成長チートになったので、生産職も極めます!

雪華慧太

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連載

218、ゲスト

「エリク先輩……それに、ジーナ隊長もいるぜ! ん? 何だあいつら、一緒に誰かこちらに来るぜ」

 ライアンの言葉にシェリルが猫耳をピンと立てて頷いた。

「ほんとだにゃ、冒険者みたいだにゃ」
 
「冒険者? たく、エリク先輩も心配性だな。俺たちだけで十分だってのによ」

 ライアンはそう言うと、大槍を構えてオリビアの方を振り向いた。

「なあ? オリビア」

 オリビアは肩をすくめると。

「念のためのサポートでしょうね。足手まといにならない連中であることを祈るだけよ」

 モデルのようなスタイルと、どこか男装の麗人のような美貌を持つ女騎士はそう言うと、先程抜いたサーベルを華麗な仕草で鞘におさめる。
 宝石のように煌めくエメラルドグリーンのショートヘアが、静かに靡いた。
 オリビアの冷静で辛辣な一言にライアンは笑う。

「へへ、間違いねえな。俺たちの邪魔をしない程度の実力はあるんだろうな? お荷物を連れて行くのだけは御免だぜ」

 ジーナとエリク、そして連れの四人が近づいてくる。
 先頭を歩くジーナとエリクの横に並んでいる少年、その胸から提がっている冒険者の証。
 一瞬、それが光に反射して遠目にもその色が判別出来た。

「うにゃ~、今の見たにゃ? 二人とも……」

 うんざりした様に、猫耳をくたっとさせるシェリルの言葉。
 ライアンも思わず小さく舌打ちをする。

「Eランクだと? 嘘だろ……」

 シェリルが頷く。

「何考えてるにゃ、エリク先輩」

 うんざりしたような声を出す二人に、オリビアは言った。

「『ゲスト』のようね。大方、有力貴族の血縁者といったところでしょう」

「よりにもよって『ゲスト』を連れての任務だにゃんて、やってられないにゃ!」

『ゲスト』というのはお忍びで大迷宮に訪れる貴族や、その血縁者の一部を指す隠語だ。
 自らの力で冒険を楽しむ者が多い中で、ごくまれに警備隊の警護が付く対象者がいる。
 警備隊の隊員たちの中では、彼らはいわゆる『ゲスト』と呼ばれていた。

「迷宮にやってくるのは勝手だけどよ、冒険者の真似事がしたいなら自分の力でやりやがれってんだ」

 ライアンは不満そうにそう口にしたが、ジーナたちの後ろからやってくる三人の少女の姿を目の当たりにして、口を閉ざした。

(うっそだろ……メチャクチャ可愛いじゃねえかよ、あの子たち!)

 生意気そうだが、可憐で妖精のようなダークエルフ。
 天使のような美貌を持つ治療魔道士。
 そして、燃えるような赤毛の魔道士。
 気品さえ感じさせるその美貌に、呆然と立ち尽くすライアンを一瞥して、シェリルは深いため息をついた。

「ふにゃ~、駄目にゃこりゃ。目がハートになってるにゃ」

「ば、馬鹿言ってるんじゃねえよシェリル、だ、誰がそんな……」

 ライアンが動揺する中、エリクが若き隊員たちに声をかける。

「遅くなってすまなかった。紹介しよう、こちらは同行してもらうことになったエイジ、それにエリスとリアナ、それからアンジェだ」

 エリクは、そう言ってエイジたちをライアンたちに紹介すると、今度は逆に──

「エイジ君たちにも紹介するよ。こちらがさっき言っていた討伐隊のメンバーのライアンとオリビア、そしてシェリルだ」

 ジーナは、付け加えるようにエイジに説明する。

「三人とも若手の中では将来を期待されている連中さ。ライアンは槍使い、シェリルは魔道士、オリビアは私と同じで魔法剣士だね。私と違って、回復魔法や聖属性魔法を使う聖騎士と呼ばれる魔法剣士さ」

「へえ、聖騎士か。凄いな!」

 エイジは感心したようにオリビアに歩み寄る。

(綺麗な子だな。確かに、凛としてていかにも聖騎士って雰囲気だ)

 そうエイジは思いながら、右手を差し出して握手を求める。

「よろしく、オリビア、ライアン、シェリル。同じ討伐隊の一員として頑張ろう!」

 オリビアはエイジの手を一瞥すると、その手を取ることも無く静かに口を開いた。

「同じ討伐隊の一員? 勘違いしないで。貴方たちは、私たちの邪魔をしないでいてくれたらそれでいいわ」
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