魔導士カイラは許されない〜インキュバスの呪いで貞操帯をかけられた少年〜

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集結

清め

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 浴室にて。下着も剥がされ浴槽の淵に座らせられたガゼリオは、自分の目前でしゃがむレオの顔を見下ろしていた。

 あっけらかんとした雰囲気が消え失せ、元の人相が悪いのもあり社会に反抗する組織の一員のようだ。

「ガゼリオ、今から汚ねーモン掻き出して綺麗にしてやるから。よく見とけ」

「っ、うん」

 ウォーターの魔法で湿らせた2本の指を、レオはガゼリオの窄まりに捩じ込んだ。

「……っ!」

 挿入した指でガゼリオの後孔を押し広げながら空いた手で優しく腹を上から下へスライドさせるよう押してやる。

「はっ……う!」

 するとあの忌々しい男の冷たい体液が流れ出す。

 あぁ、ガゼリオやマティアス、ヴェルトから聞いた話は本当だったんだ。とレオは唇を噛み締める。

 全てが嘘であってくれれば良いというレオの細やかな願いが粉々に砕かれ、レオの瞳が痛嘆つうたんの念で満ちた。

「っはぁ、あ……!」

 指で掻き出され、上から腹を押され、ガゼリオはゆっくりと浄化されてゆく。

「……こんなもんか」

 残らぬようしっかりと白濁を吐き出させたレオはそう呟き、ガゼリオから指を抜いてやる。

「っはぁ……はぁ……」

 蕾を掻き回された事で昨晩の熱い夜を思い出したらしいガゼリオの体を、レオは石鹸で丁寧に洗い『ウインド』の魔法で乾かして浴室から追いやった。

 そして再びガゼリオをベッドへ押し倒し、養父の痕跡を上書きせんと愛撫する。

「……っ」

「ガゼリオ、目ぇ瞑ると怖いだろ? だからずっと目ぇ開けてろ。今、お前を愛してんのは他の誰でもない。俺なんだ」

 覆い被さられたまま、自分の手を雄々しい手で押さえつけられる。

 恐ろしい……そのはずなのに。相手がレオというだけで体が甘く解れてゆく。

「ん……♡」

 鬱陶しいほどのキスに自然と甘い吐息が漏れてしまう。

「ガゼリオ……綺麗だ」

 乱暴な愛撫の中浴びせられる優しい声。子が父に背負われる時のような安心感に心身を包まれ、自然と涙が溢れガゼリオの頬を伝った。

 解す為に再びガゼリオの後孔に指が捩じ込まれる。

「あっ、あ、あ、あ♡ あ♡」

 ぐちょぐちょと力強く。しかし丁寧に解され、ガゼリオは甘い呼吸を繰り返す。

 ガゼリオの準備ができた後、ようやくレオは下半身を覆っていた衣服も脱ぎ、恋人と同じ姿になった。

「あ……あ……っ♡」

 既に猛々しく天を向くレオの逸物に、ガゼリオの体が無条件で悦んでしまう。

「ガゼリオ……俺が今からお前の事清めてやるからな」

 と宣言し、レオはそそり立ったものをガゼリオの菊へ一気に挿入した!

