性別詐称王女、ノエル殿下の暗躍

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4. 二度目の初夜

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 ノエルは、初夜のあまりの気持ちよさに衝撃を受けていた。これで後孔での交わりができるようになったらどうなってしまうのか。ベンジャミンはあれ以降、毎日ノエルの寝台で眠るようになった。時々、仕事で夜遅くまで起きていることがあるが、大抵起きたら横に寝ている。
 ノエルには愛されている自覚が芽生え始めた。ベンジャミンは毎日ノエルに口づけし、愛を囁いた。身体を重ねる日はベンジャミンの愛に惑溺した。ベンジャミンの想いが、強烈な快感となってノエルの身に刻みつけられる。受け入れられる指の数が増えるたび、ノエルの身体は悦んだ。
 ベンジャミンを憎からず思っている、とノエルは客観的にそう判断していたが、肉体に惜しみなく注がれる愛情に陥落せざるを得なかった。ノエルはベンジャミンを愛しはじめていた。


「口角を上げて! 頬が引きつっていますよ!」
「微笑みもせずに、相手の目をじっと見てはいけません!」
「理屈では人は動きません。理詰めで追い立ててはいけないのです。頼みごとをするなら、真摯にお願いしなくては」
「何事につけても、『ありがとう』と口にするのです。それが礼儀というものです。『すまない』や『感謝する』では十分ではありません。『ありがとう』、ほら、せーの、」
ノエルはベンジャミンの表情筋と喋り方の鍛錬を始めた。ノエルは一旦やると決めたら厳しかった。愛の鞭だ。
 ノエルは毎晩、ベンジャミンの凝り固まった頬を両手で挟み、もみもみとこねくり回す。ベンジャミンはノエルのそんな行動に渋い顔をすることもあるが、大抵は許していた。「もっと笑え」「話すときは柔らかい声で」「言葉遣いを丁寧に」といったノエルの言いつけも、素直に聞いている。その様子を見た側仕えの者たちは、ノエルを裏で「猛獣使い」と呼びはじめたとジョエルから聞いた。ベンジャミンがノエルの言いつけを守るたびに頬にキスしてあげていたので、躾をしているという点ではその呼び名も間違ってはいない。


 ノエルの発案で王妃が開催したお茶会は、おおむねノエルの予想した通りの人選となった。参加者は王妃とノエル、そして王妃の侍女として召し上げられた貴族のご婦人、ご令嬢方だ。クララ・ローゼ公爵夫人、レティツィア・フォイアーバッハ侯爵夫人、イーリス・ラポルダー侯爵夫人、以下、伯爵令嬢が数名。多くが議会の重鎮の肉親だ。
 ノエルは今回、デーヴァで仕立てた衣装を選んだ。東洋にある大陸出身の仕立て屋に作らせたものだった。東洋の民族衣装から着想を得たらしい。形状はドレスだが、こちらのドレスのように裾にフープを入れない。ほとんど身体の線に沿って流れ落ちるような作りだ。淡い色合いの柔らかい絹で、ベンジャミンからは真顔で「妖精のよう」と褒められた。
 一見して性別がわからなくなるよう、ノエルは工夫して生きてきた。今回もそのようにする。長い髪は上だけを編み込んでもらい、残りは垂らしておく。
 王妃愛用のサンルームに入ったとき、はっと息を呑む音が聞こえた。淑女たちの動揺を意に介さず、王妃は孫を見たかのように破顔し、ノエルに声をかけた。
「まあ、ノエル。今日も美しいこと」
ノエルは微笑み、お辞儀をする。
「王妃殿下におかれましても、ご機嫌麗しゅう」
「そんな他人行儀にしないで、さ、座りなさいな」
 ノエルは王妃の隣の椅子に腰掛ける。
 淑女たちは、王妃に気を遣いつつも、ノエルに興味津々だった。ノエルは笑みを浮かべ、彼女たちを見渡す。
「王妃殿下、皆様にご紹介頂けますか?」


◆◆◆


 最近、議会での意見が通りやすくなったように思う。以前と比べて多少マシになった、という意味だ。頭ごなしに否定されることが少なくなり、議論の余地が出てきた。ノエルの指導の賜物だろうかと思っていたが、本当の理由が分かったのはしばらくしてからだった。

