48 / 66
第48話 出走するぞ魔王
しおりを挟む
「おはようー!! たっくん!!」
「おはよう拓也君」
「おはようッス。大間君」
着替えを終えた女子達がグラウンドへとやってくる。続々とオレに挨拶する美少女達は自分の席へと向かった。オレはクラス男子の突き刺さるような視線を全身にくらっていた。痛い。おかしいな、少し前までオレもその仲間側だったはずだが?
やはり魔王になんて戻らないほうがいいな。敵ばかりになる。そうか、オレが力を使ってる影響で人間どもが敵視しだしているんだな。ゲーム然り、この世界でも魔王は敵として認識されているもんなぁ。
はやく、覗き魔を見つけなければ……。
「お兄ちゃーん!!」
妹が応援席側で手を降ってアピールしてる。嬉しいようなくすぐったいような。かなり恥ずかしいのでやめて欲しい。
選手宣誓が始まり、無事棒についたクラス旗をクラス代表として宇尾さんが掲げて中央へと運ぶ。代表はクラス毎に男子女子と決められていてオレのクラスは女子だったから宇尾さんが選ばれた。
彼女は得物を振り回すのは得意だと言っていた。まあ、振り回さないけど他のクラスの女子達に比べやけに様になっていた。
男子の中にも棒術でもしてそうなヤツがいた。あっちの世界ならきっと勇者パーティーにでもいたんだろうなぁ。ほんと、何人がこっちにきてるんだろうか。
そんな感じで開会式も終わり体育祭競技開始だ。
まずは短距離走。オレもでるヤツだ。
百メートル走。まずは二年。一年は次なので今から待機場所に向かう。
走るメンバーが席を立ち、入場門へと向かう。オレも立ち上がり向かおうとした。その時池照が立ち上がり左肩に手をかけてきた。そのまま小声でオレに話しかける。
「勝負だ。大間。お前が出る競技全部一位取れたら返してやるよ」
何をとは言わない。だが、オレが返して欲しいのはいま覗き魔以外思い浮かばない。
嘘だろ……。いくら練習したからといって凡人のオレが一位なんて無理に決まってる。
オレの出る競技、クラス対抗の綱引きだってあるぞ……。
「じゃあ頑張れ、大間!!」
「おぅ――」
コイツ、まさか……。オレが使い魔を使うように仕向けているのか。
残ってる使い魔なら、走りも綱引きも勝てるかもしれない。だけど、勇者マユには見えている。力を使った事がバレバレになってしまう。
くそっ、どうすれば……。
使い魔達が出せ出せと騒いでる気がする。覗き魔が連れてきてくれた二匹だ。三匹の間でオレ以上の絆があるかもしれない。だが使うわけにはいかない――。
「頑張ろうね、たっくーん!!」
待機列についたあと夜から応援が入る。夜も同じ短距離走に出るから後ろに並んでいた。
「おぅ、一位取らないとな」
「たっくんなら出来るよ! 絶対出来る」
夜は自信満々でそう言った。
「そうだな。出来るよな」
オレは元魔王。魔族の世界で一位をとった男だ。
やってやる。やってやるぞ!!
二年の競技が終わりオレ達の番がきた。
なんか肩がムズムズする。これが武者震いか?
震える肩を押さえ中二病のようなポーズをしながらオレは百メートル走へと出陣した。
「おはよう拓也君」
「おはようッス。大間君」
着替えを終えた女子達がグラウンドへとやってくる。続々とオレに挨拶する美少女達は自分の席へと向かった。オレはクラス男子の突き刺さるような視線を全身にくらっていた。痛い。おかしいな、少し前までオレもその仲間側だったはずだが?
やはり魔王になんて戻らないほうがいいな。敵ばかりになる。そうか、オレが力を使ってる影響で人間どもが敵視しだしているんだな。ゲーム然り、この世界でも魔王は敵として認識されているもんなぁ。
はやく、覗き魔を見つけなければ……。
「お兄ちゃーん!!」
妹が応援席側で手を降ってアピールしてる。嬉しいようなくすぐったいような。かなり恥ずかしいのでやめて欲しい。
選手宣誓が始まり、無事棒についたクラス旗をクラス代表として宇尾さんが掲げて中央へと運ぶ。代表はクラス毎に男子女子と決められていてオレのクラスは女子だったから宇尾さんが選ばれた。
彼女は得物を振り回すのは得意だと言っていた。まあ、振り回さないけど他のクラスの女子達に比べやけに様になっていた。
男子の中にも棒術でもしてそうなヤツがいた。あっちの世界ならきっと勇者パーティーにでもいたんだろうなぁ。ほんと、何人がこっちにきてるんだろうか。
そんな感じで開会式も終わり体育祭競技開始だ。
まずは短距離走。オレもでるヤツだ。
百メートル走。まずは二年。一年は次なので今から待機場所に向かう。
走るメンバーが席を立ち、入場門へと向かう。オレも立ち上がり向かおうとした。その時池照が立ち上がり左肩に手をかけてきた。そのまま小声でオレに話しかける。
「勝負だ。大間。お前が出る競技全部一位取れたら返してやるよ」
何をとは言わない。だが、オレが返して欲しいのはいま覗き魔以外思い浮かばない。
嘘だろ……。いくら練習したからといって凡人のオレが一位なんて無理に決まってる。
オレの出る競技、クラス対抗の綱引きだってあるぞ……。
「じゃあ頑張れ、大間!!」
「おぅ――」
コイツ、まさか……。オレが使い魔を使うように仕向けているのか。
残ってる使い魔なら、走りも綱引きも勝てるかもしれない。だけど、勇者マユには見えている。力を使った事がバレバレになってしまう。
くそっ、どうすれば……。
使い魔達が出せ出せと騒いでる気がする。覗き魔が連れてきてくれた二匹だ。三匹の間でオレ以上の絆があるかもしれない。だが使うわけにはいかない――。
「頑張ろうね、たっくーん!!」
待機列についたあと夜から応援が入る。夜も同じ短距離走に出るから後ろに並んでいた。
「おぅ、一位取らないとな」
「たっくんなら出来るよ! 絶対出来る」
夜は自信満々でそう言った。
「そうだな。出来るよな」
オレは元魔王。魔族の世界で一位をとった男だ。
やってやる。やってやるぞ!!
二年の競技が終わりオレ達の番がきた。
なんか肩がムズムズする。これが武者震いか?
震える肩を押さえ中二病のようなポーズをしながらオレは百メートル走へと出陣した。
0
あなたにおすすめの小説
悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました
ぽこぺん
ファンタジー
転生の間で人間以外の種族も選べることに気付いた主人公
某人気小説のようにスライムに転生して無双しようとするも手違いでゴブリンに転生
さらにスキルボーナスで身に着けた聖魔法は魔物の体には相性が悪くダメージが入ることが判明
これは不遇な生い立ちにめげず強く前向き生きる一匹のゴブリンの物語
(基本的に戦闘はありません、誰かが不幸になることもありません)
趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた
歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。
剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。
それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。
そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー
「ご命令と解釈しました、シン様」
「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」
次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~
とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。
先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。
龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。
魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。
バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる