助けた黒猫は僕の運命の相手でした。

蜜森あめ

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溶かされて

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「んあっ、はっ、もうやぁっ、サクラっ」

「あぁ、分かってる」

 蕾を出入りする指に、探し当てられた内側の敏感な部分を嫌と言うほど擦られて、僕は腰をくねらせた。涙交じりの懇願に、サクラの指がずるりと引き抜かれる。それにすら快感を拾ってしまって、小さく喘ぎが漏れる。
 少し息を乱したサクラに、ぐいと抱えるように腿の裏を支えられて、とろとろに溶けた蕾にたっぷりとした熱いものがあてがわれた。

「……奏汰」

 サクラの柔らかな低音の、甘い呼びかけにぞくぞくとしながら彼の瞳を見つめて、僕は返事をする代わりに自分から唇を重ねた。
 ぐっとサクラの体が近づいて、ゆっくりと熱塊が入ってくる。たっぷりと時間をかけて解されたからか、思いのほか簡単に長大な存在感を飲み込んでいく。
 押し広げるように侵入してくる熱に、これ以上はもう無理だと言いたくて唇を離そうとしたが、追いかけるように深くキスをされて逃がしてはもらえない。痛くはないが喉まで埋め尽くされるような圧迫感に、自然と涙が出てくる。

「んっ、くぅんっ……」

 ようやく僕の中を奥まで満たしきったサクラが、唇を解放してくれた。
 涙を溜めて乱れた呼吸に息を喘がせている僕の目元を優しく拭って、額に瞼に鼻先にと慰めるようなキスが落ちてくる。

「かなた……」

 頬を通り過ぎた唇が優しく耳朶を食んで、艶めく低音が耳元で名前を呼ぶ。甘露のような甘い響きに、ふわりと体の力が抜けていくのを感じた。繋がっている場所から伝わる熱に、愛しさと喜びが溢れてくる。

「サクラ、すきっ。大好きだよ」

 伝えられずにはいられなくなって、考えるより先に言葉が出ていた。サクラに触れようと手を伸ばすと、逞しい腕が背中を包んでそのまま抱き起された。僕は慌ててサクラの肩に手を回す。
 僕の中でその質量を増したサクラの熱が、引き寄せられたことで最奥まで侵入してきた。

「ひぁっ、あっ、奥にっ」

 足先まで痺れるような快感に、がくがくと腿が震える。

「可愛いことを言う奏汰が悪い。そんなに俺を煽ってどうするつもりだ」

「そんなつもりじゃ……ないっ、んっやぁっ」

 ふっと色っぽく笑ったサクラが両手で僕のお尻を抱え込むように持ち上げ、その熱塊でぐるりと中をなぞってくる。先ほど探し当てられた敏感な部分を何度も擦られて、僕の中心からは次々に蜜が溢れだす。背を逸らして快感を逃がそうとするがうまくいかない。

「もっと煽ってくれてもいいぞ」
 
 再びぐっと奥まで満たされたと思ったら、僕の首筋を甘噛みしながら、今度は下からゆっくりと突き上げられた。同時にサクラのしなやかな尻尾が、背中をするするとあやすように撫でてきて、くすぐったさと与えられる快感に肌が粟立つ。

「あっ、やぁぁぁっ、やっ」

「ん、感じてる声も可愛いな。もっと聞かせてくれ」

 耳元で低く囁かれて、火が灯ったように全身が火照り出す。少しずつ腰の進め方が早くなって、繋がった場所から聞こえる水音が大きくなる。抑えることができない声と、サクラが動くたびに聞こえてくる淫らな音に、鼓膜からも愛されているような気がしてクラクラする。熱いもので満たされて熟れきった中を穿うがたれるたび、腰から痺れるような愉悦が全身を駆け抜けた。僕はサクラの首にすがるようにしがみついて抱きしめる。そのまま果てしなく揺さぶられ、されるがままに喘がされ、大きく息が乱れた。

「辛いか? このままだと無理をさせそうだ。一旦抜くぞ」

「あっ、やっ、抜いちゃやだぁぁ」

 ずるずると熱塊を引き抜かれ、離れていくサクラの体温に心細ささえ覚えて、思わず引き留めようとしてしまう。驚くほどに力が入らない僕の体を、サクラの逞しい腕が支えてゆっくりと横たえられた。自分が発した懇願するような声が恥ずかしくて、頬が熱くなる。

「俺と離れるのが嫌だったか? 嬉しいことを言ってくれるな」

 三角の耳をぴるるっとはためかせながら、色っぽくサクラが笑う。力の抜けた脚を折られ、腰を掴まれ体を引き寄せられる。それからサクラの体が倒れてきて、愛おしむようにしっとりとしたキスを与えられた。きらきらと糸を引いて離れた唇の甘い余韻に酔わされていると、濡れてひくひくしているその場所に再び熱があてがわれた。

