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第12話 まあいいかと納得する魔王
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のぞき込む目玉はどうやら我が家の飼い犬、ケルベロスだった。
「――っビックリした。ケルベロスかよ、驚かすな」
小声で犬に話しかけ、何で犬に話しかけてるんだと自問しつつ、ブランケットを閉めようとする。だが構わず、ケルベロスは首をグイグイと突っ込んできた。ぐぁぁ、ヤラれると覚悟を決めた瞬間ガブリと左手をまるっと咥えられた。
「ちょっ、おいっ!? 何やって、離せぇぇぇ」
急いでブランケットをはねのけ、反対の手と両足を使ってケルベロスを引き離す。
驚きのヌメリ具合。いや、何食ったらこんなスライムも驚くべっとり具合になるんだよ。
まあ、このヌメリか本気噛みではなかったからかのおかげですぐに外れたけれど、何かが足りない感じがする。
「だぁぁぁぁぁ!? まてまてまてまて!?」
そう、手に持っていた脱衣魔がいなくなっている。
ちょっ、え? 食べたのこの犬? 脱衣魔を?
魔族、魔物達の世界では弱肉強食。弱い者を捕食する魔物もいないことはないけれど、ここは弱き人間(オレ含む)しか存在しない異世界。そこに存在する弱き人間の飼う魔物でもなんでもないただの犬のケルベロス。
えー、ちょっと待ってー?
どうなるんだこれ。魔物はそんなにヤワじゃないからな。下手すりゃ今度はケルベロスが乗っ取られたりするのか?
「ええい、口を開けろ!!」
今度はオレがケルベロスの口を必死にこじ開ける。
いや、犬の口怖っ。牙怖っ。ただサイズ感小さいだけでマジな魔物の方のケルベロスと変わらない歯並びじゃねーか。しかも――。
「口の中にいない……」
すでに飲み込まれてしまったのか。魔物がただの犬の消化液に負けるとは思わないが……。
ヤツが目を覚ましたあと、どうなるのか。
「あー、いた。お兄ちゃんのとこにいたの。相変わらず仲良しだね。もー、ケルっちはお兄ちゃん好きすぎじゃない?」
「いや、この状況を見ろ。仲よさげに見えるのか?」
「…………見えるし?」
妹よ。一度眼科検診に行ったほうがいいのではないだろうか。
「お散歩はやっぱりお兄ちゃんにお願いしようかな。っと、部屋に行くよー。ケルっちー」
ひょいと抱えられケルベロスは妹に連れて行かれた。あ、えーっと。
「……まあ、いいか」
脱衣魔に取り憑かれても服をとられるだけだし様子を見るか。
ケルベロスの中にいるなら被害がでても我が家の中。外に行く散歩中はオレが当分の間不本意だが担当なので見張れる。
もし散歩中、○んこと一緒にヤツが出てきても問題はないだろう。(出来れば握りたくはないがすぐ対応出来るように構えておくか。家と外の両方で)
「それよりも――」
オレはポツリと呟き、考え込む。
脱衣魔に刻印した勇者。なぜ? 何の為に?
「は、まさか!!」
ある事に思い至りオレは焦る。
オレが真由に好意を寄せている事に気がついた勇者が真由を辱める目的でヤツを使った!?
その行動理由は、【嫉妬】!?
