナ。
着替えってあるのかな?」
「もちろんございます。
鏡の前のカゴに」
「良かった。
それじゃあちょっと目を瞑っててくれないかな?」
「そうしますと、勇者様のお体を拭くことができなくなりますが?」
「だから、自分でできるって!」
「承知いたしました。
ご命令とあらば」
俺はエルナが目を瞑っている間にさっさと体を拭き、用意された服に着替えた。
―― 下着は地球とかわらない。
そして俺は、ブランデーが似合いそうな黒いローブに袖を通し、エルナに連れられて食堂に向かった。
テーブルにはすでに豪華な食事が並んでいる。
俺は促されるまま席に着く。
「どうした?
なぜ座らない?」
「えっ?」
「エルナもお腹が空いてるだろう?」
「いえ、私は……」
ギュルルルル
そのとき、エルナのお腹の虫が大きな声で鳴いた。
エルナは俯き顔を真っ赤にする。
「ハハハ、そんな表情もできるんだ」
「申し訳ございません」
「いや、怒ってなんかないよ。
嬉しかっただけだから」
「嬉しい?」
「うん。
そうやって感情を表に出してくれたほうが人間らしいかなって……」
「私は奴隷……
けっして人などではなく……」
「なに言ってんだよ。
獣人族も魔族もみんな血の通った人じゃないか。
さあ、冷めないうちに食べよう。
早くそっちの椅子に座って!
これは、俺が気持ちよく食事をするための命令だよ?
俺の健康管理をするんだろ?」
エルナは躊躇いながらも椅子に座る。
そのとき、食堂の隅から二つの視線を感じた。
地球で言うなら年の頃は中学生の女の子と小学校低学年ぐらいの男の子だ。
ふたりとも、ウサ耳を立ててこちらの会話を聞いていたようだ。
「申し訳ございません。
妹のセレスと弟のレグルスです。
お部屋へ戻ってなさい」
セレスは慌ててお辞儀をし、弟の手を引き立ち去ろうとする。
「ねえちゃん、俺も肉食べたいよう。
硬いパンとイモだけじゃ嫌だよう」
半べそ気味にセレスに手を引っ張られるレグルス。
「レグルス!
こっちへおいで。
一緒に食べよう」
「いいの?
兄ちゃん!?」
「あっ!
こら!
レグルス!」
レグルスはセレスの腕を振りほどき、ちょこんと空いている椅子に腰掛けた。
「いっぱい食べろ」
俺はレグルスに料理を取り分けてやる。
「さあ、セレスもこっちに来て!
食事はみんなで楽しむもんだ!」
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