「息、止めるんじゃないぞ」
 
 腰に添えられていた手にぐっと力が入って、熱塊が滑り込むように入ってくる。

「んあぁぁっ、あぁっ」

 なめらかに奥まで満たされて、堪らず声が漏れた。自然と背中がしなって、もう離したくないと言わんばかりに、僕の中がサクラの熱を抱き込もうと脈打つ。

「……っ、そんなにしたら無茶苦茶にしてしまいそうになるだろう」

 少し眉を寄せたサクラが吐息交じりに言い放ち、腰を小刻みに動かし始めた。欲をたたえた煌めく琥珀色の瞳に見据えられて、体中の血が湧きたつような感覚に肌がざわめく。

「ちがっ、あっ、体が勝手に……っ、あぁっ」

 否定したくてかぶりを振って見せたが、奥に奥にと押し入るように揺さぶられて、そのたびに押し寄せてくる波のような快感にあっけなく打ち消されてしまう。

「無意識に俺を飲み込もうとするなんて、奏汰、もうしっかり俺のものになったな」

 そう言って嬉しそうに眼を細めたサクラの腰の動きが、より大きく淫らになっていく。与えられる快感に抗うことも、漏れ出る声を抑えることもできない。
 
「あっ、あっ、あぁっ」

 突き上げられるたびに、足先が空を蹴るように跳ねる。
 フワフワと体が浮いてしましそうな気がして、ぎゅっとシーツを掴み背中をしならせる。すると差し出すようになってしまった胸の突起を、サクラの尻尾がくすぐるように弄ぶ。同時に耳朶を食まれ、首筋を吸われ、あらゆる場所をキスで愛撫しながら、僕の中にある一番繊細な場所に熱を打ち付けるように突き入れられて、体中がビリビリと痺れるような快楽に包まれた。自分の意志とは関係なく、腰が震える。

「ここ、気持ちいいな。俺のを締めつけてくる」

「やっ、そんなっ、なにっ、はあぁっ」
 
 とめどなく繰り返される抜き差しに、腰の奥が疼いて何かが弾けてしまいそうな感覚に襲われる。それは波のように打ち寄せてきて、僕を飲み込んでしまおうと近づいてくる。今まで感じたことのない感覚に、このままでは体が変になってしまいそうな気がして怖くなる。

「ひあっ、サクラっ、そこばっかり……っ、やあっ」

 次々に溢れてくる涙を止めることができない。そんな僕をなだめるように、頬にサクラの大きくて温かい手が触れた。

「奏汰? どこか痛むのか?」

 突然泣き出した僕に、サクラが荒い息を制しながら、その動きを止めて聞いてくる。

「ちがっ、こわいっ……、お尻の奥、へんになりそっ」

 そう言っている間にも、自らサクラの熱を求めるように中が脈打ち、完全に勃ち上がった中心は溶けたようにしとどに濡れている。そんな僕を見て、「あぁ、そうか」とサクラが何か思いついたように呟く。ふわりと笑みを浮かべた唇に流れる涙を吸われ、優しくキスを施される。

「奏汰、それは変なんじゃなくて『気持ちいい』の間違いじゃないのか?」

「へ? でもこんなの知らない……っ」

「少しずつ覚えていけばいい。初めてでこんなに感じて、中だけで達しそうになって泣いてしまうなんて、やっぱり可愛すぎだ。安心しろ、奏汰がどれだけ乱れても俺が全て受け止める」

 そう言い終わると、一番太い場所を残してずるりと熱塊を引いたサクラが、そこから一気に腰を進めてきた。奥まで埋め尽くして、掻き出すように擦られる。大胆なその腰使いで与えられる愉悦に、僕はまた涙を流しながら翻弄されていった。

「やあっ、あぁぁっ、あっ」

 穿たれるたびに目の前で星屑が散る。奥へ奥へと突き入れられて、僕は強い恍惚感に導かれながら、触れられてもいない中心から熱い蜜を放った。弾けるように甘い痺れが全身を駆け巡り、体がビクビクと震える。

「ひぁっ、やっ、アァァー……」

 瞬間、熟れきった蕾がきゅっと狭まり、更に存在感を増した熱に二回、三回と最奥を抉るように突き上げられた。腰の奥深くにたっぷりとしたものが注がれ、広がっていくのを感じる。その熱感に、とろとろと溶かされていくように頭の中が真っ白になっていく。サクラの体が倒れてきて、優しく抱きしめられる。
 
「……奏汰、愛している」

 遠くなる意識の向こう側で、サクラの柔らかい低音が聞こえた。返事をしたかったが、溶けきってしまった体はその意志に反してひとつも動いてくれそうにない。
 甘い余韻と多幸感に包まれて、僕はふわりと意識を手放した。
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