「ベンジャミン殿下、その……妻がお世話になっているようで」
会議のあと、財務大臣のラポルダー侯爵に呼び止められ、なんのことかとベンジャミンは戸惑った。
「ノエル殿下と一緒に観劇に行ったと」
「ああ、そのことか」
ベンジャミンは頷いた。ノエルが、お茶会で知り合ったラポルダー侯爵夫人と観劇に行ったことは聞いていた。
「妻が大変楽しかったと申しておりました。またご一緒したいと。正直、妻の観劇趣味に付き合うのは大変で……ノエル様にも、今後ともどうぞよろしくとお伝えください」
ベンジャミンは戸惑いながらも頷く。
「伝えておこう」
侯爵は「是非に」と念押しして去っていった。

 似たようなことはたびたび起こった。出かけた先々で、ノエルの名前と感謝の言葉を聞く。
 軍務大臣のフォイアーバッハ侯爵から頭を下げられた時は驚いた。フォイアーバッハ家の三男をデーヴァ王国の官僚に推薦してもらったことについての感謝だった。
「ベンジャミン殿下からもお口添えがあったと聞きました」
「いや、私は……ノエルから頼まれただけだ」
ノエルがしたためた書状に、ベンジャミンはノエルと連名で署名しただけだ。ノエルからは、フォイアーバッハ侯爵家の三男は頭はいいのに勤め先がなかなか決まらない、奥方からの願いで推薦状を書いてやりたいのだ、と聞かされた。
「このご恩、感謝してもしきれません」
普段は寡黙で厳しい軍務大臣は、今だけは親の顔でベンジャミンに頭を下げる。ベンジャミンは頭を上げさせるのに苦労した。


