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219、投げられたコイン
「同じ討伐隊の一員? 勘違いしないで。貴方たちは、私たちの邪魔をしないでいてくれたらそれでいいわ」
オリビアの冷たい視線に、エイジは困ったような顔をして差し出した自分の手を眺めていた。
(はは、参ったな……どうやら助っ人として歓迎されてるって感じじゃなさそうだ)
エイジは、差し出した右手をひっこめて頭を掻く。
オリビアの態度に、アンジェが憤った様子で前に進み出る。
「ちょっと! 何よその偉そうな態度? せっかくエイジが、一緒に頑張ろうって言ってるのに!」
その姿を見てエイジは思う。
(アンジェ、お前だって最初会った時は大概だったぞ?)
店にいきなり現れて、自分に戦いを挑んできたダークエルフの少女。
エイジは、その時のことを思い出してため息をついた。
オリビアは、詰め寄るアンジェを意に介することも無く──
「一緒に頑張る? 余計なお荷物をしょわされて、迷宮の中に入らされるこちらの身にもなって欲しいものね」
そう切り返す美しき女騎士に、アンジェの柳眉が吊り上がる。
思わずその右手が紅の『柄』に触れた。
「余計なお荷物ですって! 言わせておけば、この女!!」
「何その手は、剣を抜くつもり? いいわ、やってみなさい。身の程を知るだけよ」
ライアンとシェリルが、慌てたようにオリビアに声をかける。
「お、おい! どうしたんだよオリビア、そんなにムキになってよ。いつも冷静なお前らしくないぜ」
「そうにゃ、オリビア! どうしたんだにゃ? やめるにゃ!!」
殺伐とした雰囲気にエリクも止めに入ろうとするが、ジーナはその肩に手を置いた。
「ほっときな、エリク。トラブルになるなら迷宮に入る前のほうがいい、そうだろ?」
「ジーナ隊長。それはそうですが……」
睨み合うアンジェとオリビアを眺めながら、ジーナは言った。
「5分だけやるよ、お互いやりあってみな。エイジ、ライアンあんたたちはそれぞれアンジェとオリビアに加勢しな。前衛同士の二対二の試合さ、面白いだろう? 今回の仕事のカギを握るのは前衛だ、お互いの力を知っておいて損はないさ」
ライアンがそれを聞いて、驚いたようにジーナに尋ねる。
「で、でもジーナ隊長! こいつら『ゲスト』なんだろう? 傷でも負わせて、面倒に巻き込まれるのは御免だぜ」
ジーナは笑う。
「安心しな。その二人は『ゲスト』でもなんでもないさ。それに気を付けるんだね、傷を負うのはあんたたちかもしれないよ? それが怖いならやめときな」
その言葉にライアンの気配が変る。
「言ってくれるじゃねえかよ、隊長。そこまで言われたら、こっちだって引けねえぜ!」
エリスとリアナが慌ててジーナに言った。
「ちょっとジーナさん!」
「討伐隊の仲間同士で戦うなんて、意味ないわ!」
ジーナは二人の抗議を聞きながら笑みを浮かべる。
「意外とそうでもないさ。だろ? エイジ」
美しい警備隊長の言葉にエイジはふぅと息を吐いた。
確かに、相手の力を知るのならば剣を合わせるのが一番だ。
(ましてや、それが互いに命を預ける相手なら尚更だからな)
その為の手合わせなら意義はあるということだろう、とエイジは思う。
それにジーナが言うように迷宮の中に入って、いざという時にもめるよりは遥かにましだ。
「分かったよ。喧嘩じゃなくて試合なら構わないさ」
ライアンはそれを聞いて槍を構える。
「上等じゃねえか、後悔するぜ。この試合を受けたことをな!」
いつ取り出したのだろうか、ジーナの右手には一枚の銅貨が握られている。
ジーナの指がそれを空高く弾く。
放物線を描いたコインが光を反射して地面に向かって落ちてくる。
「その銅貨が地面に落ちたら試合開始だ、いいね」
キィンン!
