奴隷はツライよ。

百合子

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4.劣悪な環境だからこそ温かさがより伝わります

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「えーーっ!お風呂っないんですかっ?!」


「そーーんな贅沢なもの奴隷のわたしらに使えるわけないだろうが!いいかげんにしなっ!身体は拭けばいいんだよ!あんた、ほんとどこの誰なんだっ!本当にわたしらと同じ人かい?!」


「うぅ…そうなんだ…、お風呂。ないんだ…」

もう、かれこれ4日も入っていない…。
エリプリルは少し泣きそうになる。。


「はぁぁー。ったく、もう熱も下がったようだし、どうしても体を洗いたいなら川に行くよっ!
外ももう暗いから髪をかくしたらあんたでも目立たないだろうけど、、
山の方の川だから暗すぎて今は無理だね。明け方行って、皆が動き出す前に戻ってこようかね」


「かっ川で洗うんですか?」


「そうだっ!川でも川底から温かい湯が上がる場所があるのさ。連れていってやるからそこで洗いな!文句つけるんじゃないよ!」


「はい!ありがとうございますっ!」


とりあえず、身体をつけて洗えるならこの際、川でも池でも喜んで行きますよっ!





この非人道的な怖すぎる世界に来て4日目…。

ほーーんとにビックリの連続技。。



お祭りに来てたハズのわたしは、気づいたらこの世界の洗濯場の泉にたたずんでいて、、

たまたま居合わせたこのヨリさんに匿ってもらえた。

ヨリさんはこの商家の奴隷らしいけど、その中でも、女性の奴隷達を束ねる立場らしい!


だから、他の奴隷の人とは違って離れの個室を与えられてるそうだ。。

ヨリさんはぶっきら棒なもの言いだけど、それは言葉だけで、態度はすごく優しい。


数年前に売られてしまった…娘さんの着ていた大切な服を貸してくれて、食事も分けてくれる。

水と食べ物が合わなくて、ずっと熱で寝込んでは吐いての繰り返しで大変だった私に、ベッドを譲ってくれて、「やわな子だっ」って文句言いながらも部屋にいる時間はずっと看病してくれた。。


この数日で、私はヨリさんが大好きになった。


何もこの世界のコトを知らない私を、間違いなく不思議に思っているだろうけど、事情は問わずに記憶喪失の人に教えるように、色々と教えてくれた。


まず、この世界には私のような白すぎる肌や髪色の人間はあまりいないらしい。

最初は、精霊かお化けかと思ったくらいだって…笑える

みんな蜂蜜色かはだ色のような色合いの人がほとんどで、私みたいな人間は見つかると売られるか殺されるかだって言われた……。

絶対嫌だし、怖すぎます。。





「さぁ、少し眠りなっ!明日は早いよ」

「お休みなさい、ヨリさん。ありがとう」


数時間後、久しぶりに外に出てヨリさんと温泉とは言い難いヌルめの川に入る…。


数日ぶりなのでかなり念入りに髪や身体を洗った。

「あーっ!サッパリしたぁー!!」


「しかし、私もデカい方だけど、あんたの乳はデカいだけじゃなくて、形も色も綺麗だねー!ぷるんっぷるんだっ!驚いたよっ!」


普段、お胸のコトを言われるのは嫌だけどヨリさんに言われると素直に嬉しい。


服を着る時、ヨリさんの背中がチラリと見えた…。

酷い傷が沢山、沢山、見えた…古いものも新しいものも。。

ヨリさん、こんなにいい人なのに酷い目にあってきたんだね………。






商家に戻ってすぐに、、、私は捕まった…。。

抵抗はしなかった。ヨリさんにもう酷いコトをして欲しくなくて。







「今日の超っ超っ目玉の奴隷だよーーーっ!!!

もう、こんな綺麗な上物!!真っ白な肌、真っさらな生娘は2度と買えないよーー!!!

超目玉だっ!旦那方ーっっ!!!」



大切な部分だけかろうじで見えないような扇情的な服を着せられて、沢山の人の前に立たされた。。



歓声と値段を叫ぶ声が繰り返される…。





雑音のなか、、、その場を一瞬で支配するようなよく通るテノールが響きわたった。。




「私が買う」





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