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第6話 解決編3 (謎1)
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ヒデリンとマッサン、互いに顔を見合わす。
「いやあ、失礼。たぶん、こういうことであろうと予測はしてたんだけどね。マッサンに直接確認したかったんで、わざわざ出向いてもらったんです。でもこれではっきりしましたよ」
「マッサン、解った?」
「いや、全然」
「賴光先生、我々全然解らないですが…」
「説明しましょう。マッサン?」
「あ、はい」
「ヒデリンも一緒に聞いて」
「聞きます」
「聞きますとも」
「今の私の説明に対して、マッサンはまずは相槌を打ったよね? ヒデリン」
「あ、はい」
「傍で聞いてて、マッサンはどのような相槌を打ってた?」
「ええっと、…ええ…」
「ぼ~さ~っと、聞いてたん?」
「えっ、いや、あの、『うん』とか『はい』とか」
「そんなこと言ってないだろ」
「あ、そうでした?」
「今、何て言った?」
「え?」
「先生、ヒデサン、『あ、そうでした?』って、言いました。
「あ、そう!」
と言いつつ、賴光先生、またまたニヤリ。
「マッサン、キートン氏との会話の中でも『あ、そう…』という相槌を頻繁に使ったんじゃない?」
「ええっと、そう言われると習慣的に結構使ったような気がしますが。えっ、それが下品になるんですか?」
「なるんです、実は。日本人同士の日本語での会話の場合、相手の話したことへの確認の意味でよく『あ、そうですか』、『あ、そうなん』、『あ、そうですね』、軽く『あ、そう』といった相槌を打つよね」
「打ちますね」
「この『あ、そう…』がね、日本語を知らない、所謂ネイティブな外人さんには "Asshole" 或いは "Ass Hole" と聞こえるのです。
「先生、その意味は?」
「まあマッサン、あわてない、あわてない。今、説明します」
「はい」
「"Ass" のあとの "Hole" はご存じですね?」
「ダンスホールとかのですか?」
「ヒデリンはどう?」
「マッサンと同じ」
「違う! "Ass Hole" はHole(ホウル)で、 "Dance Hall" はHall(ホール)。ダンスホールよりマンホールを思い浮かべてみて。"Ass Hole" の "Hole" は「穴」ですね」
「……」
「……」
「だいたい、解ってきた? マッサン」
「いえ、まだ」
「問題は "Ass" 。あまり上流社会では使われない。親しい者同士では普通に使う。さてここで、クエスチョン。少々品位に欠けるが親しい間柄では普通に使う言葉で「尻」と言うと…、ヒデリン?」
「『ケツ』ですか?」
「ザッツライ! 『Ass』とは『尻』という意味ではあるが、ニュアンス的には『ケツ』に極めて近い」
「はあ~、そうでしたか! やっと解ったよ、ヒデサン」
「なるほど。『ケツの穴』か! 確かに、下品と言えば、下品だね。これは難しい」
「まあ、無理はないさ。知らなくて、当然」
「いやあマッサン、驚いたよね」
「驚きましたよ。あーあ、もっと早く知っていれば…」
「まあこれは余談だが、アメリカ英語では "Ass Hole" だが、イギリス英語だと "Arse Hole" になるね。発音はどうか? これは私の考えだが、日本語的には "Ass Hole" だと「あ、そう」。 "Arse Hole" だと「ああ、そう」ではないかと思う。
「賴光先生、こんな下品な言葉、外国ではあまり使われないんですか?」
「英語圏の国では、結構使われると思う。でもね、ちょっと使い方が違ってたりするよ」
「どう違うんですか?」
「うん、あのね。文字通り『ケツの穴』としての使用頻度は多くないだろうね。それよりスラングとして使うことの方が多く、その場合は『クソ野郎』とか『くず野郎』と言った意味になるね。特に相手を罵るときには、前に "You" を付けて『このくそったれ』とか『このクソ野郎』のように、非常に汚い言葉になるね」
「うわっ!」
「まあ今回のマッサンの場合はキートン氏の説明を真剣に聞いていて相槌を打ったのだから、文字通りの『ケツの穴』ととられ、真面目な顔して品位のない日本人と思われたことだろうね、お気の毒に!」
マッキーです。
どうやら、無事全問解決したようです。
