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第59話 魔王、前世の世界へ行ける?
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また目の前でマユが倒れる?
そんなのダメだ!!
オレが代わりに傷を! 大丈夫、さっき勇者は回復魔法を使っていた。だから――。
『この魔法は自分に使えないし致命傷にも使えないんだ』
記憶の中のマユが話す。
『だって、これはね私の生命エネルギーを使う魔法だから。自分の命を削って自分の命を延ばすなんて出来ないでしょ。そして致命傷に使えば私の命が先に尽きてしまうの。だから治せるのは軽症くらい……』
そうだ、軽症なら――。ダメだ! これ以上マユに負担をかける考えは! 無傷でなんとかしないと!!
「マユーーーーッ!!」
「マユ様ぁぁぁぁ!!」
オレがマユを庇うのと同時に池照が何かに持ち上げられ移動した。
ふわふわした耳を持ちふわふわの尻尾をぶんぶんと振り回す女子が池照を掴みマユから引き離してくれていた。
「レイナちゃん!!」
「え?」
気のせいだろうか。いま鉄拳玲奈の名前が出てきた気がするがただの同名だろうか。見た目可愛らしい動物の耳と尻尾を持つ女の子。ゲームとかでよくあるヒト成分多めの獣人ってヤツか?
てか、見たことあるなコイツ。確かに勇者マユのパーティーにいた。おそらくだが半分魔族の血を引く少女だ。鉄拳、お前あの少女だったのか?
両手両足を使って池照をしっかりと押さえ込んでいる。
「何をする! 半端犬!! 僕の邪魔をするな!」
「イヤッスよ!! 絶対にイヤッス! マユ様はわたしがまもるッス!! お前の事手伝ったのはマユ様を復活させるためッスよ。なのに、今手に持ってるそれは看過できないッス」
「離せ!! 勘違いするな。狙いは魔王だ!!」
「ダメッスよ! ダメッス! マユ様はわたしが守るんス」
「アレはマユ様ではない!! 僕があの世界で忠誠を誓ったマユ様を取り戻して、皆で元の世界に戻ろうと言っただろ。はやくそこからどけッ!!!!」
オレここで気がついた。マユを守ろうとして抱きついたままだった。パッと手と体を離す。
マユは一度目を伏せ、鉄拳達に顔を向けた。
「レイナちゃん、ヒイロ。もうやめよう。もうあの世界には……」
転生したということは、向こうではオレ達は死んでるって事なんだろう。それに、違う世界を渡るなんて魔法使えるわけが……。そもそも前世の世界が存在するのか。存在するとして一体どこなんだよ。
「魔王常闇夜っ!! 忘れていたわん!!」
うちの犬がひょっこりと顔を出す。いいのかお前、人前で!
ほら、鉄拳の目がびっくりしすぎて飛んでいきそうじゃないか。それでもしっかり押さえつける事は忘れないのは流石だった。
「そいつ、向こうに送り返したほうがよくないか? わん」
「え?」
「へ?」
「は?」
「はい?」
ここにいる人間がすべて犬に視線を向ける。あるのか? 向こうに行く手段が!?
「さっきの暴走魔力回収でいい感じに溜まったぞ。ほれ」
がぱっと犬の口が開く。あのヌメッとした口の中はこうなってるのか。って、それどころの話ではなかった。口の中に浮かぶ宇宙。いったいどこに繋がってるのお前の口の中!? え、その口を通って向こうに行くの? 無理だろ、絶対。
「そんな小さな口からどうやって行くと言うんだ!!」
池照の言葉にオレも頷いてしまう。
「え……、そもそもその口の中いったい何なんスか。え、というか、大間君の犬……え?」
「ケルちゃん、詳しく教えてくれる?」
マユに聞かれ犬は口を閉じオレの後ろに隠れた。マユが苦手だったのは前世で戦ったからなのか。
「ケルベロス、教えてくれ」
「しょうがないわん。簡潔に教えてやるわん。こちらとしてもさっさと主と父と母のところに帰らないと怪しまれるからなわん」
そうだよ、今頃きっと妹が探してるだろ。トワイライトに拐われたとかいう状況になってないといいけれど……。
そんなのダメだ!!