「う……っ♡」

 養父のものより大きいはずなのに、奴との行為とは違い痛みを全く感じない。

「はぁ……♡ はぁ……♡」

「挿れられただけで気持ち良さそうだな。そのまま素直に感じて気持ち良くなっちまえ」

 レオはガゼリオを清め始める。

 乱暴に穿つのではなく、ガゼリオの傷付いた体を癒すように解してゆくのだ。

 互いの熱い吐息が地下室を支配する。

「っ……なんで」

 いつの間にか離されていた手を、ガゼリオはレオの逞しい体に回す。

「なんで乱暴なのに……こんなに優しいんだよ……?」

「ガゼリオの事がものすごく大切だから」

 ようやくレオの瞳に優しい光が灯り始める。

「……されてる事は同じなのに……ぅあ♡ 綺麗になってってる気がする」

「だろ? ……これから100回は綺麗にするからな」

「フフッ……100回って、バカかよ」

「バカだよ。バカだから、100回近くなってきたら数を数えらんなくなって……また1から数え直す」

「ハッ! ……お前が100数え終わるまで……っ、付き合ってやるよ」

「それって俺と付き合ってくれるって事か?」

 熱の籠った雄の目に見下ろされ、ガゼリオはつい目を情欲で潤ませてしまう。

「……あのさ。レオは……っ♡ 俺で本当に良いのかよ」

「ガゼリオ。俺とおんなじくらいバカなお前の為に何度でも言ってやるよ。……俺、ガゼリオがいい」

 レオの声に余裕が無くなってゆく。そろそろ終わりが近いようだ。

「……重いぞ? 俺」

「恋人は重いくらいが丁度いいですからね、えぇ。この筋肉で支えてみせますよ」

 軽口を叩くレオに、ガゼリオは満足気に微笑んだ。

「そうかよ……あっ♡ レオ……っ♡♡」

 先にガゼリオが快楽の渦へ投身した後、レオが彼の後を追った。

 愛する人の体液で腹が満たされてゆく。

 愛する人が己の欲を受け入れてくれる。

 幸せを感じ繋がったまま、互いに熱く抱擁し合いながら静かに見つめ合う。

「あのさ、レオ」

 静寂を破ったのはガゼリオだった。

「俺で良いんだな?」

「くどい」

「……だな」

 ガゼリオは苦笑した。

「あの男に抱かれた後、考えるのはレオの事ばっかりだった」

 レオは静かにガゼリオの言葉に耳を傾ける。

「お前から離れなきゃならねーって考えたら……耐え切れねーくらい悲しくなって、寂しくなった。……だから、俺もいつの間にかお前の事が好きになってたんだと思う」

「……そっか。俺の事好きか」

「うん。つーか愛して……って、なんでオメーが泣いてんだこのヤロー!」

 小動物のように瞳をウルウルさせるレオにガゼリオは軽く怒鳴った。

「ガ~ゼ~リ~オ~! 俺、嬉しいよ~! ようやく俺の事好きっつってくれたなぁ~!」

「……っ! オメー、何でナカでまたチンコデカくしてんだ!」

「このまま2回目の浄化やるか」

「はぁ!? いや、ちょ……ああぁぁぁっ♡♡♡」

   ***

 一方その頃。レザーにある某倉庫にて。

「ラブ。よくやってくれました」

 ようやく到着した大男の飼い主が悠々と現れた。

 今度はバインドという魔法でがんじがらめにされたベルは、夢魔の飼い主を観察する。

(……女?)

 エンジ色のクラシカルなワンピースに黒いブーツ、首元を覆うネックコルセット。緩く巻いた栗色の長髪が美しい、なんとも優雅な人だった。

 ヒールをコツコツと快く鳴らしている。まるでレッドカーペットでも歩いているかのようなその女は、大男を労うよう肩にポンと手を置いた後にベルの前で恭しい礼をした。

わたくしはエディと申しますわ。こちらは私のボディガード兼オモチャのディック。……あぁ、名前の事は嗤わないでくださいまし。無駄に悦ばせてしまうだけですから」

 ベルの危機察知能力が警鐘を鳴らしていた。この女はヤバい。得体の知れない何かがあると。

 しかしあの夢魔が持つ魔力の前に、一介の執事の魔力は意味を持たない。

「エディ。コイツがレオを襲ってたんだ」

「写真に写っていたあの男をですね?」

 ヴェルトが召集をかけてから真っ先に集まったのがこの2人……を愉しもうと準備していたらしいエディことダーティと、その飼い夢魔ディックであった。

 2人に与えられた使命は『レオを守る事』。カイラから卒業アルバムを見せられてレオの顔を覚えたディックが空からレザーの街を巡回していたのだ。

 そしてレオとベルが戦闘している最中に発見したディックが助太刀に入ったようである。

 ベルをふんじばったディックはレオの自宅の通信機を使ってダーティへ連絡。そして人目のつかない倉庫で落ち合ったのだ。

 なるほど。とエディは艶っぽく笑った。

「ここに連れて来いって言われたが……一体何するつもりなんだ」

「せっかく情報源がここにいるのです。何か得られないか聞いてみようと思うのです」

「なるほどな」

「ついでににもなるでしょう」

「……おい、そっちが目当てだろ」

「あら? バレてしまいましたか? うふふふふふ……後で貴方にもをあげましょうね」

「ッ! ……楽しみにしてる」

 魔法の拘束を解かぬまま、ディックは懐にしまっているケースからタバコを取り出し火を燻らせる。

 その様子を見て口角を上げたエディは再びベルに目をやった。

「さて。を邪魔されたと思っておりましたが……うふふ。貴方、良い目をしていらっしゃるのね」

 がんじがらめに捕えられ口も塞がれたベルの前に立ち、エディは捕虜の顎をクイッと手で上げた。

「こんなに惨めな格好にされているのに……貴方の目は未だに、ここから抜け出す手段を講じるのをやめない」

 マズい。

「貴方の事、気に入りましたわ」

 かなりマズい。

「おい、まさかここでヤるつもりなのか」

 酷く嫌な予感がする。

「えぇ、もちろん」

 最悪な目に遭わされる予感がする。

「私……貴方のような殿方を見ると虫唾が走りますの。まるで自分を強者であると勘違いし、罪悪感すら持たず弱者を慰み者にする男共が大嫌いなのです」

 笑っているが、確かにその目には男に対する憎しみのようなものが見えた。

「思い知らせてあげましょう。……それに私ももう限界なのです。だって1日に1回は射精しないと発狂しそうになるんですもの」

 彼女が発した言葉の違和感を、ベルは数分後に思い知る事となる。
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