「ノエル」
「ああ、おかえりなさいませ」
夜にベンジャミンが戻ると、ノエルは既に湯浴みを済ませ、自室で優雅に本を読んでいた。
「ノエル、あなたは曲者だな」
ベンジャミンはノエルに歩み寄り、腰を屈める。ノエルは顔を上げて、ベンジャミンの口づけを受けた。
「どうして?」
ノエルは何もかも分かっているように笑った。ベンジャミンは彼の両頬と額にキスを落とす。
「頑固な大臣たちが、俺に頭を下げるようになった。何かしたんだろう」
「何かって?」
ノエルはベンジャミンの頬にキスを返した。ベンジャミンは冗談めかして言う。
「例えば、賄賂とか」
あはは!とノエルは笑った。
「汚いお金で動く人達なら苦労はしません」
本を閉じ、ベンジャミンにウインクする。
「誠実な方々には、誠実に歩み寄らなければ。私は彼らの一番の悩みを解決しただけですよ。勉学しか取り柄のない息子の身の振り方を決めたいとか、観劇に熱を上げてばかりの奥方に付き合いきれないとかね」
ベンジャミンはノエルを促して立ち上がらせ、腰を抱いた。ベッドに誘導する。
「近衛隊長に高い酒をやったのも?」
「それは心付けです」
「ローゼ公爵……宰相の息子の誕生日に贈り物をしたな」
「小さな子の誕生日は皆で祝わなくては。そうでしょう?」
ベンジャミンは笑ってノエルを抱き上げ、ベッドに降ろした。ノエルは持ち上げられた拍子に驚いて叫び、それからケラケラ笑う。ベンジャミンはノエルの髪の生え際を指で梳いた。
「もうあなたには頭が上がらないな」
「いいえ、ベンジャミン様は『すべて俺の指示だ』とふんぞり返っていてください」
「それが私の役割か?」
ノエルはそれには答えず、いたずらっぽく目を輝かせて微笑んだ。ベンジャミンは諦めて息を吐く。ノエルは機嫌をとるようにベンジャミンにじゃれついた。
「いいから、ほら。キスして」
言われた通りにキスをする。意趣返しに深くしてやった。ノエルはすぐに鼻にかかった甘い声を上げる。彼は頭は切れるのに快楽にはめっぽう弱く、ベンジャミンは心配だった。側近のジョエルがいる限り滅多なことはないとわかってはいるが。
 ナイトガウンをするりと肩から落とす。ノエルはベンジャミンの腕を掴み、ベッドに倒れ込む。ノエルの力ではベンジャミンを引き倒せないのだが、一緒に倒れてやった。ノエルは首元にまとわりつき、キスをねだってくる。彼の容姿はいつまでも人間離れしていて、未だに演技をしているのか、本気で愛してくれているのかわからなくなる時がある。それでも、信じて愛するしかないのだと理解していた。
「そろそろ、最後までできるでしょうか」
ノエルの言葉に緊張する。これまで、前への刺激だけで快楽を与えてきた。拡張はしてきたが、正直言って挿入でノエルを悦ばせられるのかわからない。
「うん……」
曖昧に頷いてキスで誤魔化す。ノエルは蠱惑的に微笑み、ベンジャミンの襟から指を忍ばせた。首筋を撫でられ、ベンジャミンは自分で服のボタンを外す。ノエルが手を伸ばして、ボタンを下から外して手伝ってくれた。ベンジャミンはハッと手を止めた。
「その……すまないが、湯浴みをしていない」
「先に湯浴みに行きますか?」
「あなたが嫌かと」
ノエルはベンジャミンの首筋に鼻をつけ、匂いを嗅いだ。
「私は好きですよ、ベンジャミン様の匂い」
ベンジャミンは動揺した。ついでに下の息子も動揺したのがわかった。ベンジャミンはノエルのナイトガウンをはだけさせ、首筋に吸い付いた。それが始まりだった。
 ノエルは閨事に慣れてから非常に協力的になった。ベンジャミンにすがりつき、キスを求め、脚を開く。自惚れてもいいと思う。少なくとも、蜜事を許される程度には嫌われていない。
「愛している……」
耳元で呟くとノエルは嬉しそうにする。ベンジャミンはノエルの乳首を愛撫し、耳を舐め、性器を指で弄ぶ。ノエルが熱い息を吐いて腰をくねらせる。
「ベンジー」
ノエルは囁いた。
「後ろがいい」
ベンジャミンは黙ってそれに従った。ベッドサイドに準備してある香油を手に取り、手のひらで擦り合わせて温める。ノエルの秘所にゆっくりと指を忍ばせると、そこは既にやわらかくなっていた。
「また自分でしたのか」
「だって、どうせ洗うんですから」
積極的すぎて頭を抱えそうになる。こんなに艶事に溺れるほうだと誰かに知れたらどうしよう、と要らぬ心配がよぎる。その前になんとしてもベンジャミンに惚れさせねばならない。浮気をする気も起きないくらい徹底的に。
 解された後孔はそれでもまだ狭く、ベンジャミンは何度か香油を足しながら、慎重に指を増やした。ノエルはしどけなく喘いだり唸ったりしている。
「大丈夫か」
「大丈夫……はやく……」
「煽らないでくれ、頼むから」
ノエルは手を伸ばし、ベンジャミンの下半身のものを撫でた。
「こっちは、こんなにお利口にしてるのに」
「もう少しなんだ、やめてくれ……いい子にできなくなるだろう」
ノエルはくすくす笑った。ベンジャミンは黙って拡張作業を続ける。ベンジャミンの指を三本スムーズに出し入れできるようになったとき、ようやくベンジャミンは息子を解放した。ノエルはうっとりとそれを見つめている。
「……いいか?」
「早く」
愛する人にねだられて、興奮しない男がいるだろうか? ベンジャミンはすっかり雌になったノエルの蜜壷を凝視し、興奮でよだれを垂らす男性器でそっと口づけた。
「あっ……」
ノエルの中はやわらかく吸い付きながらベンジャミンを受け入れた。
「あ、ま、待っ、」
ノエルが焦ったように制止した。ノエルの好きな場所をかすめたとき、ノエルの身体が仰け反った。不意にしゃぶりつくような動きで愛されて、ベンジャミンは思わず途中で腰を止める。
「あっ、あっ、あーっ!」
「くっ……」
なんとか堪えてノエルを見ると、ノエルは痙攣して果てていた。
「ノエル?」
「は、はひ、……んっ、んう」
「もう逝ったのか」
ノエルは頬を上気させて、目の焦点が合っていない。大丈夫だろうかと不安になった。しばらくすると戻ってきて、はっとしたようにベンジャミンを見上げた。
「ベンジャミン様、今……」
「大丈夫か?」
「は、はい……」
開発しすぎたかもしれない、とベンジャミンは思った。ノエルが挿入で痛い思いをしないよう、時間をかけて慣らしてきたが、ノエルはすっかり後ろでの極め方を学んでしまったらしい。ますます心配になってきた。
「ノエル」
ベンジャミンは浅いところで腰を振り始めた。ノエルは叫ぶように喘ぐ。
「あーっ、ベンジー、ベンジー!」
「ノエル……!」
堪えきれなくなって奥にねじ込むと、ノエルは強く抱きついてきた。手足が巻きついてきて、キスをねだられる。ノエルは足を巻き付けたまま、煽るように腰を振ってくる。ベンジャミンはノエルの舌を吸い上げ、腰を回し、奥に擦り付けた。
「ノエル、ノエル、俺を愛してくれ」
「あっ、あ、あん、」
「他の誰も愛さないでくれ、ッ、俺だけを愛して……!」
ノエルは腰を振りながら高く猫のように喘ぎ、ベンジャミンの射精を受け止めたのちに、自身もとろりと精液をこぼした。