マッサン、また遊びにお出でください。
賴光先生、ごくろうさまでした。
「いやあ、失礼。たぶん、こういうことであろうと予測はしてたんだけどね。マッサンに直接確認したかったんで、わざわざ出向いてもらったんです。でもこれではっきりしましたよ」
「マッサン、解った?」
「いや、全然」
「賴光先生、我々全然解らないですが…」
「説明しましょう。マッサン?」
「あ、はい」
「ヒデリンも一緒に聞いて」
「聞きます」
「聞きますとも」
「今の私の説明に対して、マッサンはまずは相槌を打ったよね? ヒデリン」
「あ、はい」
「傍で聞いてて、マッサンはどのような相槌を打ってた?」
「ええっと、…ええ…」
「ぼ~さ~っと、聞いてたん?」
「えっ、いや、あの、『うん』とか『はい』とか」
「そんなこと言ってないだろ」
「あ、そうでした?」
「今、何て言った?」
「え?」
「先生、ヒデサン、『あ、そうでした?』って、言いました。
「あ、そう!」
と言いつつ、賴光先生、またまたニヤリ。
「マッサン、キートン氏との会話の中でも『あ、そう…』という相槌を頻繁に使ったんじゃない?」
「ええっと、そう言われると習慣的に結構使ったような気がしますが。えっ、それが下品になるんですか?」
「なるんです、実は。日本人同士の日本語での会話の場合、相手の話したことへの確認の意味でよく『あ、そうですか』、『あ、そうなん』、『あ、そうですね』、軽く『あ、そう』といった相槌を打つよね」
「打ちますね」
「この『あ、そう…』がね、日本語を知らない、所謂ネイティブな外人さんには "Asshole" 或いは "Ass Hole" と聞こえるのです。
「先生、その意味は?」
「まあマッサン、あわてない、あわてない。今、説明します」
「はい」
「"Ass" のあとの "Hole" はご存じですね?」
「ダンスホールとかのですか?」
「ヒデリンはどう?」
「マッサンと同じ」
「違う! "Ass Hole" はHole(ホウル)で、 "Dance Hall" はHall(ホール)。ダンスホールよりマンホールを思い浮かべてみて。"Ass Hole" の "Hole" は「穴」ですね」
「……」
「……」
「だいたい、解ってきた? マッサン」
「いえ、まだ」
「問題は "Ass" 。あまり上流社会では使われない。親しい者同士では普通に使う。さてここで、クエスチョン。少々品位に欠けるが親しい間柄では普通に使う言葉で「尻」と言うと…、ヒデリン?」
「『ケツ』ですか?」
「ザッツライ! 『Ass』とは『尻』という意味ではあるが、ニュアンス的には『ケツ』に極めて近い」
「はあ~、そうでしたか! やっと解ったよ、ヒデサン」
「なるほど。『ケツの穴』か! 確かに、下品と言えば、下品だね。これは難しい」
「まあ、無理はないさ。知らなくて、当然」
「いやあマッサン、驚いたよね」
「驚きましたよ。あーあ、もっと早く知っていれば…」
「まあこれは余談だが、アメリカ英語では "Ass Hole" だが、イギリス英語だと "Arse Hole" になるね。発音はどうか? これは私の考えだが、日本語的には "Ass Hole" だと「あ、そう」。 "Arse Hole" だと「ああ、そう」ではないかと思う。
「賴光先生、こんな下品な言葉、外国ではあまり使われないんですか?」
「英語圏の国では、結構使われると思う。でもね、ちょっと使い方が違ってたりするよ」
「どう違うんですか?」
「うん、あのね。文字通り『ケツの穴』としての使用頻度は多くないだろうね。それよりスラングとして使うことの方が多く、その場合は『クソ野郎』とか『くず野郎』と言った意味になるね。特に相手を罵るときには、前に "You" を付けて『このくそったれ』とか『このクソ野郎』のように、非常に汚い言葉になるね」
「うわっ!」
「まあ今回のマッサンの場合はキートン氏の説明を真剣に聞いていて相槌を打ったのだから、文字通りの『ケツの穴』ととられ、真面目な顔して品位のない日本人と思われたことだろうね、お気の毒に!」
マッキーです。
どうやら、無事全問解決したようです。
マッサン、また遊びにお出でください。
賴光先生、ごくろうさまでした。
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