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第一章 聖女と竜
第17話 なぜ出来ない?(元婚約者視点)
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◆
「これくらい出来て当たり前だろう?」
「何を言っているんですか!?」
ここは祈りの場。この国の瘴気が噴き出した場所は城の中だった。
私はこの国の王子。名をラヴェルと言う。
言い合いをしている彼女はある女を追い出し新しくそこにすげた聖女、ナターシャだ。聖女は瘴気を浄化をするのが仕事で義務だ。
だが、彼女はそれを無理だと言ってきた。まだ二日目。たった二日で無理だと言い出した。
「アイツは毎日こなしていたぞ。何も言わず」
「それがおかしいのです!! 一日に五回も噴き出すなんて。おかしいのです!!」
「それが何だ? 今日だって、出来ているではないか」
今出きているからこそ私はこの場所に入ることができるのだ。いったい何が問題だと言うんだ?
「これは二人……、いえ三人はここに滞在させなければ――。私だけでは絶対に持ちません。今日中に知らせを飛ばしてここに二人呼んでくださいませ」
知らせを飛ばせ。それはつまり、巨額の金を用意して仲間を迎え入れろということに他ならない。
いや、いや、おかしいだろ?
あの暴食聖女でも消せていたんだ。そうか、そうかわかったぞ。
「わかった。すぐに用意する」
そう言うと、ナターシャは落ち着きを取り戻した。
「申し訳ありません。殿下、よろしくお願いいたします。弱音を吐いてしまって、本当に……」
私はきた道を振り返らずに戻る。あの女達はそうやって国に潜り込み崩していくのだな。
おそらく、無理だと言うのも嘘なのだろう。
前聖女よりも瞳の色が濃いはずのあの女がエマに出来る事を出来ない訳がないのだから。
それにしても、失敗だった。あの女、真実を知って動かなくなるまで秘密にしたまま使い潰せば良かったか……。
少し高いが安全な代わりを手に入れたと焦ってしまった。
「それにしてもあの暴食聖女……」
人前では見せない悪態をつく。
始末する予定だったのが、逃亡されてしまったらしい。隣の国へと向かったと聞いたが、あそこは瘴気につつまれた国だ。あの女なら通ることが出来るだろうが……。
隣国ならば自国内でおかしな事を言い回ることもないかとも思うがあの事を知られた時に面倒かもしれない。
やはり消しておくべきか。
カッと靴を鳴らす。
「仰せのままに」
黒い影がゆらりと動く。私の私兵の中でも黒い仕事をする者たちだ。
「頼むよ」
ただの人も瘴気を通り抜ける術がないわけではない。高額ではあるが、聖女三人を国に留まらせる費用に比べれば安いものだ。あぁ、そうだ。
「二人揃って連れて帰ってこい」
「はっ」
エマとともに逃げたのは女騎士ルニア。言う事を聞かないならルニアをあの部屋に捕らえておけばエマは祈りを捧げるしかなくなるだろう。
こんな簡単なことだったのだ。何故気が付かなかったのか。
今度はあの時のような失敗をしないようにしなければ――。
◇
「これくらい出来て当たり前だろう?」
「何を言っているんですか!?」
ここは祈りの場。この国の瘴気が噴き出した場所は城の中だった。
私はこの国の王子。名をラヴェルと言う。
言い合いをしている彼女はある女を追い出し新しくそこにすげた聖女、ナターシャだ。聖女は瘴気を浄化をするのが仕事で義務だ。
だが、彼女はそれを無理だと言ってきた。まだ二日目。たった二日で無理だと言い出した。
「アイツは毎日こなしていたぞ。何も言わず」
「それがおかしいのです!! 一日に五回も噴き出すなんて。おかしいのです!!」
「それが何だ? 今日だって、出来ているではないか」
今出きているからこそ私はこの場所に入ることができるのだ。いったい何が問題だと言うんだ?
「これは二人……、いえ三人はここに滞在させなければ――。私だけでは絶対に持ちません。今日中に知らせを飛ばしてここに二人呼んでくださいませ」
知らせを飛ばせ。それはつまり、巨額の金を用意して仲間を迎え入れろということに他ならない。
いや、いや、おかしいだろ?
あの暴食聖女でも消せていたんだ。そうか、そうかわかったぞ。
「わかった。すぐに用意する」
そう言うと、ナターシャは落ち着きを取り戻した。
「申し訳ありません。殿下、よろしくお願いいたします。弱音を吐いてしまって、本当に……」
私はきた道を振り返らずに戻る。あの女達はそうやって国に潜り込み崩していくのだな。
おそらく、無理だと言うのも嘘なのだろう。
前聖女よりも瞳の色が濃いはずのあの女がエマに出来る事を出来ない訳がないのだから。
それにしても、失敗だった。あの女、真実を知って動かなくなるまで秘密にしたまま使い潰せば良かったか……。
少し高いが安全な代わりを手に入れたと焦ってしまった。
「それにしてもあの暴食聖女……」
人前では見せない悪態をつく。
始末する予定だったのが、逃亡されてしまったらしい。隣の国へと向かったと聞いたが、あそこは瘴気につつまれた国だ。あの女なら通ることが出来るだろうが……。
隣国ならば自国内でおかしな事を言い回ることもないかとも思うがあの事を知られた時に面倒かもしれない。
やはり消しておくべきか。
カッと靴を鳴らす。
「仰せのままに」
黒い影がゆらりと動く。私の私兵の中でも黒い仕事をする者たちだ。
「頼むよ」
ただの人も瘴気を通り抜ける術がないわけではない。高額ではあるが、聖女三人を国に留まらせる費用に比べれば安いものだ。あぁ、そうだ。
「二人揃って連れて帰ってこい」
「はっ」
エマとともに逃げたのは女騎士ルニア。言う事を聞かないならルニアをあの部屋に捕らえておけばエマは祈りを捧げるしかなくなるだろう。
こんな簡単なことだったのだ。何故気が付かなかったのか。
今度はあの時のような失敗をしないようにしなければ――。
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