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第一章 聖女と竜
第45話 竜の体を持った王子(ブレイド視点)
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今からボクの話をエマに聞いてもらう。
竜の力を持って産まれた男の話。
◆
「イファーイ様……、これは」
「……っ!!」
母と侍従の二人だけでこの瞬間を迎えたそうだ。この国の第一王子として産まれた日、ボクの体には沢山の鱗がついていた。手で払っても外れないそれは直接肌から伸びているもので……。
「竜魔石に咲く花を食べたせい……?」
母には思い当たるフシがあった。あまりに子が出来ず、王の妃が増えていく。そんな時に父がくれた竜魔石に咲いた花を思い出した。すべての病を癒やすと言われる花、その最後の大きな一輪。
この花、はじめはたくさん生えていた。けれど効能が知られたある日からどんどん人に食べられてしまい今ではこれが最後の一輪なのだそうだ。
竜魔石に咲く花。それが咲く場所は伝説の竜と赤い瞳の聖女が眠っているという――。今はもう、そこにあった竜魔石も花も取り尽くされてしまった。竜魔石に生える赤い花畑はただの土になってしまったけれど。
乾燥した花を水に戻し、食べた。効くかどうかわからないまま。だけど、効果があったのかボクが産まれた。ただ、鱗を持って……。
母は必死に隠そうとした。けれど、王はすぐに産まれたボクを見に来たそうだ。
部屋の向こうで連れてこいと叫ばれ、侍従が抱えてボクを連れて行く。母に巻いてもらった布は首まで覆っていなくて、見ればすぐにわかってしまう。
「よくやった」
父はそう言うとボクを抱き上げたそうだ。その時のボクにはどこにも鱗なんてなくて――。
母と侍従は疲れから幻を見たのだろうと思う事にしたそうだ。
その後すぐ別の二人の妃がそれぞれ男児を産んだ。ほんの数日の差でボクは第一王子になった。
◆
何事もなく十まで育つ。産まれた日のことを何度か聞かされていたボクはだしてはいけないものなのだと自分が変化出来ることを隠していた。
ボクは変化出来ることがわかっていた。不思議なこの体の秘密を知りたかったけれど他にこの様に変化する人間は誰もいなかった。
「竜魔石?」
「はい、この国でたくさん取れる鉱石です。ブレイド様もお使いになられる事がおおくなるでしょうから」
ある日竜魔石のついた剣をもらった。
「力をこめて考えるのです。大きな風が起きるようにと」
ぎゅっと力をこめて振るった剣からは風ではなく炎が飛んだ。
――竜魔石を作れる王子。
採掘するしかなかった竜魔石を作れる人間が現れた。ボクはより優遇されることになった。
ただ、竜魔石を作ると疲弊する。一日に何度も何度もしていると倒れてしまう。自覚していたのでその事を父、母に報告した。力は父から頼まれた時だけ使うようにしていた。
竜魔石を作る時の副産物として、魔法が使える事に気がついたけれどこちらは言わないようにしておいた。石に力を注ぐよりももっと疲れるからだ。
この国には二つの瘴気のでる場所があった。
一つはこの城からだいぶ離れた場所。もう一つは城からすぐ目と鼻の先。
「ブレイド様!!」
赤い目の聖女が一人ずつ配置されていた。そのうちの一人がミラ、銀の髪の女性だ。
「ミラ、お疲れ様。ボクが見てるから休憩してきなよ」
「いつもありがとうございます」
礼儀正しい彼女達のどちらかをいつかボクは迎え入れなければならない。
赤い瞳の聖女は瘴気を消すかわりに莫大な費用を払う必要があり、王家の妃に迎える約束を交わせば支払いを抑える事が出来る。王子は三人。聖女は二人。
もちろん継承権が高い程、費用は軽く済む。国の財政のためには一人はボクと。
「今回もハズレかな……」
聖女の守りがついているという外套を触りながらボクは待っていた。
「もう一つの方に行ってみるか」
ミラを呼び戻し、もう一人の聖女の元へと赴く。
国の安全の為の見回りと将来の伴侶への挨拶。表向きはそのための行動だった。
「こんにちは、リア」
「あら、今日もいらっしゃったのですか?」
「こないほうが良かった?」
