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第一章
第27話 番外編・遠吠え(カナタ視点)
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日が昇り村の広場に連れ出される。
拘束ははずされることなく、繋がれてる縄を引きずられてだ。
数人が駆け寄ってこようとしたが、ヒナツによって阻まれる。そして、ヒナツが声をかけたあとは、俺達に駆け寄ろうとしなくなった。
「がぅぁふぁぅぁご! ぐがぁぁあぁぁぁぁ!!(何なんだよ! 俺達が、何したっていうんだ!!)」
叫び声をあげたくても、口輪を変えられ話す事が出来なくなった。
ヒナツのこちらを見てくる視線が鋭くなった。
「静かにしないと、ミラ君がどうなっても知りませんよ?」
ヒナツの言葉に嘘だと思いつつ、確かめようがない状態で吠える事も塞がれる。
広場にいつもはない、大きな丸太が三本立っていた。
それに背を当てられ、ぐるぐると縄を巻かれた。
父ちゃん、母ちゃんも同じように丸太に縛り付けられる。
その間、一人の男が駆け寄ってきたが俺達を運んできた男が手に持った鈍器で殴り追い払った。
状態が酷かった三人の子ども。そのうちの一人の父親だった。
離れていった男にもヒナツが何かを言いに行く。
「嘘だ、そんな……」という言葉が聞こえてきた。
話し終えたのかヒナツが歩み寄ってくる。その後ろにアルラを運ぶ見知らぬ男。村の獣人じゃない?
ウォォォォォォン
耳を塞ぎたくなるくらい大きな声が響く。遠吠えだ。遠くの仲間まで声を届ける狼獣人の使えるスキル。
「さて、そろそろ始めましょうか」
ヒナツが大げさに手を叩き衆目を集める。
「毒を広めた犯人。ウルズの裁判を!!」
何を言ってるんだ? この男は。
父ちゃんが毒を広めた? そんな馬鹿な事あるか!
ミラが病気になった時も、同じ病気になった子どもすべてをまわり、毎日確認や手伝いがないか聞き走り回ってたんだ。全員が良くなるよう誰よりも祈ってた。なのにっ!!
「この男は、自分が村長になるために毒をばら撒き、必死で治療を手伝う真似事をした。金を集め、己の懐にしまいこみ、我が子も同じ目にあわせることで皆の目を欺いた」
違う違う違う!
そんな事、絶対にしない。俺もミラも大切にされてた。父ちゃんはそんな事しない!!
「僕が必死に買ってきた薬を入れ替え売り飛ばしていたんだ。この前見た少女。あれは別種族の商人だったんだろう。風狼族や雷狼族では足がつくからな」
やめろ!! やめろぉぉぉ!!
叫びたい。でも、ミラが捕まっているかもしれない。歯を食いしばりなんとか耐える。
母ちゃんも父ちゃんもミラのために必死に我慢してる。俺が我慢出来なくてどうするんだ。
悔しさから目が熱くなる。流すまいと考えているのに、熱い涙が頬を伝って落ちる。
「これが毒の正体だ。この男の家にあった。これはただの大きな花に見えるがその実態はアルラウネ! 毒の花だ!! これで皆に毒をまいていたんだ!!」
場にいる人々がざわめきたつ。
違う、アルラだって……皆を治すために解毒草を――。
「待て!! こんな事はやめろ!!」
声をあげる男がいた。謎の病気が広がっていく中、鎮めてもらうために神様に捧げられた女の子、イーシャの父親ジューイだった。
「皆もウルズさんの話を聞きたいよな!? 片方だけの意見だけでおかしいじゃないか! 子どもまでしばりあげ口をふさぐなんて!!」
「……そうだ。ウルズさんがしたって証拠はあるのか!」
「ヒナツさんしか喋ってないじゃないか」
数人が俺達を庇い始めるとヒナツの顔が歪んだ。
「ですが、彼の子どもが一番先に治ったのは事実。危なくなって真っ先に薬を投与した。隠し持っていた解毒薬があったからに他ならないではないですか!! 一週間と期限を切れば次々と薬を配り、親しい者を優先して治していった。まだ治療を受けてない者はウルズと仲良くなかった人達ではないですか?」
「いや、ただ単に状況が悪かった子どもから順番だった。ウルズさんは全員の調子を逐一聞いてくれていた!!」
ジューイの言葉にヒナツの冷静な顔がどんどん崩されていく。
父ちゃんが頑張ってたのを知ってくれてる人がいる。嬉しかった。
「だから、それは自分の地位を、かためるための……」
「回ってると言えばお前もだろう! ヒナツさん! 薬を触る機会だってウルズさんと一緒だ。それに悪くなっていった順はヒナツさんと不仲な順でもあるぞ!」
「まったく、これだから雷狼族は……」
ジューイの後ろに村の者じゃない男が立っている。
これではさっきの人のように――。
「こらぁぁぁぁ!! そこの悪いやつら、とまりなさぁぁぁぁぁぁいぃぃぃ!!!! とぅっ!!」
俺達とヒナツの間に大きな獣が飛び出してくる。
「皆の健康を悪くする病気のもとは注射してやっつけてやるんだから!!」
狼獣人の間で伝え聞く神獣にまたがった神様……ではなく、帽子を被ったソラにまたがる、なんかよくわかんないけど可愛い服を着たハルカだった。
後ろにいるミラやライムまで服がかわっていた。
拘束ははずされることなく、繋がれてる縄を引きずられてだ。
数人が駆け寄ってこようとしたが、ヒナツによって阻まれる。そして、ヒナツが声をかけたあとは、俺達に駆け寄ろうとしなくなった。
「がぅぁふぁぅぁご! ぐがぁぁあぁぁぁぁ!!(何なんだよ! 俺達が、何したっていうんだ!!)」
叫び声をあげたくても、口輪を変えられ話す事が出来なくなった。
ヒナツのこちらを見てくる視線が鋭くなった。
「静かにしないと、ミラ君がどうなっても知りませんよ?」
ヒナツの言葉に嘘だと思いつつ、確かめようがない状態で吠える事も塞がれる。
広場にいつもはない、大きな丸太が三本立っていた。
それに背を当てられ、ぐるぐると縄を巻かれた。
父ちゃん、母ちゃんも同じように丸太に縛り付けられる。
その間、一人の男が駆け寄ってきたが俺達を運んできた男が手に持った鈍器で殴り追い払った。
状態が酷かった三人の子ども。そのうちの一人の父親だった。
離れていった男にもヒナツが何かを言いに行く。
「嘘だ、そんな……」という言葉が聞こえてきた。
話し終えたのかヒナツが歩み寄ってくる。その後ろにアルラを運ぶ見知らぬ男。村の獣人じゃない?
