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第11話 逮捕される魔王
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「とった!!」
右手に握った脱衣魔をボロボロの服の中に放り込みつつ、反対の手で勝利のポーズを決める。
しかし尻側が破れていることを思い出し、急いで真由の方へと向き直った。前側もなかなかにボロボロだがまあ、問題はないくらいだろう。
「真由は大丈夫? ケガはない?」
「大丈夫。でも、ふふふ」
真由はごめんと言いながら笑いだしてしまった。少し泣きそうなのは怖かったからだろうか。
「服がボロボロだね」
「あー、あの犬。なんか服に恨みでもあったのかなぁ。服ばっかり狙ってきてこんなだよ」
「……そっか。そうかもね。――っ!? 拓也君!!」
真由が叫ぶ。どうやらオレの後ろを凝視しているようだ。まさかデカ犬がもう目を覚ました?
想像通り、デカ犬はのそりと起き上がっていた。
もうその頭には脱衣魔がいない。野犬本来の凶暴性にオレは対処出来るだろうか。
「ダメッ!!」
真由の一喝に驚き、デカ犬は飛び上がって逃げ出した。
デカ犬の姿が見えなくなったあと、ふぅーと息を吐き出し一気に緊張が解けた。
「ありがとう、真由。助かった」
「ううん。拓也君が……無事で良かった」
「服はボロボロだけどね。これで帰れるのかな……。公然わいせつ罪とかにならないといいけど」
「隠しながら帰るしかないかな。うーん……」
二人で真剣に考えていたその時、突然男の声があがる。
「お巡りさん、こっちです。――っ!! きっとアイツが彼女を!! さっさと逮捕して下さい」
「へっ!?」
そこに立つのは、久しぶりの登場忠野望武男!? と、警察官らしき人物。
久しぶりと言っても現在は同じクラスだから毎日顔は合わせているが――。なぜコイツがここに? というか、今オレが指差されてる?
オレは警察官らしき人物に確保され、真由と引き離されそうになる。
「ちょっ、何ですか。急に!! オレ達はただ――」
「た……大間君は何もしてません」
あぁ、人前だからか真由が大間君呼びに戻ってしまった。けど、今はそれどころじゃない。なんか、この雰囲気、オレ逮捕されるんじゃね!?
いや、たしかに今の状況どう見てもヤバイよな。尻丸出し半裸に近いオレと上着がビリビリで涙目の真由。ヤバいヤバい。なんて言えばいいんだ? これは脱衣魔がやったことだってコイツを見せることもできやしない。使い魔や魔物は一般人には見えないからな!
「お巡りさん!! オレ何もしてませんっ!!」
真由が別の女警官に毛布をかけられ連れて行かれる。
「話は向こうで聞こうか。さあ」
近くには交番がある。あ、オレ終わった?
オレはなすすべなく交番へと連行された。忠野望武男が警官に何か良からぬ事を吹き込んでいるように見える。誤解だ、誤解だぞ!! だから、さっさとおウチに帰らせてぇぇぇぇぇぇ!!
◇
「ダサーっ!!」
家に帰るなり、妹のクリティカルヒット攻撃を受けソファーに倒れ込む。勘弁してくれ、オレのヒットポイントはもうゼロだ。
「もう少し優しさというものを持ち合わせていないのか。お前の犬を散歩にも連れてった兄がヨボヨボになって帰還したという時に」
「えーっ、マユお姉ちゃんのお洋服も守れなくて、自分の服までズタズタのずたずたにしてきた人がなんかいってるしー。しかも散歩は途中からマユお姉ちゃん任せの人がぁー!?」
くっ、反論できねぇ。
なんだか妹がクソ生意気になった気がする。こんな感じだったか? イメチェンか?
もう少しだけ優しかったような気がするのは幻だったのか。
とりあえず、オレは真由と同級生魔次佳さんの証言によって無事解放された。ドラマさながらの聴取の時間は魔王の城で行われるようなそれよりものすごく緊張した。というか、聴取される側に回るなんて思ってもみなかったよ!!
まあ、オレは無実だからな。まあ、なんてことはないさ。
立ち上がろうとしたがペショリとまたソファーに突っ伏した。
精神的なダメージはかなりのものだったようだ。
魔王だった時はこれくらいでへこたれるなんて事はなかったのに、本当に普通の人間はか弱い。肉体も精神も。
「お兄ちゃん、もーそのまま寝ちゃダメだからね」
そう言って、妹がオレにブランケットをかけた。やっぱり、優しい妹だ!!
「サンキュ」
オレは感謝の言葉をし大粒の涙を流しながらその優しさを顔まで被った。中に入り、しまい込んでいた脱衣魔を引っ張りだす。
……寝てやがる。すよすよと幸せそうに寝てやがるコイツ。全力で魔王怒りの鉄槌を下したいところだが、出来ないのでデコピンで許してやるかといっちょ前に生えてる前髪をかきわける。でこに、勇者の使う、使い魔解放の印が刻まれていた。これを弱い使い魔などに刻めば、勇者に寝返る魔法をかけられる。
「どういうことだ?」
勇者に寝返った使い魔が、真由に襲いかかった?
勇者が人に危害を加えている?
真由は勇者ではない?
じゃあ、あの光の剣はどこから?
