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世界はとても残酷で(特にご飯が)
文句があるなら美味しいご飯を持ってこい
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そんなこんなで、なんとか人間性を取り戻せるご飯を手に入れられるようになってきました。やったね!
まあ、時々焦がしたり生焼けだったりするけどご愛嬌。
パワーバーとサプリメントオンリー食事よりはよっぽどマシ。
このまま透子さんってば料理上手になって!
透子さんも、ちゃんとした食事による寝起きの良さや肌の調子、お通じの良さで食事の重要性をしみじみ感じているよう。
自分でも作りたいけど、子供用包丁の見つからない今、幼女料理にトライすることができないの。
流石にこの小さなお手手じゃ大人用に包丁は使いづらい。
台所周りはぼちぼち充実してきたけどね。
食器に鍋にボウル。まな板は前からあったけど戸棚に仕舞われ使われることのない状態だったよ。
前はモデルハウスみたいなピカピカキッチンだったけど、ようやく生活感が出てきた。
徐々に食生活が改善することにご機嫌だった私ですが、今最大の試練が現れたのです。
「コレはどういうことだ」
そう言ってレシートを見ながら攻めたのはお父さんだった。
華やかなパパとは違って目鼻立ちの整った美形ではあるが、よく言えば真面目そうで悪く言えば堅物そうな冷ややかな顔立ちをしている。
パパとは反対とも言えるタイプに、ママの好みってどうなってるの…?と不思議に思う。
イヤ、子どもを産むのが仕事って言っちゃうくらいだから、わざと色んなタイプの旦那を選んでいるのかも?
「ここ二、三ヵ月、光熱費や買い物が増えているな」
「は、はい。申し訳ありません」
「内訳は?」
「はい、その、調理器具や食材費、料理することで発生する光熱費が高くなったのかと」
お父さんの整った眉がぴくっと動く。
「料理?何故そんなものを実に与えた!?」
おっと、ぼんやり見てる場合じゃない!
透子さんは幼女のワガママを叶えてくれただけよ!
「お父さん、みのりが言ったの!お料理してみたいって」
娘の訴えにお父さんの固い雰囲気が若干緩まる。
が、まったく納得はしていなさそう。
「みのりがね、ニャンコの絵本読んでね、コロッケ食べたいって!」
ツラツラ喋る娘の言葉にうん?という表情で透子さんを見るお父さんの表情に埒があかないと、いまだに慣れない子ども部屋から十一匹のニャンコの絵本を持ってくる。
「コレ食べてみたくてね、透子さんにお願いして作って貰ったの!」
「それ以来料理に興味を持たれたようで、ご報告した通り現在では葛木さんという方に習っています」
「…報告されていたが、本当に続いていたのか…」
お父さんはなんとも言えない顔でこめかみを揉むと、実と真面目に呼びかける。
「料理はもうやめなさい」
「なんで?」
自分でも一瞬にして温度のない声になったのがわかった。
「なんでって、美味しくないし健康に悪いだろう?」
「いつものご飯の方が美味しくないし、お父さんはみのりを見ても健康に悪いっていうの?」
ちゃんとした食事を食べ始めてから、寝起きやお通じの調子がいい。
何より果穂も豊華ちゃんも多分そうだが、捨てられた子はシッター達に決まった時間、決まった量のご飯を与えられるだけだ。
こんな世界でも家族と暮らせば、たまにお菓子を買ってきたから一緒に食べる、新しく出た新商品のパワーバーを食べ比べ、なんてイベントも発生するが家族の輪の中に居ない私たちはそれもない。
純粋にディストピア飯が不味いのも事実だけど、それ以上に孤食なのがきついのだ。
頭に過ぎるのは前世での食卓。
家族で囲った鍋、美味しいお酒とつまみで笑い合った友達との女子会…デートで行ったイタリアン。
そんな思い出はこの世界では発生しない。
一人暮らしをし始めたらそれはそれで、好きなもん食えるぜ!とバカ自炊したな。
浅利をコレでもかと入れたボンゴレ。バカほどたっぷり栗を入れた栗ご飯。半日かけて作った大人様ランチ。クソでかプリン…。ささっと作ったおつまみで晩酌…若さと勢いで暴飲暴食をしたなァ。作るのから食べるのまで超楽しかった。
でもここじゃ、ディストピア飯が普通だからそんな楽しい暴挙もできない。
透子さんもあくまでシッターだから、一緒に食卓を囲まない。けど、料理をすることで私がお手伝いをして温かい食事をするということならコミュニケーションということで、いっしょにご飯を食べることができる。
食事に対してのストレスが減ることで痩せて小さかった実の体は、少しだけ身長が伸びた。
成長期ということを差し引いても、子どもらしいふくふくさが出てきてやっと健康的になってきた。
「たしかに大きくなったが、食事などどれも一緒だろう」
「全然違うよォ」
やっだマジで?わかってたけどそんな認識?
「危ないだろう。いつもの食事のほうが栄養が整っていて、コスパもいい」
うるせー!コストだけで食事してたまるか!
ディストピア飯をコレから先も食べ続けろってか!?
巫山戯んな!食事を変えたことで、非アレルギー性のじんましん減ったんだぞ!
ついでに肌荒れも減った。…めっちゃくちゃディストピア飯がストレスだったんだなって思ったよね…。
料理を辞めさせたければ美味しいものを持ってこい!
だが、炊き立ての土鍋ご飯に勝てる物があるか?!
豚汁!焼き魚!餃子にハンバーグ!煮魚肉じゃがだし巻き卵!
唐揚げも食べたいけど、揚げ物はまだ透子さんの技量がない!
カレーも食べたいけど、スパイスが見つからない!ハッ!材料的にシチューは作れるな!
