前略、転生した勇者ちゃん、ちゃんと探してます。【凡人に】転生した魔王より

花月夜れん

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第21話 告白したい魔王、手紙をもらう

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「はぁ、今日も出なかったな」

 教室でため息を付く。四日目の朝も姿を確認することが出来なかった。いいかげん、犬の尻とにらめっこするのも嫌になってきた。二人きりならば我慢もできたかもしれない。なのに、朝の散歩は真由がいない。夜の散歩はお供が追加され二人きりにはなれない。
 結局あれから勇者にも会えずじまいだ。だが、今日こそ見つけてみせる。そのために覗き魔デビルアイをがっつり休ませた。準備は万端だ。

「光の剣に気をつけろよ」

 任せろと言っているようだ。ぐるりと空中で一回転して覗き魔デビルアイは飛んでいく。
 ふぅと息を吐き、魔法陣の神を机に突っ込む。なんだか、背中に視線を感じぞわりとした。
 だれだ? 視線の主を探そうとすると、いつものように上から降ってきた。夜が。

「たーっくん!! 昨日も楽しかったねぇ」
「おぅ。昨日もまたなかなかの冒険だったな」

 なんとなく距離ができていたオレ達は、たった数日でまた昔のように楽しくつるめるようになった。原因は自分なので、申し訳なく感じる。あの日からやり直せたらいいのにな。本当、馬鹿だったな。オレ。

「まさか、信号待ちのおばあちゃん助けたらクラスの人のおばあちゃんだったり、猫を追いかけたら知らなかった場所に連れて行ってもらったり」
「あぁ――」

 楽しそうに話す夜に相槌を打ちながらオレは覗き魔デビルアイから送られてくる映像に目を通す。
 全クラス、校庭、職員室、図書室、etc、etc!!
 どこにもいない。たまに流れるカップルがラブラブしてる映像を見て歯ぎしりしながら3周くらいさせただろうか。諦めて呼び戻そうとしたときだった。
 教室前で映像が突然途切れた。

「なっ……」

 本体も戻って来る感じがしない。最後にうつったのは、昼休みにより大量に廊下に溢れ出す生徒達だった。
 くそ、わからん。どうなった? 覗き魔デビルアイ、戻ってこい!!
 反応はない。教室ではお弁当を広げだす生徒、食堂に向かう生徒、別クラスのやつらと合流する生徒などがバラバラと動く。

「たーっくん、お弁当いこ!」

 びくっとなってしまった。

「あ、あぁ、夜か。おぅ、行こうか」
「んー、どうかした?」
「いや、ちょっとな。や、やっぱ何でもない」

 覗き魔デビルアイがどうなったのか気になるが、とりあえず生きてはいる。使い魔だから感覚が繋がっているのでわかる。前回と違い映像が途切れたというより暗闇にいれられたような感じだ。戻ってこないところをみると捕まった? 誰に?
 夜の後ろを追いかけながらオレは廊下や階段を探してみた。だが覗き魔デビルアイは見つからなかった。
 昼休みが終わり席に戻る。魔法陣の紙をポケットに回収し忘れていたのを思い出し手を突っ込んだ。カサッカサッと二枚の紙に手が触れる。

「なんだ?」

 両方引っ張り出す。片方はオレが描いた魔法陣の紙。もう片方は、きれいに折りたたまれた紙。開くと丁寧なかわいい字で驚くような事が書かれていた。

『魔王へ 使い魔は預かった。返して欲しければ放課後屋上に一人でこい。仲間は連れて来るな。 勇者より』

 ついに待ちきれずにキレられた!? しかも勇者が誘拐犯!?
 だがやっと勇者マユ、キミに会えるのか。
 手紙をたたみ直しポケットにいれる。覚悟を決めオレは放課後を待った。

「この扉の向こうに勇者が……」

 階段を昇り生徒に解放されている屋上テラスへの扉をくぐる。

「やっと来たッスか」

 逆光が眩しくてその姿がよく見えない。そして声が違った。
 足を進め逆光がなくなるように向きを変える。そして待っていた彼女の姿を見た。

「待っていたッスよ、魔王!!」
「いや、誰?」
「はぁぁ?」

 腰に手を当て仁王立ちする彼女。胸はそれなりにあるけれど、明らかに足りない。背は小さく眼鏡をかけた、長めのくせっ毛な女の子がそこに立っていた。
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