たくさんの疑問が浮かぶ。頭を回転させ考えていると、何かと目が合う。いや、今オレブランケットの中にいるはずなんだけど。怖っ!?
右手に握った脱衣魔をボロボロの服の中に放り込みつつ、反対の手で勝利のポーズを決める。
しかし尻側が破れていることを思い出し、急いで真由の方へと向き直った。前側もなかなかにボロボロだがまあ、問題はないくらいだろう。
「真由は大丈夫? ケガはない?」
「大丈夫。でも、ふふふ」
真由はごめんと言いながら笑いだしてしまった。少し泣きそうなのは怖かったからだろうか。
「服がボロボロだね」
「あー、あの犬。なんか服に恨みでもあったのかなぁ。服ばっかり狙ってきてこんなだよ」
「……そっか。そうかもね。――っ!? 拓也君!!」
真由が叫ぶ。どうやらオレの後ろを凝視しているようだ。まさかデカ犬がもう目を覚ました?
想像通り、デカ犬はのそりと起き上がっていた。
もうその頭には脱衣魔がいない。野犬本来の凶暴性にオレは対処出来るだろうか。
「ダメッ!!」
真由の一喝に驚き、デカ犬は飛び上がって逃げ出した。
デカ犬の姿が見えなくなったあと、ふぅーと息を吐き出し一気に緊張が解けた。
「ありがとう、真由。助かった」
「ううん。拓也君が……無事で良かった」
「服はボロボロだけどね。これで帰れるのかな……。公然わいせつ罪とかにならないといいけど」
「隠しながら帰るしかないかな。うーん……」
二人で真剣に考えていたその時、突然男の声があがる。
「お巡りさん、こっちです。――っ!! きっとアイツが彼女を!! さっさと逮捕して下さい」
「へっ!?」
そこに立つのは、久しぶりの登場忠野望武男!? と、警察官らしき人物。
久しぶりと言っても現在は同じクラスだから毎日顔は合わせているが――。なぜコイツがここに? というか、今オレが指差されてる?
オレは警察官らしき人物に確保され、真由と引き離されそうになる。
「ちょっ、何ですか。急に!! オレ達はただ――」
「た……大間君は何もしてません」
あぁ、人前だからか真由が大間君呼びに戻ってしまった。けど、今はそれどころじゃない。なんか、この雰囲気、オレ逮捕されるんじゃね!?
いや、たしかに今の状況どう見てもヤバイよな。尻丸出し半裸に近いオレと上着がビリビリで涙目の真由。ヤバいヤバい。なんて言えばいいんだ? これは脱衣魔がやったことだってコイツを見せることもできやしない。使い魔や魔物は一般人には見えないからな!
「お巡りさん!! オレ何もしてませんっ!!」
真由が別の女警官に毛布をかけられ連れて行かれる。
「話は向こうで聞こうか。さあ」
近くには交番がある。あ、オレ終わった?
オレはなすすべなく交番へと連行された。忠野望武男が警官に何か良からぬ事を吹き込んでいるように見える。誤解だ、誤解だぞ!! だから、さっさとおウチに帰らせてぇぇぇぇぇぇ!!
◇
「ダサーっ!!」
家に帰るなり、妹のクリティカルヒット攻撃を受けソファーに倒れ込む。勘弁してくれ、オレのヒットポイントはもうゼロだ。
「もう少し優しさというものを持ち合わせていないのか。お前の犬を散歩にも連れてった兄がヨボヨボになって帰還したという時に」
「えーっ、マユお姉ちゃんのお洋服も守れなくて、自分の服までズタズタのずたずたにしてきた人がなんかいってるしー。しかも散歩は途中からマユお姉ちゃん任せの人がぁー!?」
くっ、反論できねぇ。
なんだか妹がクソ生意気になった気がする。こんな感じだったか? イメチェンか?
もう少しだけ優しかったような気がするのは幻だったのか。
とりあえず、オレは真由と同級生魔次佳さんの証言によって無事解放された。ドラマさながらの聴取の時間は魔王の城で行われるようなそれよりものすごく緊張した。というか、聴取される側に回るなんて思ってもみなかったよ!!
まあ、オレは無実だからな。まあ、なんてことはないさ。
立ち上がろうとしたがペショリとまたソファーに突っ伏した。
精神的なダメージはかなりのものだったようだ。
魔王だった時はこれくらいでへこたれるなんて事はなかったのに、本当に普通の人間はか弱い。肉体も精神も。
「お兄ちゃん、もーそのまま寝ちゃダメだからね」
そう言って、妹がオレにブランケットをかけた。やっぱり、優しい妹だ!!
「サンキュ」
オレは感謝の言葉をし大粒の涙を流しながらその優しさを顔まで被った。中に入り、しまい込んでいた脱衣魔を引っ張りだす。
……寝てやがる。すよすよと幸せそうに寝てやがるコイツ。全力で魔王怒りの鉄槌を下したいところだが、出来ないのでデコピンで許してやるかといっちょ前に生えてる前髪をかきわける。でこに、勇者の使う、使い魔解放の印が刻まれていた。これを弱い使い魔などに刻めば、勇者に寝返る魔法をかけられる。
「どういうことだ?」
勇者に寝返った使い魔が、真由に襲いかかった?
勇者が人に危害を加えている?
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