「つらくないか」
ベンジャミンが気遣うと、ノエルはとろんとした顔で微笑んだ。
「とても、素晴らしかった」
ノエルは恍惚の表情を浮かべて言った。ベンジャミンは寝転んだまま、ノエルの乱れた前髪をかきあげてやった。額はうっすら汗ばんでいた。
「本当に?」
「ええ、なぜ?」
ねだられてキスをする。
「あなたは、俺とこうするのが嫌ではない?」
ベンジャミンは恐る恐る尋ねた。聞いても詮無いことだとはわかっていたが、聞かずにはいられなかった。ノエルは目をしばたたいた。
「なぜ?」
ベンジャミンのほうが困惑してしまう。
「いや、男同士だろう。恋愛結婚でもないし……」
ノエルはみるみる目を見開き、なるほど、と手を叩いた。
「それはそうだ、私が悪かった」
ノエルは妙に男らしい口調でそう言って、がばっと起き上がった。先ほどまでベンジャミンに抱かれていたはずの美青年は、急にベンジャミンの手を取って口づけた。
「ベンジー、僕はあなたを愛している。言うのが遅くなってすまなかった」
ノエルは何も取り繕わない、自然な口調でそう言った。ベンジャミンは瞠目し、起き上がる。
「ノエル」
「ベンジャミン、僕はあなたを愛しているよ」
ノエルは言い聞かせるように繰り返した。ベンジャミンはノエルを掻き抱く。
「ノエル……!」
「愛しているよ。嘘ばっかりの人生だけど、これは本当だ」
ノエルは男の顔をしていた。いつもの人を惑わすような顔ではなく、青年らしく気恥ずかしそうに笑った。
「だから、もう一回してもいい?」
ベンジャミンは無言でノエルを押し倒した。







 アルトメリア王国軍は、第二王子の見事な采配により、帝国トールの侵攻をたびたび防いだ。国内での第二王子夫妻の人気はめざましかったが、彼らはあまり表舞台に顔を出さなかった。ただ、非常に仲睦まじくやっているという噂だけが漏れ聞こえてくるばかりだった。

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感想 3

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みんなの感想(3件)

SATORIN
2023.04.13 SATORIN

これで完結ですか(´゚д゚`)
まだまだ二人の甘々な日々が読みたい。
意地悪な人もなく、気持ちいいお話でした。
これからも色々な作品を楽しみにしていますね。

2023.04.13 as

最後までお読みいただきありがとうございました!
また気が向いたら続きを書くかもしれません。

解除
SATORIN
2023.04.12 SATORIN

ノエルの初々しい姿を堪能。これから少しづつベンジャミンとイチャコラしながら、進展してって下さい。
毎晩、0時を楽しみにしていますね。

2023.04.12 as

ありがとうございます!
次で完結です、よろしくお願いします。

解除
SATORIN
2023.04.10 SATORIN

美しくて、腹黒さもあるノエル。これから楽しみです(*´艸`*)
次の話が待ち遠しいです。

2023.04.10 as

ありがとうございます!
毎日0時に順次公開予定です。よろしくお願いします。

解除

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