そんなにもオレの事が好きなのか。勇者よ。
「はやく、見つけなければ……。勇者が闇堕ちしてしまう前に――」
オレは改めて勇者を探すと心に誓う。
彼女を見つけ、きちんと告げよう。オレは今世では真由が好きなんだと……。
先に勇者を見つけそうしておかないと、もし真由から告白されて付き合うってなったら血を見るかもしれないしな。なーんて、ふ、ふふふ、ふはははは。
◆
元魔王が勇者を見つけると改めて決意したその頃、永遠の部屋の中。
「はあぁぁん、やばいやばい。お兄ちゃんの匂いがする。お兄ちゃん! お兄ちゃん!」
元魔王の右腕トワイライトの姿になった永遠が犬吸いをしていた。犬からは大好きなお兄ちゃんの匂いがしたとかなんとか……。それは果たして本当に兄、拓也の匂いだったのだろうか。
◆
「――っビックリした。ケルベロスかよ、驚かすな」
小声で犬に話しかけ、何で犬に話しかけてるんだと自問しつつ、ブランケットを閉めようとする。だが構わず、ケルベロスは首をグイグイと突っ込んできた。ぐぁぁ、ヤラれると覚悟を決めた瞬間ガブリと左手をまるっと咥えられた。
「ちょっ、おいっ!? 何やって、離せぇぇぇ」
急いでブランケットをはねのけ、反対の手と両足を使ってケルベロスを引き離す。
驚きのヌメリ具合。いや、何食ったらこんなスライムも驚くべっとり具合になるんだよ。
まあ、このヌメリか本気噛みではなかったからかのおかげですぐに外れたけれど、何かが足りない感じがする。
「だぁぁぁぁぁ!? まてまてまてまて!?」
そう、手に持っていた脱衣魔がいなくなっている。
ちょっ、え? 食べたのこの犬? 脱衣魔を?
魔族、魔物達の世界では弱肉強食。弱い者を捕食する魔物もいないことはないけれど、ここは弱き人間(オレ含む)しか存在しない異世界。そこに存在する弱き人間の飼う魔物でもなんでもないただの犬のケルベロス。
えー、ちょっと待ってー?
どうなるんだこれ。魔物はそんなにヤワじゃないからな。下手すりゃ今度はケルベロスが乗っ取られたりするのか?
「ええい、口を開けろ!!」
今度はオレがケルベロスの口を必死にこじ開ける。
いや、犬の口怖っ。牙怖っ。ただサイズ感小さいだけでマジな魔物の方のケルベロスと変わらない歯並びじゃねーか。しかも――。
「口の中にいない……」
すでに飲み込まれてしまったのか。魔物がただの犬の消化液に負けるとは思わないが……。
ヤツが目を覚ましたあと、どうなるのか。
「あー、いた。お兄ちゃんのとこにいたの。相変わらず仲良しだね。もー、ケルっちはお兄ちゃん好きすぎじゃない?」
「いや、この状況を見ろ。仲よさげに見えるのか?」
「…………見えるし?」
妹よ。一度眼科検診に行ったほうがいいのではないだろうか。
「お散歩はやっぱりお兄ちゃんにお願いしようかな。っと、部屋に行くよー。ケルっちー」
ひょいと抱えられケルベロスは妹に連れて行かれた。あ、えーっと。
「……まあ、いいか」
脱衣魔に取り憑かれても服をとられるだけだし様子を見るか。
ケルベロスの中にいるなら被害がでても我が家の中。外に行く散歩中はオレが当分の間不本意だが担当なので見張れる。
もし散歩中、○んこと一緒にヤツが出てきても問題はないだろう。(出来れば握りたくはないがすぐ対応出来るように構えておくか。家と外の両方で)
「それよりも――」
オレはポツリと呟き、考え込む。
脱衣魔に刻印した勇者。なぜ? 何の為に?
「は、まさか!!」
ある事に思い至りオレは焦る。
オレが真由に好意を寄せている事に気がついた勇者が真由を辱める目的でヤツを使った!?
その行動理由は、【嫉妬】!?
そんなにもオレの事が好きなのか。勇者よ。
「はやく、見つけなければ……。勇者が闇堕ちしてしまう前に――」
オレは改めて勇者を探すと心に誓う。
彼女を見つけ、きちんと告げよう。オレは今世では真由が好きなんだと……。
先に勇者を見つけそうしておかないと、もし真由から告白されて付き合うってなったら血を見るかもしれないしな。なーんて、ふ、ふふふ、ふはははは。
◆
元魔王が勇者を見つけると改めて決意したその頃、永遠の部屋の中。
「はあぁぁん、やばいやばい。お兄ちゃんの匂いがする。お兄ちゃん! お兄ちゃん!」
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