コインが地面に触れて高い音が鳴り響いたその瞬間──
「行くぜ!!」
ライアンが持つ巨大な槍の穂先が、見事というしかない程の速さで振り下ろされていた。
オリビアの冷たい視線に、エイジは困ったような顔をして差し出した自分の手を眺めていた。
(はは、参ったな……どうやら助っ人として歓迎されてるって感じじゃなさそうだ)
エイジは、差し出した右手をひっこめて頭を掻く。
オリビアの態度に、アンジェが憤った様子で前に進み出る。
「ちょっと! 何よその偉そうな態度? せっかくエイジが、一緒に頑張ろうって言ってるのに!」
その姿を見てエイジは思う。
(アンジェ、お前だって最初会った時は大概だったぞ?)
店にいきなり現れて、自分に戦いを挑んできたダークエルフの少女。
エイジは、その時のことを思い出してため息をついた。
オリビアは、詰め寄るアンジェを意に介することも無く──
「一緒に頑張る? 余計なお荷物をしょわされて、迷宮の中に入らされるこちらの身にもなって欲しいものね」
そう切り返す美しき女騎士に、アンジェの柳眉が吊り上がる。
思わずその右手が紅の『柄』に触れた。
「余計なお荷物ですって! 言わせておけば、この女!!」
「何その手は、剣を抜くつもり? いいわ、やってみなさい。身の程を知るだけよ」
ライアンとシェリルが、慌てたようにオリビアに声をかける。
「お、おい! どうしたんだよオリビア、そんなにムキになってよ。いつも冷静なお前らしくないぜ」
「そうにゃ、オリビア! どうしたんだにゃ? やめるにゃ!!」
殺伐とした雰囲気にエリクも止めに入ろうとするが、ジーナはその肩に手を置いた。
「ほっときな、エリク。トラブルになるなら迷宮に入る前のほうがいい、そうだろ?」
「ジーナ隊長。それはそうですが……」
睨み合うアンジェとオリビアを眺めながら、ジーナは言った。
「5分だけやるよ、お互いやりあってみな。エイジ、ライアンあんたたちはそれぞれアンジェとオリビアに加勢しな。前衛同士の二対二の試合さ、面白いだろう? 今回の仕事のカギを握るのは前衛だ、お互いの力を知っておいて損はないさ」
ライアンがそれを聞いて、驚いたようにジーナに尋ねる。
「で、でもジーナ隊長! こいつら『ゲスト』なんだろう? 傷でも負わせて、面倒に巻き込まれるのは御免だぜ」
ジーナは笑う。
「安心しな。その二人は『ゲスト』でもなんでもないさ。それに気を付けるんだね、傷を負うのはあんたたちかもしれないよ? それが怖いならやめときな」
その言葉にライアンの気配が変る。
「言ってくれるじゃねえかよ、隊長。そこまで言われたら、こっちだって引けねえぜ!」
エリスとリアナが慌ててジーナに言った。
「ちょっとジーナさん!」
「討伐隊の仲間同士で戦うなんて、意味ないわ!」
ジーナは二人の抗議を聞きながら笑みを浮かべる。
「意外とそうでもないさ。だろ? エイジ」
美しい警備隊長の言葉にエイジはふぅと息を吐いた。
確かに、相手の力を知るのならば剣を合わせるのが一番だ。
(ましてや、それが互いに命を預ける相手なら尚更だからな)
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それにジーナが言うように迷宮の中に入って、いざという時にもめるよりは遥かにましだ。
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いつ取り出したのだろうか、ジーナの右手には一枚の銅貨が握られている。
ジーナの指がそれを空高く弾く。
放物線を描いたコインが光を反射して地面に向かって落ちてくる。
「その銅貨が地面に落ちたら試合開始だ、いいね」
キィンン!
コインが地面に触れて高い音が鳴り響いたその瞬間──
「行くぜ!!」
ライアンが持つ巨大な槍の穂先が、見事というしかない程の速さで振り下ろされていた。
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