ウォォォォォォン
耳を塞ぎたくなるくらい大きな声が響く。遠吠えだ。遠くの仲間まで声を届ける狼獣人の使えるスキル。
「さて、そろそろ始めましょうか」
ヒナツが大げさに手を叩き衆目を集める。
「毒を広めた犯人。ウルズの裁判を!!」
何を言ってるんだ? この男は。
父ちゃんが毒を広めた? そんな馬鹿な事あるか!
ミラが病気になった時も、同じ病気になった子どもすべてをまわり、毎日確認や手伝いがないか聞き走り回ってたんだ。全員が良くなるよう誰よりも祈ってた。なのにっ!!
「この男は、自分が村長になるために毒をばら撒き、必死で治療を手伝う真似事をした。金を集め、己の懐にしまいこみ、我が子も同じ目にあわせることで皆の目を欺いた」
違う違う違う!
そんな事、絶対にしない。俺もミラも大切にされてた。父ちゃんはそんな事しない!!
「僕が必死に買ってきた薬を入れ替え売り飛ばしていたんだ。この前見た少女。あれは別種族の商人だったんだろう。風狼族や雷狼族では足がつくからな」
やめろ!! やめろぉぉぉ!!
叫びたい。でも、ミラが捕まっているかもしれない。歯を食いしばりなんとか耐える。
母ちゃんも父ちゃんもミラのために必死に我慢してる。俺が我慢出来なくてどうするんだ。
悔しさから目が熱くなる。流すまいと考えているのに、熱い涙が頬を伝って落ちる。
「これが毒の正体だ。この男の家にあった。これはただの大きな花に見えるがその実態はアルラウネ! 毒の花だ!! これで皆に毒をまいていたんだ!!」
場にいる人々がざわめきたつ。
違う、アルラだって……皆を治すために解毒草を――。
「待て!! こんな事はやめろ!!」
声をあげる男がいた。謎の病気が広がっていく中、鎮めてもらうために神様に捧げられた女の子、イーシャの父親ジューイだった。
「皆もウルズさんの話を聞きたいよな!? 片方だけの意見だけでおかしいじゃないか! 子どもまでしばりあげ口をふさぐなんて!!」
「……そうだ。ウルズさんがしたって証拠はあるのか!」
「ヒナツさんしか喋ってないじゃないか」
数人が俺達を庇い始めるとヒナツの顔が歪んだ。
「ですが、彼の子どもが一番先に治ったのは事実。危なくなって真っ先に薬を投与した。隠し持っていた解毒薬があったからに他ならないではないですか!! 一週間と期限を切れば次々と薬を配り、親しい者を優先して治していった。まだ治療を受けてない者はウルズと仲良くなかった人達ではないですか?」
「いや、ただ単に状況が悪かった子どもから順番だった。ウルズさんは全員の調子を逐一聞いてくれていた!!」
ジューイの言葉にヒナツの冷静な顔がどんどん崩されていく。
父ちゃんが頑張ってたのを知ってくれてる人がいる。嬉しかった。
「だから、それは自分の地位を、かためるための……」
「回ってると言えばお前もだろう! ヒナツさん! 薬を触る機会だってウルズさんと一緒だ。それに悪くなっていった順はヒナツさんと不仲な順でもあるぞ!」
「まったく、これだから雷狼族は……」
ジューイの後ろに村の者じゃない男が立っている。
これではさっきの人のように――。
「こらぁぁぁぁ!! そこの悪いやつら、とまりなさぁぁぁぁぁぁいぃぃぃ!!!! とぅっ!!」
俺達とヒナツの間に大きな獣が飛び出してくる。
「皆の健康を悪くする病気のもとは注射してやっつけてやるんだから!!」
狼獣人の間で伝え聞く神獣にまたがった神様……ではなく、帽子を被ったソラにまたがる、なんかよくわかんないけど可愛い服を着たハルカだった。
後ろにいるミラやライムまで服がかわっていた。
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