魔導士カイラは許されない〜インキュバスの呪いで貞操帯をかけられた少年〜

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初めての遠征 その2

良い夜〜ヴェルトとカイラの場合〜

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「ねぇ、カイラ君」

 部屋に入るなり、ヴェルトはカイラの背に話しかけた。

「はい?」

 キョトン顔のカイラは振り返り、「はい?」と小首を傾げる。

「遠征始まって4日目だけど……大丈夫? 疲れてない?」

 言葉の気遣いに頬を緩め、カイラは首を縦に振る。

「大丈夫ですよ! 確かに大変ですけれど……ダーティさんやディーさん。それにヴェルトさんと一緒に冒険できて楽しいです!」

「……そう。それなら良かった」

「でもヴェルトさん。僕……ずっと2人きりになれなかったから、そのぉ……ずっとヴェルトさんの事、考えちゃってました」

 もじもじと恥ずかしがり頬を赤らめるカイラにヴェルトは目を細める。

「奇遇だね、僕もだよ。僕も早くカイラ君と2人きりになりたかった」

「ヴェルトさん……」

 カイラに求められるまま、ヴェルトはそっと少年に口付けをし抱き締めた。

「良いですよね? 今夜くらい……ヴェルトさんに思いっきり甘えても」

「もちろんだよ。……お風呂入ったら、僕が頭洗ってあげようか?」

「子供扱いしないでください」

「そう言ってすぐ怒るのが子供っぽい」

 「むっ」と唸った子供っぽいカイラにヴェルトは笑いかけ、再び強く抱き締めた。

   ***

「あのね、カイラ君」

 風呂から上がった2人は、ベッドに並ぶように腰を降ろした。

「僕さ、最後にカイラ君とセックスしてから1回も射精してないんだよね……あれ? そういやカイラ君も射精させてなかった気がする」

「させてもらいましたよ」

「……そうだったっけ?」

 やっぱりヴェルトさん覚えていないんだ。とカイラは少々苛立ちを覚えた。

「ヴェルトさん、その時酔っ払ってましたから」

「酔ってたって……まさか、ダーティの演奏代のワイン?」

「そうですよ! たった1本のワインで2人とも酔っ払っちゃったんです!」

「えぇ……まぁ、射精させてたなら良かったよ」

 不機嫌を隠さないカイラを宥め、ヴェルトはそっとカイラをベッドに寝かせ覆い被さった。

「今日はたっぷり気持ち良くさせてあげるからね」

「っ! ……は、はい……♡」

 不平不満が、これから始まる甘美な遊戯に溶けてゆく。

 こうしてヴェルトとカイラの『良い夜』が始まりを告げたのだ……

   ***

「~~~~ッッ♡」

「カイラ君てさ……ほんっと、気持ち良いのに弱いよね」

 ものの数分で裸に剥かれとろけさせられてしまったカイラは何も答えず、ただただ発情期の猫の如き声で鳴き続けるばかり。

 そしてヴェルトの意思で少年の鉄のいましめが外され、ひとときの自由が与えられる。

「あーあ、もうグッショグショにしちゃってさ……大丈夫? 外出してる時とか、シミになってバレたりしないの?」

 自分のモノに比べ随分粗末でありながら、随分濡れやすいカイラの欲望を握ってやりながらヴェルトは訊ねる。

「だ、大丈夫ですよ……確かにたまに溢れちゃいますけど、トイレで拭き取れば何とかあっ、あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 未だ柔らかな皮に包まれたままのモノを容赦なく扱き始めながら、ヴェルトは平然と口を開く。

「でも不便そうだね? 帰ったらまたミキ捜索頑張ろうね?」

「はっ、はい♡ ……やだっ♡ ヴェルトさん激し過ぎ……あっ♡♡ ~~~~ッッ♡♡」

 早々に暴発した短銃の先を手で覆い、ヴェルトは咄嗟に液状の弾丸を受け止めた。

「はあっ♡ はぁ……♡」

 体を捻り口付けを求めるカイラの思い通りにしてやると、ヴェルトは失笑した。

「なんかさ。段々と射精するまでが短くなってない? ずっと鉄に覆われてるから敏感になっちゃったのかな」

「きっとそうです……♡」

「それに少しずつ小さくなってるし」

「!! ……ヤダ♡ ヤダっ♡♡」

 小さくなっているという言葉にカイラは目に薄らを涙を浮かべた。

 どうやらヴェルトやハルキオン、ディックといった男達のナニを見てきたカイラもようやくティニーがティニーたる所以ゆえんを思い知ったらしい。

 それが更に小さくなったと言われ……カイラの男の尊厳がズタボロになってしまったのだ。

「別に良いでしょ? どうせカイラ君は生涯童貞って決まってんだから」

「そ、そんなぁ!!」

 ヴェルトの一言で遂に泣きべそをかき始めてしまったカイラ。

「僕だって僕だって! 皆さんみたいにおちんちん使いたいのにっ!」

「あのねぇカイラ君。射精させてもらえるだけで満足してなよ」

 射精すらさせてもらえないディックの事を知ってるカイラは、何も言えなくなってしまう。

 その隙を突かれ、後穴へ2本の指が一気に挿入された!

「っ! ヴェルトさぁ……っ♡」

 カイラは表情をとろけさせ、ベッドに両手を突いて若々しい尻を突き出すような体勢をとる。

「早く挿れたいんだけどさ。まずはたっぷり解してあげないとね?」

 長い指が、ほんのちょっぴり久々の感覚を無理やりカイラに思い出させる。

 次第に体重を支えきれなくなり、ゆっくりと身を倒しうつ伏せになってしまう。

「あは……すっかり力入らなくなっちゃったね?」

 ヴェルトもカイラに合わせるように伏せた。


 その時だった。


 ヴェルトの耳に、女の絹を裂くような悲鳴が届いたのだ。

 咄嗟にカイラを一瞥いちべつしたが……どうやらこの少年は雌の快楽に耽り気付いていないようである。

「カイラ君」

 とヴェルトは少年の耳元で囁いた後、真っ赤っかな耳をそっと噛んだ。

 ……この甘美な時間を誰にも邪魔させないように。

 きっとカイラならば、悲鳴を聞いたらこう言うだろう。「今すぐ助けに行きましょう!」と……

 しかしヴェルトはカイラのようにお人よしではないのだ。

 面倒ごとに巻き込まれない。それもヴェルトが人生の中で身に付けた、生き残る為の術である。

「~~~~ッッ♡♡」

 そして、カイラだけが助けを呼ぶ声に気付かぬままチョコレートのような遊戯が続けられたのだ。

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