オレが代わりに傷を! 大丈夫、さっき勇者は回復魔法を使っていた。だから――。
『この魔法は自分に使えないし致命傷にも使えないんだ』
記憶の中のマユが話す。
『だって、これはね私の生命エネルギーを使う魔法だから。自分の命を削って自分の命を延ばすなんて出来ないでしょ。そして致命傷に使えば私の命が先に尽きてしまうの。だから治せるのは軽症くらい……』
そうだ、軽症なら――。ダメだ! これ以上マユに負担をかける考えは! 無傷でなんとかしないと!!
「マユーーーーッ!!」
「マユ様ぁぁぁぁ!!」
オレがマユを庇うのと同時に池照が何かに持ち上げられ移動した。
ふわふわした耳を持ちふわふわの尻尾をぶんぶんと振り回す女子が池照を掴みマユから引き離してくれていた。
「レイナちゃん!!」
「え?」
気のせいだろうか。いま鉄拳玲奈の名前が出てきた気がするがただの同名だろうか。見た目可愛らしい動物の耳と尻尾を持つ女の子。ゲームとかでよくあるヒト成分多めの獣人ってヤツか?
てか、見たことあるなコイツ。確かに勇者マユのパーティーにいた。おそらくだが半分魔族の血を引く少女だ。鉄拳、お前あの少女だったのか?
両手両足を使って池照をしっかりと押さえ込んでいる。
「何をする! 半端犬!! 僕の邪魔をするな!」
「イヤッスよ!! 絶対にイヤッス! マユ様はわたしがまもるッス!! お前の事手伝ったのはマユ様を復活させるためッスよ。なのに、今手に持ってるそれは看過できないッス」
「離せ!! 勘違いするな。狙いは魔王だ!!」
「ダメッスよ! ダメッス! マユ様はわたしが守るんス」
「アレはマユ様ではない!! 僕があの世界で忠誠を誓ったマユ様を取り戻して、皆で元の世界に戻ろうと言っただろ。はやくそこからどけッ!!!!」
オレここで気がついた。マユを守ろうとして抱きついたままだった。パッと手と体を離す。
マユは一度目を伏せ、鉄拳達に顔を向けた。
「レイナちゃん、ヒイロ。もうやめよう。もうあの世界には……」
転生したということは、向こうではオレ達は死んでるって事なんだろう。それに、違う世界を渡るなんて魔法使えるわけが……。そもそも前世の世界が存在するのか。存在するとして一体どこなんだよ。
「魔王常闇夜っ!! 忘れていたわん!!」
うちの犬がひょっこりと顔を出す。いいのかお前、人前で!
ほら、鉄拳の目がびっくりしすぎて飛んでいきそうじゃないか。それでもしっかり押さえつける事は忘れないのは流石だった。
「そいつ、向こうに送り返したほうがよくないか? わん」
「え?」
「へ?」
「は?」
「はい?」
ここにいる人間がすべて犬に視線を向ける。あるのか? 向こうに行く手段が!?
「さっきの暴走魔力回収でいい感じに溜まったぞ。ほれ」
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「そんな小さな口からどうやって行くと言うんだ!!」
池照の言葉にオレも頷いてしまう。
「え……、そもそもその口の中いったい何なんスか。え、というか、大間君の犬……え?」
「ケルちゃん、詳しく教えてくれる?」
マユに聞かれ犬は口を閉じオレの後ろに隠れた。マユが苦手だったのは前世で戦ったからなのか。
「ケルベロス、教えてくれ」
「しょうがないわん。簡潔に教えてやるわん。こちらとしてもさっさと主と父と母のところに帰らないと怪しまれるからなわん」
そうだよ、今頃きっと妹が探してるだろ。トワイライトに拐われたとかいう状況になってないといいけれど……。
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