「いいえ、私もうすぐいらなくなるんじゃないかなって少し怖くなっていて。来てくれて嬉しいです」
もう一つの場所を担当しているリアは赤茶色の髪で弱気な人だった。ミラは礼儀正しいがリアと担当を相談する時、彼女をこちらにするようにと決めつけた。リアは反発せず頷く事しかしなかった。
「回数が減ってるのかい?」
「はい。こちらは数日に一回になっています。もしかすれば終わりが来ているのかもしれませんね」
瘴気は一度噴き出せばずっと続くという類のものではなかった。何かの拍子に終わりを迎える事もある。ここがそうかもしれないとリアは最近の瘴気の様子から感じ取っていた。
「ボクは様子を見てくる。休んでてくれ」
「わざわざお気遣いいただきありがとうございます」
休憩の部屋にいるという事は今は見張り番が向こうに立っている。
聖女ではないただの人。いつ噴き出してくるか怯えながらの立ち番だ。交代して休んでいなさいと言えば喜んで休みに行く。
ボクにはこの外套がある。安心していっておいでと伝えると見張りをしていた男は頷いて休むために作られた建物へと入っていった。
ボクはしっかりと扉を閉めて中を見えないようにする。
祈る為に作られたこの小さな建物の中にはいくつも外套と同じようなものが埋め込まれていて瘴気が出ても少しの間なら外に漏れないように出来ている。
外套を取り、上着を脱ぐ。そもそもこの外套もボクには必要なんてない。
「さぁ、いつでもこい」
ボクが構えるとゴボリと何かが動く音がして瘴気が噴き出し始めた。
まるでボクが合図を出したみたいだ。
上半身を竜の姿にして、瘴気を食べる。こんな姿を見たらきっと誰しもが腰を抜かすだろう。
ボクは瘴気を食べる事ができた。そして、瘴気を食べれば竜魔石を作った疲労がとれる。この因果関係に気が付き、定期的に瘴気を食べにきているのだ。
回数が減っているか……。城に近い方が気が付かれる可能性が高い。だからこちらで食べる事が多くなっていた。
全部食べ終わったあと、胸のあたりをぐるぐるする気持ち悪さはある。けれど、そんなに長い時間ではない。ちょうど食事を消化するような感覚だ。
「落ち着いたら出よう」
これでリアの仕事を一回減らしてしまった。このままここがなくなるなら彼女は用無しとして一人帰されるかもしれないな。それは国にとっては嬉しい事であるのだけれど――。
◆
「ブレイド様、私をお迎えいただけませんか?」
涙を流しながらリアはボクに願い出る。彼女は光の加減で肌が見えるような薄い衣だけの姿だった。
赤というには薄い色の瞳が訴えてくる。
半年間一度も瘴気が噴き出さなくなったのだ。次の月までこなければリアはこの国から去る。事実、ここではボクも瘴気を食べられなくなっていた。
彼女達の瞳に何度も惹かれることはあった。懐かしさと愛しさが混じった感情があった。
けれど、違うと言うもう一人の自分もいた。
だから、ボクは試した。
「ボクに食べられたいか?」
竜の姿になりリアの目の前でそう言った。
「ひ、ひぃ!? バケモノ…………」
リアは気絶した。そうか、やっぱり違うんだなとボクは思う。
何度も何度も夢に見た赤い瞳の女は竜の姿のボクにこう言ったんだ。
「私を食べて――」
思い出せないけれど、たぶん笑顔で――。
◆
どこまで話せばいいのかな。悩みながらボクはエマ達がいる食堂に顔を出す。
「あ、ブレイド。見てみて私が作ったの」
エマは嬉しそうにいっぱいのふかふかパンを見せてくる。
最初こそ赤トカゲって言われたけれど、ボクの竜の姿を見ても全然怯えなくて、こうして笑顔を向けてくれる。
瘴気で滅んだといっても過言じゃない国に住んで、なんの得にもならない浄化や魔物化した人達を人に戻すと言う変な女の子。
口付けされた時、酷い匂いの内側にいる誰かにもう一人のボクが気がついた。
『見つけた。アメリア……』
伝説の赤い瞳の聖女の名前をもう一人のボクは心の中で何度も呼んだ。
「すごい量だね。全部食べるの?」
「これはね、リリーさんと一緒に開発したダイエット料理なのよ! 少しでも長く腹持ちするように木の実のローストをいれたパンなの! スープはね、体が温まる根菜をたっぷりいれてるの!」
