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出発
しおりを挟む「ありがとうございます。じゃあ、行きましょうか!」俺はサーシャ達に呼びかけた。
「うん!わかったわ!……ところでタクト君。あの人は誰なの?」
「あぁ、あいつは気にしないでください。ただの馬鹿ですから」
「誰が馬鹿だ!!俺はこの国の王子様だぞ!!」
「はいはい、分かりましたから静かにしていて下さいね」
「くっ……!覚えてろよ!絶対許さんからな!!」
俺は無視して歩き出した。
「ふぅ~疲れるぜ……。さぁ、着きましたよ」
「ここがお城の中なんですか?」ミーアが不思議そうな顔で聞いてきた。
「あぁ、そうだよ。少し緊張するかもしれないけど大丈夫だよ」
「いえ、そういう訳では……。それにしても大きいですね」
「確かに、とても立派ですね」
「まぁ、王だからな。普通よりは豪華だと思うぞ?」
「そんなものなのかしら?」
「……あれ?でも、どうして王様はここにいないんですか?」
「あぁ、それはだな。王様がこの国の一番偉い人じゃないからだ」
「えぇ!?どういう事ですか?」
「この国は王様が一番上という訳ではなくて、国王代理っていう人が王様の代わりをしているんだよ」
「そうなんだ……。よく分からないけれど大変そうね」
「まぁ、そうだな。……おっと!着いたみたいだぞ?」
「……随分と広い部屋なのね」
「はい。こちらでしばらくお待ち下さい」使用人の男が扉を開けてくれた。
「あぁ、ありがとう」
「では、失礼します」男は一礼すると部屋の外に出ていった。
「よし、座るか」
「そうね」
「はい」
俺達はソファーに腰掛けた。
「ねぇ、タクト君は何処に居るの?」
「あぁ、タクトなら別の部屋に行っているわ」
「そうなの?どうしてかしら?」
「多分だけど……。私達を二人きりにする為じゃないかしら?」
「……なるほどね。タクト君の気遣いに感謝しないとね」
「えぇ、そうね」
「……あのぉ」サーシャとミーアが話している所に一人の女性が入ってきた。
「はい。何でしょうか?」サーシャは笑顔で対応した。
「あっ、その……。私はここでメイドをしております。ルミナスと申します」
「ご丁寧にありがとうございます。私の事は知っていますよね?」
「はい!もちろん存じております!タクトさんの彼女さんですよね?」
「はい!そうです!」サーシャは嬉しそうに答えた。
「あら、凄いわね。タクトの事を知っているなんて」
はい!それは勿論ですよ!だって、あんなにかっこいいんですもん!」
「そ、そう……。それなら、タクトの事を色々教えて頂けるかしら?」
「はい!いいですよ!」
それから二人は仲良く話し合っていた。
「……ん?どうやら終わったようだな」
「本当ですね。良かったです」
二人が楽しげに話している時、ちょうどタクトが戻ってきた。
「待たせて悪かったな」
「いや、全然待ってないぞ!むしろ、もっとゆっくりしてくれても構わなかったのだぞ!」
「ははっ……。相変わらずだなお前は……。じゃあ、行くとするかな」
「うむ!早く行こうではないか!……っと、その前に一つだけ聞きたいのだがいいか?」
「なんだ?急に改まって……」
「お前が勇者になると言っていた件についてだが、本当に魔王を倒してくれるのか?」
「あぁ、約束するよ」
「そうか!!それは頼もしい限りだな!!」
「ははっ……。それより、早く行かないか?もうすぐ日が暮れるぞ?」
「それもそうだな!よし、出発しよう!」
俺達は部屋を出て歩き出した。
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