「じゃあ、お父さん食べて行って。食べずにやめろって言うのやめて」
ここが正念場ですよ。
ーーー今後の食生活をかけた闘いが今始まる!
まあ、時々焦がしたり生焼けだったりするけどご愛嬌。
パワーバーとサプリメントオンリー食事よりはよっぽどマシ。
このまま透子さんってば料理上手になって!
透子さんも、ちゃんとした食事による寝起きの良さや肌の調子、お通じの良さで食事の重要性をしみじみ感じているよう。
自分でも作りたいけど、子供用包丁の見つからない今、幼女料理にトライすることができないの。
流石にこの小さなお手手じゃ大人用に包丁は使いづらい。
台所周りはぼちぼち充実してきたけどね。
食器に鍋にボウル。まな板は前からあったけど戸棚に仕舞われ使われることのない状態だったよ。
前はモデルハウスみたいなピカピカキッチンだったけど、ようやく生活感が出てきた。
徐々に食生活が改善することにご機嫌だった私ですが、今最大の試練が現れたのです。
「コレはどういうことだ」
そう言ってレシートを見ながら攻めたのはお父さんだった。
華やかなパパとは違って目鼻立ちの整った美形ではあるが、よく言えば真面目そうで悪く言えば堅物そうな冷ややかな顔立ちをしている。
パパとは反対とも言えるタイプに、ママの好みってどうなってるの…?と不思議に思う。
イヤ、子どもを産むのが仕事って言っちゃうくらいだから、わざと色んなタイプの旦那を選んでいるのかも?
「ここ二、三ヵ月、光熱費や買い物が増えているな」
「は、はい。申し訳ありません」
「内訳は?」
「はい、その、調理器具や食材費、料理することで発生する光熱費が高くなったのかと」
お父さんの整った眉がぴくっと動く。
「料理?何故そんなものを実に与えた!?」
おっと、ぼんやり見てる場合じゃない!
透子さんは幼女のワガママを叶えてくれただけよ!
「お父さん、みのりが言ったの!お料理してみたいって」
娘の訴えにお父さんの固い雰囲気が若干緩まる。
が、まったく納得はしていなさそう。
「みのりがね、ニャンコの絵本読んでね、コロッケ食べたいって!」
ツラツラ喋る娘の言葉にうん?という表情で透子さんを見るお父さんの表情に埒があかないと、いまだに慣れない子ども部屋から十一匹のニャンコの絵本を持ってくる。
「コレ食べてみたくてね、透子さんにお願いして作って貰ったの!」
「それ以来料理に興味を持たれたようで、ご報告した通り現在では葛木さんという方に習っています」
「…報告されていたが、本当に続いていたのか…」
お父さんはなんとも言えない顔でこめかみを揉むと、実と真面目に呼びかける。
「料理はもうやめなさい」
「なんで?」
自分でも一瞬にして温度のない声になったのがわかった。
「なんでって、美味しくないし健康に悪いだろう?」
「いつものご飯の方が美味しくないし、お父さんはみのりを見ても健康に悪いっていうの?」
ちゃんとした食事を食べ始めてから、寝起きやお通じの調子がいい。
何より果穂も豊華ちゃんも多分そうだが、捨てられた子はシッター達に決まった時間、決まった量のご飯を与えられるだけだ。
こんな世界でも家族と暮らせば、たまにお菓子を買ってきたから一緒に食べる、新しく出た新商品のパワーバーを食べ比べ、なんてイベントも発生するが家族の輪の中に居ない私たちはそれもない。
純粋にディストピア飯が不味いのも事実だけど、それ以上に孤食なのがきついのだ。
頭に過ぎるのは前世での食卓。
家族で囲った鍋、美味しいお酒とつまみで笑い合った友達との女子会…デートで行ったイタリアン。
そんな思い出はこの世界では発生しない。
一人暮らしをし始めたらそれはそれで、好きなもん食えるぜ!とバカ自炊したな。
浅利をコレでもかと入れたボンゴレ。バカほどたっぷり栗を入れた栗ご飯。半日かけて作った大人様ランチ。クソでかプリン…。ささっと作ったおつまみで晩酌…若さと勢いで暴飲暴食をしたなァ。作るのから食べるのまで超楽しかった。
でもここじゃ、ディストピア飯が普通だからそんな楽しい暴挙もできない。
透子さんもあくまでシッターだから、一緒に食卓を囲まない。けど、料理をすることで私がお手伝いをして温かい食事をするということならコミュニケーションということで、いっしょにご飯を食べることができる。
食事に対してのストレスが減ることで痩せて小さかった実の体は、少しだけ身長が伸びた。
成長期ということを差し引いても、子どもらしいふくふくさが出てきてやっと健康的になってきた。
「たしかに大きくなったが、食事などどれも一緒だろう」
「全然違うよォ」
やっだマジで?わかってたけどそんな認識?
「危ないだろう。いつもの食事のほうが栄養が整っていて、コスパもいい」
うるせー!コストだけで食事してたまるか!
ディストピア飯をコレから先も食べ続けろってか!?
巫山戯んな!食事を変えたことで、非アレルギー性のじんましん減ったんだぞ!
ついでに肌荒れも減った。…めっちゃくちゃディストピア飯がストレスだったんだなって思ったよね…。
料理を辞めさせたければ美味しいものを持ってこい!
だが、炊き立ての土鍋ご飯に勝てる物があるか?!
豚汁!焼き魚!餃子にハンバーグ!煮魚肉じゃがだし巻き卵!
唐揚げも食べたいけど、揚げ物はまだ透子さんの技量がない!
カレーも食べたいけど、スパイスが見つからない!ハッ!材料的にシチューは作れるな!
「じゃあ、お父さん食べて行って。食べずにやめろって言うのやめて」
ここが正念場ですよ。
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