痩せる……と言っているけれど、これだけの量を食べていたら意味がないような。ボクは笑いたい気持ちを必死に抑える。
本当に何を考えてるのかわからない変な女の子だ。
竜の力を持って産まれた男の話。
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「イファーイ様……、これは」
「……っ!!」
母と侍従の二人だけでこの瞬間を迎えたそうだ。この国の第一王子として産まれた日、ボクの体には沢山の鱗がついていた。手で払っても外れないそれは直接肌から伸びているもので……。
「竜魔石に咲く花を食べたせい……?」
母には思い当たるフシがあった。あまりに子が出来ず、王の妃が増えていく。そんな時に父がくれた竜魔石に咲いた花を思い出した。すべての病を癒やすと言われる花、その最後の大きな一輪。
この花、はじめはたくさん生えていた。けれど効能が知られたある日からどんどん人に食べられてしまい今ではこれが最後の一輪なのだそうだ。
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乾燥した花を水に戻し、食べた。効くかどうかわからないまま。だけど、効果があったのかボクが産まれた。ただ、鱗を持って……。
母は必死に隠そうとした。けれど、王はすぐに産まれたボクを見に来たそうだ。
部屋の向こうで連れてこいと叫ばれ、侍従が抱えてボクを連れて行く。母に巻いてもらった布は首まで覆っていなくて、見ればすぐにわかってしまう。
「よくやった」
父はそう言うとボクを抱き上げたそうだ。その時のボクにはどこにも鱗なんてなくて――。
母と侍従は疲れから幻を見たのだろうと思う事にしたそうだ。
その後すぐ別の二人の妃がそれぞれ男児を産んだ。ほんの数日の差でボクは第一王子になった。
◆
何事もなく十まで育つ。産まれた日のことを何度か聞かされていたボクはだしてはいけないものなのだと自分が変化出来ることを隠していた。
ボクは変化出来ることがわかっていた。不思議なこの体の秘密を知りたかったけれど他にこの様に変化する人間は誰もいなかった。
「竜魔石?」
「はい、この国でたくさん取れる鉱石です。ブレイド様もお使いになられる事がおおくなるでしょうから」
ある日竜魔石のついた剣をもらった。
「力をこめて考えるのです。大きな風が起きるようにと」
ぎゅっと力をこめて振るった剣からは風ではなく炎が飛んだ。
――竜魔石を作れる王子。
採掘するしかなかった竜魔石を作れる人間が現れた。ボクはより優遇されることになった。
ただ、竜魔石を作ると疲弊する。一日に何度も何度もしていると倒れてしまう。自覚していたのでその事を父、母に報告した。力は父から頼まれた時だけ使うようにしていた。
竜魔石を作る時の副産物として、魔法が使える事に気がついたけれどこちらは言わないようにしておいた。石に力を注ぐよりももっと疲れるからだ。
この国には二つの瘴気のでる場所があった。
一つはこの城からだいぶ離れた場所。もう一つは城からすぐ目と鼻の先。
「ブレイド様!!」
赤い目の聖女が一人ずつ配置されていた。そのうちの一人がミラ、銀の髪の女性だ。
「ミラ、お疲れ様。ボクが見てるから休憩してきなよ」
「いつもありがとうございます」
礼儀正しい彼女達のどちらかをいつかボクは迎え入れなければならない。
赤い瞳の聖女は瘴気を消すかわりに莫大な費用を払う必要があり、王家の妃に迎える約束を交わせば支払いを抑える事が出来る。王子は三人。聖女は二人。
もちろん継承権が高い程、費用は軽く済む。国の財政のためには一人はボクと。
「今回もハズレかな……」
聖女の守りがついているという外套を触りながらボクは待っていた。
「もう一つの方に行ってみるか」
ミラを呼び戻し、もう一人の聖女の元へと赴く。
国の安全の為の見回りと将来の伴侶への挨拶。表向きはそのための行動だった。
「こんにちは、リア」
「あら、今日もいらっしゃったのですか?」
「こないほうが良かった?」
「いいえ、私もうすぐいらなくなるんじゃないかなって少し怖くなっていて。来てくれて嬉しいです」
もう一つの場所を担当しているリアは赤茶色の髪で弱気な人だった。ミラは礼儀正しいがリアと担当を相談する時、彼女をこちらにするようにと決めつけた。リアは反発せず頷く事しかしなかった。
「回数が減ってるのかい?」
「はい。こちらは数日に一回になっています。もしかすれば終わりが来ているのかもしれませんね」
瘴気は一度噴き出せばずっと続くという類のものではなかった。何かの拍子に終わりを迎える事もある。ここがそうかもしれないとリアは最近の瘴気の様子から感じ取っていた。
「ボクは様子を見てくる。休んでてくれ」
「わざわざお気遣いいただきありがとうございます」
休憩の部屋にいるという事は今は見張り番が向こうに立っている。
聖女ではないただの人。いつ噴き出してくるか怯えながらの立ち番だ。交代して休んでいなさいと言えば喜んで休みに行く。
ボクにはこの外套がある。安心していっておいでと伝えると見張りをしていた男は頷いて休むために作られた建物へと入っていった。
ボクはしっかりと扉を閉めて中を見えないようにする。
祈る為に作られたこの小さな建物の中にはいくつも外套と同じようなものが埋め込まれていて瘴気が出ても少しの間なら外に漏れないように出来ている。
外套を取り、上着を脱ぐ。そもそもこの外套もボクには必要なんてない。
「さぁ、いつでもこい」
ボクが構えるとゴボリと何かが動く音がして瘴気が噴き出し始めた。
まるでボクが合図を出したみたいだ。
上半身を竜の姿にして、瘴気を食べる。こんな姿を見たらきっと誰しもが腰を抜かすだろう。
ボクは瘴気を食べる事ができた。そして、瘴気を食べれば竜魔石を作った疲労がとれる。この因果関係に気が付き、定期的に瘴気を食べにきているのだ。
回数が減っているか……。城に近い方が気が付かれる可能性が高い。だからこちらで食べる事が多くなっていた。
全部食べ終わったあと、胸のあたりをぐるぐるする気持ち悪さはある。けれど、そんなに長い時間ではない。ちょうど食事を消化するような感覚だ。
「落ち着いたら出よう」
これでリアの仕事を一回減らしてしまった。このままここがなくなるなら彼女は用無しとして一人帰されるかもしれないな。それは国にとっては嬉しい事であるのだけれど――。
◆
「ブレイド様、私をお迎えいただけませんか?」
涙を流しながらリアはボクに願い出る。彼女は光の加減で肌が見えるような薄い衣だけの姿だった。
赤というには薄い色の瞳が訴えてくる。
半年間一度も瘴気が噴き出さなくなったのだ。次の月までこなければリアはこの国から去る。事実、ここではボクも瘴気を食べられなくなっていた。
彼女達の瞳に何度も惹かれることはあった。懐かしさと愛しさが混じった感情があった。
けれど、違うと言うもう一人の自分もいた。
だから、ボクは試した。
「ボクに食べられたいか?」
竜の姿になりリアの目の前でそう言った。
「ひ、ひぃ!? バケモノ…………」
リアは気絶した。そうか、やっぱり違うんだなとボクは思う。
何度も何度も夢に見た赤い瞳の女は竜の姿のボクにこう言ったんだ。
「私を食べて――」
思い出せないけれど、たぶん笑顔で――。
◆
どこまで話せばいいのかな。悩みながらボクはエマ達がいる食堂に顔を出す。
「あ、ブレイド。見てみて私が作ったの」
エマは嬉しそうにいっぱいのふかふかパンを見せてくる。
最初こそ赤トカゲって言われたけれど、ボクの竜の姿を見ても全然怯えなくて、こうして笑顔を向けてくれる。
瘴気で滅んだといっても過言じゃない国に住んで、なんの得にもならない浄化や魔物化した人達を人に戻すと言う変な女の子。
口付けされた時、酷い匂いの内側にいる誰かにもう一人のボクが気がついた。
『見つけた。アメリア……』
伝説の赤い瞳の聖女の名前をもう一人のボクは心の中で何度も呼んだ。
「すごい量だね。全部食べるの?」
「これはね、リリーさんと一緒に開発したダイエット料理なのよ! 少しでも長く腹持ちするように木の実のローストをいれたパンなの! スープはね、体が温まる根菜をたっぷりいれてるの!」
痩せる……と言っているけれど、これだけの量を食べていたら意味がないような。ボクは笑いたい気持ちを必死に抑える。
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